コロナウイルス感染症

新型コロナに関するデマ、不適切な主張についてまとめました。

新型コロナウイルス感染症に関して多くの専門家、著名人が様々な意見を述べています。
一部の専門家、著名人が間違った発言をし、訂正をしていないことでデマや不適切な主張が拡散しています。
新型コロナに関するデマ、不適切な主張をまとめました。

Contents

PCR検査の発明者が「PCR検査を感染症の診断に用いるべきではない」と言っていた

PCR検査を発明し、その功績で1993年ノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリス博士本人も「PCR検査を感染症の検査や診断に用いてはならない」と警告していました。

https://www.hidamari-an.com/archives/784

個人サイトやSNSを中心に出回っているデマです。

投稿は「COVID-19TESTa FRAUD?」という言葉で始まり、1985年にPCR法を発明し、1993年にノーベル化学賞を受賞したことでこの功績が認められたMullisからの引用が紹介されています。

しかし、引用は実際には、COVID-19ではなく、HIVとAIDSについて1996年12月にジョン・ローリッセンによって書かれた記事からのものです

https://www.reuters.com/article/uk-factcheck-pcr/fact-check-inventor-of-method-used-to-test-for-covid-19-didnt-say-it-cant-be-used-in-virus-detection-idUSKBN24420X
(翻訳です)

ジョン・ローリッセンの記事をみてみます。

Kary Mullis, who won the Nobel Prize in Science for inventing the PCR, is thoroughly convinced that HIV is not the cause of “AIDS”. With regard to the viral load tests, which attempt to use PCR for counting viruses, Mullis has stated: “Quantitative PCR is an oxymoron.” PCR is intended to identify substances qualitatively, but by its very nature is unsuited for estimating numbers. Although there is a common misimpression that the viral load tests actually count the number of viruses in the blood, these tests cannot detect free, infectious viruses at all; they can only detect proteins that are believed, in some cases wrongly, to be unique to HIV. The tests can detect genetic sequences of viruses, but not viruses themselves.

PCRの発明でノーベル科学賞を受賞したKaryMullisは、HIVが「エイズ」の原因ではないことを完全に確信しています。ウイルスを数えるためにPCRを使用しようとするウイルス量テストに関して、Mullisは「定量的PCRは撞着語です」と述べています。PCRは、物質を定性的に特定することを目的としていますが、その性質上、数値の推定には適していません。ウイルス量テストは実際に血液中のウイルスの数を数えるという一般的な誤解がありますが、これらのテストでは遊離の感染性ウイルスをまったく検出できません。彼らは、場合によっては間違って、HIVに特有であると信じられているタンパク質しか検出できません。このテストでは、ウイルスの遺伝子配列を検出できますが、ウイルス自体は検出できません。 (翻訳です)

http://www.virusmyth.org/aids/hiv/jlprotease.htm

「PCR検査はウイルスそのものを検出するのではなく、ウイルスの遺伝子配列を検出している」という当たり前のことが書かれているだけです。

PCR検査の感度は70%

新型コロナウイルスPCR検査の感度が70%程度であると主張する人達がいます。
感度が70%というのは陽性の人100人に検査を行った場合、正しく陽性と判定されるのは70人ということです。(30人は偽陰性)

PCR検査は検体中に目的とする遺伝子配列を持つDNAやRNAが存在するかどうかを調べる検査であり、感染しているかどうかを調べる検査ではありません。
厚生労働省が認可している新型コロナウイルスPCR検査キットのほとんどは陽性一致率、陰性一致率共に100%です。

https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV-17-20200430.pdf

これは検体内に新型コロナウイルスRNAが存在した場合、ほとんど100%正確な結果が出るということです。

問題を複雑にしているのは検体採取ミスも偽陰性と見なされることです。
PCR検査は検体中に新型コロナウイルスRNAが存在していればほぼ100%正確な結果が出ますが、ウイルス量が少なくウイルスRNAを採取できなかった場合や、検体採取手技に問題があり、ウイルスRNAを採取することができなかった場合も偽陰性とされてしまいます。

コロナウイルスPCR検査の偽陰性について 前回コロナウイルスPCR検査の偽陽性について記事にしました。 https://tatsuharug.com/pcr-false-...

新型コロナ、なぜ希望者全員に検査をしないの?  感染管理の専門家に聞きました
聖路加国際病院 坂本史衣氏
2020年2月26日

感度とは、その検査が、陽性の人を正しく陽性と判定できる確率です。新型コロナウイルスによる感染症 (COVID-19)を引き起こすウイルスである「SARS-CoV-2」のPCR検査の感度は、30~50%や70%だという報告がありますが、いずれにしても100%ではありません。

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-sakamoto?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter

PCR検査の感度が70%程度であると言われ始めたのは2月頃で、根拠は中国の論文です。
しかし、この論文は医療崩壊を起こしつつある武漢で行われた研究によるものであったり、粗悪な検査キットを用いたものであったりと日本の検査感度にそのまま適用するのは不適切なものでした。

日本では多くの自治体で2検体(鼻咽頭、喉頭)を用いて検査をしており(大阪を除く)、高精度の検査キットを使用しています。
(6月以降は唾液検体も使用可能となっています)

https://www.niid.go.jp/niid/images/pathol/pdf/2019-nCoV_200416.pdf

検査精度に問題がある場合、原因を究明し改善するための方法が取られます。
仮に当初のPCR検査の感度が低かったとしても、いつまでも検査感度が低いままであるとは考えられません。
(日本ではプライマーの変更があり、2検体での検査が行われるようになりました)

まとめると次のようになります。

  1. 中国・・・粗悪な検査キットを用いたり、医療崩壊を起こした状態でのPCR検査感度が70%
  2. 日本・・・高精度の検査キットで2検体を用いてのPCR検査感度が70%???

日本でのPCR検査の感度が70%ということはあり得ません。

中国の論文でもPCR検査の感度は97%とするものがあります。
しかし、不思議なことにこの論文は多くの専門家から無視されています。

コロナウイルスPCR検査の感度97%という論文 PCR検査の感度が低いとされていることに疑問を持ち、記事を書きました。 https://tatsuharug.com/coron...
コロナウイルスPCR検査の感度について 北大病院の調査で唾液検体を用いたコロナウイルスPCR検査の感度が90%であるということがわかりました。 PCR「唾液検査」も精度...

PCR検査の特異度は99%

PCR検査の特異度が99%程度であると主張する人達がいます。
特異度が99%というのは陰性の人100人に検査を行った場合、正しく陰性と判定されるのは99人ということです。(1人は偽陽性)
PCR検査の実施結果を見ると特異度が99%ということは有り得ません。

PCR検査事例

武漢

武漢で約137億円かけて989万人にPCR検査を実施、その結果は?

検査人数:武漢市で989万9828人に対してPCR検査を実施。
検査結果:新規感染者はおらず、無症状感染者を300人確認。検出率は1万人当たり0.303人。

http://j.people.com.cn/n3/2020/0603/c94475-9697190.html

検査数989万9828、陽性者300、陽性率0.00303%
陽性者を全て偽陽性と仮定しても特異度99.99697%

ニュージーランド

NZ、行動規制を解除 世界に先駆け生活正常化

ニュージーランド(NZ)政府は8日、新型コロナウイルスの感染抑制のため導入していた行動規制を解除すると発表した。8日午後11時59分(日本時間同日午後8時59分)から屋内外での集まりの人数制限やソーシャルディスタンス(社会的距離)規制を撤廃し、世界に先駆けて市民生活や経済活動をほぼ正常化させた。 第2波対策として、1日2千~3千件規模の検査体制は続け、外国人の入国禁止も継続する。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60097650Y0A600C2EA1000/

新型コロナ「勝利宣言」のニュージーランドにも新規感染者

ニュージーランドの保健省は6月16日、国内で新型コロナウイルスの新たな感染者2人が確認されたと発表。これで24日間続いた「新規感染者ゼロ」の記録が途切れた。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/post-93713.php

1日2,000~3,000件の検査を続け、24日間陽性者が0だったと解釈できます。
従って48,000~72,000件連続で陽性者0(特異度100%)だったと考えられます。

福島県

5月10日~6月13日まで
検査数3211、陽性者0、陽性率0%、特異度100%

Jリーグ

Jリーグ、PCR検査実施の全3070件が陰性

Jリーグは26日、全選手や審判員らを対象に実施した新型コロナウイルスのPCR検査で全3070件が陰性だったと発表した。

https://r.nikkei.com/article/DGXLSSXK50675_W0A620C2000000?s=5

検査数3070、陽性者0、陽性率0%、特異度100%

サッカーJリーグ PCR検査2回目も陽性確認されず 新型コロナ

3182人が検査を受け、3054人が陰性となり、残りの128人は、検体の不足などで、8日までに判定が出ていないということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200708/k10012505051000.html

検査数3054、陽性者0、陽性率0%、特異度100%

2回の検査を合わせると検査数6124、陽性者0、陽性率0%、特異度100%

これらの結果からPCR検査の特異度は99.99%以上であると推測されます。

データから見るコロナウイルスPCR検査の特異度 コロナウイルスPCR検査の特異度を99%や99.9%という不適切な仮定で計算し、無症状者に対するPCR検査に反対している医師達の記事を...

特異度99%と特異度99.99%は大きく異なる

特異度99%と特異度99.99%は大して変わらないのではないかと考える人がいるかもしれません。
しかし、特異度99%と特異度99.99%は大きく異なります。
例えば1万人の陰性者に特異度99%の検査を行うと偽陽性者は100人出ますが、特異度99.99%の検査では偽陽性者は1人です。
大量検査について議論をする場合は特異度の桁の違いが大きな影響を与えます。

事前確率が低い場合、PCR検査を行うと偽陽性が大量に出る

偽陽性者が多く出るという根拠はベイズの定理を用いてのものです。
上記で見たようにPCR検査の特異度が99%ということは有り得ません。

罹患率1%、感度70%、特異度99.997%※で計算すると陽性的中率99.58%です。
罹患率0.5%、感度70%、特異度99.997%※として計算すると陽性的中率は99.15%です。
計算上ほぼ偽陽性は起こりません。
このように不適切な仮定(特異度99%)で不適切な計算を行う人が後を絶ちません。


特異度99.997%というのは武漢での大規模検査の結果を踏まえてのものです。
(検査数989万9828、陽性者300、陽性率0.00303%でした。陽性者を全て偽陽性と仮定しても特異度99.99697%となります)
事前確率が低い場合の検査についての話ですので事前確率が低かったと考えられる武漢の事例における特異度を採用しました。

ベイズの定理を用いてPCR検査の有用性を考える際の注意点 コロナウイルスPCR検査を行う場合に事前確率が低いと考えられる場合には検査を行うべきではないと主張する人達がいます。その理由としてベイ...
ベイズの定理を悪用し、コロナウイルスPCR検査の有用性を否定する医師達 以前ベイズの定理を用いて事後確率を計算する時の注意点を記事にしました。 https://tatsuharug.com/bayes...

事前確率が低いほどPCR検査では偽陽性が多くなる

必要なのは、全ての無症状者への徹底的なPCR検査ではない。尾身会長「100%の安心は残念ながら、ない」
分科会会長 尾身茂氏

偽陽性は検査前確率(事前確率)が低くなればなるほど、増えてくる。それが、この検査の特徴です

https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/senmonka-bunkakai-2-2?origin=shp
尾身茂氏の発言をファクトチェック BuzzFeed及びニュースで報道された尾身茂氏の発言の真偽をチェックしてみます。 毎週検査よりも自己隔離が実効再生産数を減少さ...

「あらゆる人に検査を」で得られるのは偽物の安心。PCR検査の特異度が99.9999%でも、議論は変わらない
岩田健太郎氏

「有病率が非常に低いところでPCRをやるとたいていは陰性に出ます。しかし、まれに陽性に出た場合に、それが偽陽性になる可能性が高まる。少なくとも、有病率が高いところよりはずっと高まる。これが特異度の問題です」

https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/covid-19-pcr-false-positive
岩田健太郎氏のコロナウイルス論を検証 岩田氏はダイヤモンド・プリンセス号に乗り込み海外に向けて動画を公開し、話題になりました。 twitterでも精力的に情報発信を行ってい...

偽陽性の原因としては検体の取り違え、検体の汚染、回復過程でのウイルス断片の検出等があります。
これらはいずれも感染者が多い(事前確率が高い)地域での検査で起こります。
感染者がほとんどいない地域では検体を取り違えても、検体を汚染しても陽性検体そのものがほとんどありませんので偽陽性が起こる可能性は低いです。
また回復過程にある感染者も少ないため、ウイルス断片の検出による偽陽性も少なくなります。

ニュージーランドでは40,000件以上連続で陽性者0(偽陽性0)、Jリーグでは6,000件以上連続で陽性者0(偽陽性0)等、偽陽性は事前確率が低いほど起こりにくいということを裏付けるデータが多数得られています。

コロナウイルスPCR検査の偽陽性について PCR検査については間違った報道が多いです。 https://tatsuharug.com/laboratory-technic...

PCR検査は新型コロナ以外でも陽性になる

【小浜逸郎】第2波は来たか

もう一つは、PCR検査は、何も新型コロナウイルスにだけ反応を示すのではなく、旧型コロナによるふつうの風邪、A型、B型インフルエンザ、アデノウイルス、クラミジア、マイコプラズマなどにも反応を示すそうです。

https://38news.jp/politics/16550

新型コロナのPCR検査が旧型コロナ、A型、B型インフルエンザ、アデノウイルス、クラミジア、マイコプラズマでは陽性にならないことを確認しました。
詳細は記事を参照して下さい。

コロナウイルスPCR検査はコロナ以外のウイルス、細菌でも陽性になることがあるというデマについて コロナウイルスPCR検査はコロナ以外のウイルス、細菌でも陽性になることがあると主張する人達がいます。常識の有る人ならば信じるはずが無い...

感染者でなくてもPCR陽性になる

【小浜逸郎】第2波は来たか

ところで、これまで根拠としてきた統計的前提を覆すような印象を持たれるかもしれませんが、じつはPCR検査というのは、その結果にあまり信用が置けません。理由はいろいろあります。

一つは、この検査の陽性反応はウイルスが体内で曝露したことだけを示すもので、疫病に「感染」したことを示すものではありません。だから陽性反応者の中にあれほど無症状の人が多いのです。そこで、陽性反応が何名出たからと言って、それを「感染者」とするのは間違いです。マスコミは「感染者何名、感染者何名」と騒ぎ立ててきましたが、正しくは「陽性者」と呼ぶべきです。

https://38news.jp/politics/16550

新型コロナウイルスに曝露されただけでPCR陽性になることは考えられません。
詳細は記事を参照して下さい。

コロナウイルスPCR検査は意味が無いという意見について コロナウイルスPCR検査を行う意味が無いと主張する人達がいます。彼らの主張を取り上げ、一つずつ検証します。 PCR検査が陽性でも...

PCR検査を繰り返し行っても意味は無い、感度は上がらない

:まず、1の「複数回検査すればいいじゃないか」という話ですけれど、偽陰性になりやすい検体……というか、偽陰性になりやすい人は、もう1回やっても偽陰性になりやすいんですよね。ここら辺は複数回やれば多少感度などが改善するかもしれませんが、100%になるとかそういうことではないんです。

編集Y:へえ。確率的には意味がありそうな気がしますけれど。

:ウイルスに感染した人は、体の中のどこかでウイルスが増えているわけです。検査で綿棒を突っ込むのは鼻の奥ですし、最近の唾液検査では、口腔(こうくう)内と咽頭の一部からでてくるものを反映している。そこにたまたま「ウイルスが少ない」という人がいたら、これは偽陰性になりやすいわけです。肺で増えている状況だけだと喉の付近には少ない、そういうことはあり得ますからね。

編集Y:なるほど。そして回数を増やしても、「鼻や喉の奥にウイルスが少ない」状況は変わらない……ということですか?

:そう。なので同時に2回やっても、やっぱりこの人は偽陰性になりやすい。

Yさんが言われたように、純粋に確率の問題と考えて、「検査で見逃す確率が3割あるとしても、2回目でその3割のうちの7割がヒットするだろう、繰り返していけば全部見つかるだろう」と想定、というか、まぁ、勘違いしている人が多いと思うんですね。でも、それはそうはならないんです。実際には明確に陰性は陰性、偽陰性は偽陰性のままであることだってたくさんある。

編集Y:ゆえに「1・精度の問題は、複数回検査を行えば大きく改善する」は明確に誤りだと。

:「複数回やろう」と言う方は、PCR検査の実地についての考え方がちょっと偏り過ぎていると思います。

編集Y:複数回やってもまったく無意味なんですか。感度は上がらない?

:上がる可能性がゼロとは言いません。でも、それでかえって判定困難になることが多いんですよ。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00164/091000006/

PCR検査の感度の高さ、複数回の検査での感度の向上を裏付ける事例が多数あります

サッカー部クラスター

立正大淞南、野球部員ら3人感染厚労省対策班招へい

全国高校選手権に18回出場した島根・立正大淞南高サッカー部で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が生じている問題で10日、同校のある松江市は新たに3人の感染を発表した。前日9日までに同部から89人(選手87人、教員2人)の陽性を確認。この日は野球部1人を含む生徒2人、生徒の同居者1人の感染が判明した。80人を超える感染者が出た部の専用寮は、2人1部屋でトイレ、風呂が共用。同市は11日以降に厚労省クラスター対策班を招くことも発表した。

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202008100001218.html

速報・新たに生徒4人感染 立正大淞南高クラスター

サッカー部では部員約140人のうち、部員88人の感染が判明。82人は同じ寮で生活し、残る6人は自宅から通学している。いずれも軽症か無症状で、症状のない生徒は寮で療養している。

https://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1597160348360/index.html

部員140人中88人が感染・・・陽性率62.9%

劇団クラスター

劇団の新型コロナ集団感染 さらに4人感染 計72人に さいたま

さいたま市内にある劇団の稽古場で発生した新型コロナウイルスの集団感染は、13日、新たに4人の感染が確認され、この稽古場で感染した人は合わせて72人になりました。

さいたま市内にある劇団「ミュージカル座」の稽古場では、今月4日と6日に公演に向けた稽古が行われ、出演者や劇団員など91人のうち、12日までに68人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されていました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201013/k10012661811000.html

劇団クラスター73人に 陰性から一転陽性へ

感染者のなかには検査で一度、陰性となった後に体調不良を訴えて陽性となった人が複数いるということです。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000195618.html

91人中73人感染・・・陽性率80.2%
(複数回検査を行っているようです)

ホストクラブのクラスター

【新型コロナ】神奈川で31人感染 横浜のホストクラブで26人 複数がクラスターの店で勤務

市によると、同ホストクラブでは既に感染者として公表していた6人と、自ら受診した1人を含む計32人の陽性が明らかになった。複数の従業員はクラスター(感染者集団)の起きた東京都新宿区のホストクラブでも勤務していたという。

市は医師や保健師らで構成する「クラスター班」を同店に派遣し、従業員36人の検体を調べていた。最初の発症は6月22日で、同店は来店客らに対し体調が悪い場合は医療機関を受診するよう呼び掛けている。

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A-%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E3%81%A7%EF%BC%93%EF%BC%91%E4%BA%BA%E6%84%9F%E6%9F%93-%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E3%81%AE%E3%83%9B%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96%E3%81%A7%EF%BC%92%EF%BC%96%E4%BA%BA-%E8%A4%87%E6%95%B0%E3%81%8C%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%BA%97%E3%81%A7%E5%8B%A4%E5%8B%99/ar-BB16ao0N

従業員36人中32人感染・・・陽性率88.9%

仙台のホストクラブで東北最大のクラスター 50人感染確認

ホストクラブは青葉区国分町の「PHASE(フェーズ)」。感染状況は図の通りで、いずれも10~30代の従業員20人と利用客ら30人の陽性が判明した。
 従業員のうち少なくとも16人は9月中旬、研修を兼ねた社員旅行で北海道に滞在した。その後、21日~10月1日に発熱などの症状が次々と現れ、最終的に全従業員23人のうち20人の陽性が確認された。
 感染した従業員のうち12人は発症後も1~7日間、出勤を続けた。9月28日以降、今度は利用客らに次々と症状が現れた。市保健所は「従業員は北海道で感染した疑いがある。発症後も出勤したため、店内で感染が広がった」と推測する。
 市は23日~10月2日、店に出入りした人の名簿の提出を求め、従業員を含む96人を検査対象とした。13日までに結果が判明した75人を見ると、無症状者を含めた陽性率は66.7%となっている。

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202010/20201014_13019.html

従業員23人中20人感染・・・陽性率87.0%

これらの事例からPCR検査の感度が高さがわかります。
複数回の検査を行っている場合もありますので、繰り返し検査を行うことの有用性もわかります。

峰氏は「PCR検査の感度は70%程度で繰り返し検査をしても意味が無い、感度は上がらない」と主張しています。
PCR検査の感度が70%程度で複数回検査しても感度が上がらないのであれば、どのようにして陽性率87.0%や88.9%という数字が出るのでしょうか?

海外の事例も紹介します。

コロナは強かった!女性16人全員がノーマスクで感染

米フロリダ州ジャクソンビル市で16日、16人の女性グループ全員が同時に新型コロナウイルスに感染したことが分かり、米国内で話題になっている。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/274866

16人中16人感染・・・陽性率100%

介護施設の入所者ほぼ全員の55人感染、無料検査受けず 米

(CNN) 米モンタナ州イエローストーン郡の公衆衛生当局は16日までに、同州ビリングスにある高齢者向け介護施設で入所者59人のほぼ全員の新型コロナウイルス感染が判明したと報告した。入所者の死亡者は8人となっている。

施設の運営企業の声明によると、入所者59人と職員55人の全員を対象に今月3日、新型コロナの検査を実施。先週には入所者43人と職員15人の陽性反応を発表していた。

ただ、同郡の公衆衛生当局の報道担当者は、現在の感染者数は入所者55人、職員36人に増えたとした。

https://www.cnn.co.jp/usa/35156903.html

入所者59人中55人感染・・・陽性率93.2%
(繰り返し検査を行ったようです)

33人中31人感染・・・陽性率93.9%

臨床検査技師が足りないので検査を増やせない

「PCR検査せよ」と叫ぶ人に知って欲しい問題

――多くのメディアでは検体採取を行う保健所の話ばかりで検査の現場の話はあまり出てきません。検査をする技師には専門性と熟練が必要だそうですね。

マイクロリットル単位で何種類もの試薬を順番を間違えずに加えるという根気と技術力の必要な仕事だ。キャラクターの問題もある。私は長く見てきているし、部下を適材適所で配属しなければならない立場なので、向いている人と向いていない人の違いがわかる。長期間根気よくコツコツと取り組める人でないと向かない。自信満々であったり乱暴な雑な人がやるとダメ。それに手先が器用でないとできない。

大本のボトルを汚してしまって全部陽性になったという事故もこれまでいろんなところで聞いている。空中にウイルスが飛んで他の検体に落ちてしまうようなことがないように部屋を分けて、管理に細心の注意を払うことも必要だ。昔からPCRはたいへんだといわれる。その技術を持つ人の養成は一朝一夕にはいかない。

https://toyokeizai.net/articles/-/349635?page=3

衛生検査所でPCR検査を行っている人は臨床検査技師でしょう。
しかし民間の検査会社でPCR検査を行っている人は臨床検査技師とは限りません。
精度管理は臨床検査機技師が行っているでしょうが、PCR検査をすることに臨床検査技師の資格は必要ありません。
従って臨床検査技師が足りないので検査を増やせないということはありません。
(常識で考えるとわかることですが日本よりも何十倍も検査をしている国では、臨床検査技師が日本よりも何十倍もいるのでしょうか?)

全自動検査機器を使用する場合、手先の器用さ等は全く必要ありません。

検査試薬が足りないので検査を増やせない

――先生は「日経メディカルオンライン」でRNA抽出キット(PCR検査の前段階としてRNA遺伝子を抽出するもの)がすべて輸入品で入手が難しいことを指摘なさっていました。

その問題は非常に危機感があった。世界中で検査しているためなのか原因はよくわからないが、最もよく使われていた欧州の製品の供給が細くなり、アメリカのものも入ってこなくなった。ここへきて国内企業ががんばって作って配りはじめたので、だんだん解消されていくのかもしれない。ただ、それも検査を増やすペースによる。

https://toyokeizai.net/articles/-/349635?page=4

検査キットは国内企業が輸出するほど生産していますのでキット不足の心配をする必要はないでしょう。

【新型コロナ】島津がPCR試薬増産へ、月60万検体分に倍増。米国にも輸出へ

島津製作所は新型コロナウイルス検出試薬キットの生産を現状比2倍の月60万検体分に増やす検討と、米国に輸出する準備に入った。

https://newswitch.jp/p/23190

機械が足りないので検査を増やせない

――RNA抽出からDNAの増幅・検出まで全自動で行う検査機器の開発も進んでいるようです。

自動で検査できるPCRの機種は限られていて現状ではどこの施設でも使えるわけでもない。主要なメーカーはアメリカ企業なので急に大量に購入しようとしても供給を受けられるのかわからない。値段が高くて簡単に購入できないという問題もある。

https://toyokeizai.net/articles/-/349635?page=4

日本国内には全自動検査機器が多数存在します。

台数1日の検査数1日の検査数合計
コバス680025※ 1,50037,500
コバス880010※ 4,00040,000
パンサーシステム351,00035,000
112,500

※国内に合わせて35台(平成31年の段階でコバス6800は23台、コバス8800は10台)なので残りの2台をコバス6800とした場合

厚生労働省は全自動検査機の存在を認めていますが新型コロナの検査のために使用するつもりがありません。

B型肝炎、C型肝炎の検査数は年間合わせて200万件です。
自治体が行っているHIV検査は抗体検査ですので関係ありません。
コバス6800とコバス8800を1台ずつ1年間フル稼働させると200万件の検査が可能です。

コバス6800とコバス8800を1台ずつを除くと国内で確認されている全自動検査機はコバス6800が24台、コバス8800が9台、パンサーシステムが35台あります。
これらをフル稼働させれば1日10万7,000件の検査が可能です。

コロナウイルスPCR全自動検査機について コロナウイルスPCR検査の検査数は9月に入ってから横ばいの状態が続いています。多い日で3万件の検査数になっています。9月10日の検査数...

治療法が無いので検査をしても意味が無い

新型コロナ、なぜ希望者全員に検査をしないの?  感染管理の専門家に聞きました
聖路加国際病院 坂本史衣氏
2020年2月26日

ーー現状で、無症状の人、軽症の人に検査をやる意味は薄いとされていますね。検査の目的が変化しているからですね。

封じ込めを試みていた段階が終わりに近づいていますし、陽性と分かっても治療法(=できること)がないからです。今は資材や医療スタッフ、時間などの限りある医療資源を重症者のために優先的に使う必要があります。

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-sakamoto?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter

「陽性とわかっても治療法がない」と主張していますが世の中には治療法が無い疾患は多数存在します。
例えば先天性の疾患、一部の悪性腫瘍は対症療法に頼らざるを得ないのが現状です。
病院に勤務していながら治療法が無い疾患を患っている患者を治療する必要は無いという考えなのでしょうか?

コロナ陽性「3日で退院」トランプ大統領に投与された“2つの薬”本当の効果

治療の効果は明らかに向上している

「あくまで現場の印象ですが、治療の効果は明らかに向上し、重症者の割合が比較的多い当センターでも6月以降に亡くなった患者さんはいません。その間に100人近くの感染者を受け入れながらも死者ゼロが続いています」

もちろん、効果的な治療薬が見つかったといっても、完壁に治せるわけではない。投与しても重症化するケースはあり、特に高齢者や基礎疾患がある人はそのリスクが高く、楽観視はできない。

また、忽那医師は「発症から時間がたつと治療薬の効果が低くなる」と指摘している。若くて基礎疾患がない人でも、発症から1週間ほど経過すると、レムデシビルを投与しても悪化することがある。感染がわかったら、できるだけ早く治療を受けることが重要だ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/90a2aa1ca1ab2335570bd5260779690f853b991b

2月の段階では治療法はありませんでしたが、いつまでも治療法が無い状態が続くわけではありません。
その時点で治療法が無くても試験的治療を繰り返し、治療成績を向上させるのが臨床現場の常識です。

「陽性とわかっても治療法がない」というのは医療そのものを否定する主張です。

韓国、イタリアはむやみに検査をしたので医療崩壊を起こした

韓国・イタリアで医療“崩壊”地獄 無防備なPCR検査で医療従事者の感染招く 医師・村中璃子氏寄稿

2020.3.13

韓国では、感染者を徹底的に洗い出すことを目的に無症状・軽症の患者まで広くPCR検査を実施した。日本では「韓国にできるのになぜ日本でできないのか」とPCRの全員検査を主張する識者まで現れたが、結果、韓国では軽症者が病床を占拠して重症者の医療を奪い、重症患者の救命にあたる医療スタッフが手薄となるなど医療崩壊が始まった。

韓国ではMERS(中東呼吸器症候群)の経験から、大量のPCR検査を行うキャパシティを持っていたが、そのことがかえって災いした結果となった。

イタリアでは、欧州で初めて中国人観光客2人を含む3人の感染が確認された1月31日時点で、「欧州一厳しい監視体制を取る」として、広く浅いPCR検査で徹底した水際対策をとることを宣言した。しかし、新型コロナウイルスはすでにイタリア国内に広がっていた。防護服を着るなどの体制を整えず、どこの病院でも無防備にPCR検査を行った結果、多くの医療従事者の感染を招いた。

https://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/200313/lif20031320000048-n2.html

韓国の医療崩壊は次のようにして起こりました。
「大規模クラスター発生→陽性者急増→医療崩壊→生活治療センター開設でキャパシティ確保→検査体制拡充」です。
韓国では当初、日本と同じように検査に対しては消極的でした。
しかし、大規模クラスターが原因で医療崩壊が起き、感染疑いの患者が多数発生し、検査拡充へ方針転換しました。

イタリアの医療崩壊は次のようにして起こりました。
「早期の入国制限、緊急事態宣言」→「検査体制拡充」→「陽性者0」→「経済活動再開」→「感染者急増」→「医療崩壊」
です。
大量の患者が発生し、医療崩壊に至った場合は検査実施の有無は関係ありません。
イタリアの医療崩壊の原因は経済活動の再開の仕方を間違ったからです。

軽症者の隔離先の確保をせずに検査体制を拡充すれば医療崩壊が起こるのは当然です。
それを防ぐために「武漢のコンテナ病院」や「韓国の生活治療センター」が即座に開設されました。

韓国、イタリア共に検査体制の拡充と医療崩壊は直接関係ありません。
「検査体制を拡充すると医療崩壊が起こる」というのは事実ではありません。

PCR検査体制を拡充すると医療崩壊が起こるという説について 日本では、PCR検査体制を拡充すると医療崩壊が起こるのでむやみに検査をすべきではないという意見がありました。イタリアと韓国の医療崩壊の...

偽陰性者が感染を広げる

「経済を回すために無症状への検査拡大」専門家はどう見るか?
川崎市健康安全研究所所長 岡部信彦氏

PCR検査の陰性は「今、陰性である」結果に過ぎません。たぶん、一般の人の受け止め方は、「陰性だから、今日働ける」というだけではなくて、「これで1週間の休み中にどこか遊びにいける」「飲み会にも出ていいんだ」というものだと思うのです。

今日の陰性は明日の陰性を保証しないということが理解されていない。それが伝わらないまま、偽りの安心を与えてしまえば、その人が無自覚に行動して感染を拡大してしまう可能性も生まれます。

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-okabe-8-1

必要なのは、全ての無症状者への徹底的なPCR検査ではない。尾身会長「100%の安心は残念ながら、ない」
分科会会長 尾身茂氏

「偽陰性になると、本人は良かったと思って出歩く可能性がある。そうすると、感染を広げるリスクとなります」

https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/senmonka-bunkakai-2-2?origin=shp

感染者は「検査で確定した感染者」「偽陰性者」「検査されていない感染者」に分けられます。
それぞれの割合を推測します。
検査感度を90%とします。

偽陰性者の感染者に占める割合

日付推定感染者数検査で確定した感染者数偽陰性者数検査されていない感染者数
9月24日2,371477(20.1%)56(2.4%)1,838(77.5%)
9月25日2,349570(24.3%)63(2.7%)1,716(73.1%)
9月26日2,329638(27.4%)70(3.0%)1,621(69.6%)
9月27日2,310478(20.7%)53(2.3%)1,779(77.0%)
9月28日2,293294(12.8%)32(1.4%)1,967(85.8%)
9月29日2,276531(23.3%)59(2.6%)1,686(74.1%)
9月30日2,261570(25.2%)63(2.8%)1,628(72.0%)

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
https://covid19-projections.com/japan

感染者捕捉率は20~25%と推測されます。

感染者に占める偽陰性者の割合は3%以下です。
(検査拡充が進めば割合が増える可能性がありますが感度90%の場合は最大でも10%です)

検査をされていない感染者の割合は70%以上です。
この人達は無症状者、検査を希望しても受けられない人等となります。
このうち無症状者が多くを占めると考えられますので、感染者の多くは無症状者となるでしょう。

感染者の3%以下(最大でも10%)の偽陰性者と感染者の大多数を占める検査を受けていない無症状者のどちらが感染を広げるのでしょうか?

偽陰性者には2通り

それでも偽陰性者が気になるという人達がいるかもしれません。
偽陰性者は行政検査の偽陰性者と自費検査の偽陰性者にわけられます。

行政検査の陰性者(真陰性者と偽陰性者)には自治体からの行動制限の要請があります。
罰則規定はありませんので行政検査の偽陰性者が気になるのであれば罰則規定を設けるように主張すべきです。

自費検査の偽陰性者には行動制限の要請はありませんので、自費検査の偽陰性者が気になるのであれば行政検査に組み込み、罰則規定を設けるように主張すべきです。

「偽陰性者が感染を広げる」という主張は非科学的で筋が通りません。

コロナウイルスPCR検査の偽陰性者が感染を広げるという主張について コロナウイルスPCR検査で偽陰性であった人が安心して感染を広げると主張する人達がいます。彼らの主張を検証します。 和歌山県の事例...

小さな粒子はマスクの隙間を通り抜けるのでマスクをする意味は無い

マスクの効用について

新幹線を上回る速度でぶっ飛ばす5㎛のくしゃみの飛沫は、10~100㎛のマスクの縫い目なんか、楽勝ですり抜けると思いませんか?

https://yoshinori-kobayashi.com/20942/

日本エアロゾル学会の見解を紹介します。

https://www.jaast.jp/new/covid-19_seimei_JAAST_20200327.pdf

飲食店、旅行業界を助けるためにはある程度の感染リスクは許容すべき

仮に医師会会長がエビデンスも無しにテレビで「GoToが感染拡大のきっかけだ」と断言したことはすなわち

感染対策をしながら経済を回すのは不可能である

と断定したのに等しい。
もし「感染対策をしながら経済を回すのが無理」ということであれば、経済を回さず感染対策をするか、経済を回して感染対策をしないかという選択になってしまう。
医師会会長は暗に「経済を回さず感染対策をしよう」といったのであると思うが、そうすると問題になるのはどちらがたくさんの死者が出るのかということになります。

コロナでの死者は現在9ヶ月で1921人弱。このペースだと年間では2561人です。しかも余命短い基礎疾患ありの高齢者がほとんど。

これに対して現役の自殺者の予測は13750人以上!!ということになる。

https://www.landerblue.co.jp/52918/

感染対策と経済対策はトレードオフの関係にあると考え、「経済対策のためには感染リスクを許容すべき」という主張があります。

https://ourworldindata.org/covid-health-economy

健康と経済のトレードオフの兆候はなく、まったく逆

トレードオフの考えに反して、ペルー、スペイン、イギリスなど、最も深刻な経済不況に見舞われた国は、COVID-19の死亡率が最も高い国に属していることがわかります。

また、その逆も当てはまります。台湾、韓国、リトアニアのように、経済的影響が小さい国も、死亡率を低く抑えることができました。

https://ourworldindata.org/covid-health-economy (翻訳です)

感染対策と経済対策はトレードオフでは無いというデータです。
過剰な感染対策が経済を停滞させるとは限らないということです。

「Go To トラベル」に関しては人の移動を伴いますので感染収束地域に限るべきと考えます。
「Go To トラベル」ができないからといって「感染対策をしながら経済を回すのは不可能 」とは言えません。

日本のように国の感染対策が不十分で国民の自助努力に頼っている場合は国民が過剰な自粛を行ってしまうため経済への影響は大きいのかもしれません。
このような場合、自助努力を行っている国民に向かって「過剰に恐れるな」というメッセージを送るのではなく、きちんとした感染対策を行う方が経済対策になることは明白です。

感染対策をきちんと行い感染を収束させると安心して経済活動が行えます。

K値の予測は当たった

実は、本誌は7月22日発売号で、すでに〈ピークは7月末にきます〉と明記していた。それは大阪大学核物理研究センター長、中野貴志教授による感染予測であった。感染の拡大と収束の速度を測るメーター「K値」によると、中国由来の第1波、欧米由来の第2波の収束後、6月下旬に東京の新宿を“震源”とする第3波が到来。それが収まる前、7月6日ごろに第4波が立ち上がったが、そのピークも7月末だという見通しだったのだ。あらためて中野教授に尋ねると、

「早い地域で7月下旬、全国的にも8月初旬にはピークを越えていました。今回の流行は国内発生で、地域によっては感染源がダラダラと流入し続け、第5波が発生して波も高くなりましたが、首都圏を除けば小さな流行でした。今後新たな波が発生するかどうか、予測できませんが、緊急事態宣言やそれに伴う自粛がなくても、一つひとつの波は、現状の用心と対策で自然に収束へと進む。日本における自然減の傾向は、より明確になると思います」

京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授も、こう話す。

「中野先生のK値は、ピークの時期をピタリと予想しましたね。僕も7月下旬から8月上旬にピークアウトすると予想し、YouTubeで発表していました。尾身先生の発表は少し遅いと思いましたが、安全に配慮したのでしょう。重症者数もピークアウトしたはずで、増えて注目された大阪の重症者発生数も、8月中旬にはピークを越えたと思います」

https://news.yahoo.co.jp/articles/225ef88a6d1cbd68ee1f2be2849801b82e22d7eb?page=3

7月から8月の予想をみてみます。

8府県

中野氏の同僚である吉森保氏のnote
https://note.com/prof_a_hill/n/n173709142e58
7月9日にピークアウトという予想がされていました。

7月5日以降の感染者数(緑の点)を追加しました。
7月14日以降は振り切れてしまいました。

大阪K値予測 7月18日

大阪K値予測  7月26日

よく見ると始点が6月28日から7月1日に変更されています。
K値のグラフは始点が変わるとグラフは変わります。
何故説明もなく勝手に始点を変更するのでしょうか?

K値について調べてみました K値は大阪大の中野貴志教授(原子核物理)が考案したもので感染症の流行状況を知る指標とのことです。大阪モデルに採用されるのではないかと言...

大阪K値予測  8月15日

もはや何を予想しているのかもよくわかりません。
そもそも第1波~第4波の定義はどうなっているのでしょう?

8府県K値予測 7月18日

8府県K値予測 8月7日

何故勝手に起点をずらすのでしょうか?

首都圏3県のK値予測 8月7日

「異常です」というより「外れました」が正しいと思います。

勝手に始点を何度も変更して「当たりました」は無いと思います。

日本のPCR検査のCt値の基準が高いので下げるべき

注目すべきは、検出するまでのサイクル数を示す「Ct値」だ。

PCR検査では、サンプルのウイルス遺伝子を増幅させて判定するが、増幅の回数を示すのが「Ct値」である。1サイクルで1本の遺伝子が2本に、2サイクルで4本、3サイクルで8本と乗数で増えていく。これを繰り返し、特定の反応が立ち上がると陽性だと判定される。

現在、新型コロナウイルスの判定方法について公開されている、国立感染症研究所の「病原体検出マニュアル(令和2年3月19日)」では、判定するのに必要なサイクル数を45サイクルとしている。45サイクルとは、1本の遺伝子が理論上は35兆本となる計算である。宮沢准教授は、この45サイクルは過剰であり、死んだウイルスの断片など、感染力とは関係のないウイルス遺伝子の検出につながる可能性が高く、Ct値は32程度が妥当なのではないかと述べている。

https://yanagase.org/2020/10/09/pcr%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%81%AE%E9%87%8D%E5%A4%A7%E3%81%AA%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%80%82ct%E5%80%A4%E3%81%AE%E6%A4%9C%E8%A8%BC%E3%82%92%E6%80%A5%E3%81%92%EF%BC%81/

国立感染症研究所の「病原体検出マニュアル(令和2年3月19日)」を確認します。

https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV20200319.pdf

「陽性コントロールの増殖曲線の立ち上がりが40サイクル以内にみられ、かつ陰性コントロールの増殖曲線の立ち上がりが見られないときに試験が成立するとみなす」とありますので日本での判定に用いられているサイクル数は45サイクルではなくて40サイクルです。

「死んだウイルスの断片など、感染力とは関係のないウイルス遺伝子の検出につながる 」とあるのは感染後の回復過程で問題になることです。
日本では5月29日以降、退院基準が変更となり、退院時のPCR検査は不要となっています。

PCR検査なしで退院も コロナ感染、基準見直し―厚労省
2020年5月29日

新型コロナウイルスに感染した患者について、厚生労働省は29日、発症から14日間経過し、かつ症状改善から72時間が過ぎればPCR検査を受けなくても退院できるよう基準を見直した。国内外の研究で、感染者は発症日から7~10日過ぎると、他人に感染させるリスクが低いことが分かったため。近く都道府県などに通知する。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052900496&g=soc

https://www.mhlw.go.jp/content/000635398.pdf

コロナウイルスPCR検査の偽陽性について PCR検査については間違った報道が多いです。 https://tatsuharug.com/laboratory-technic...

PCR検査の高Ct値は低ウイルス量、低Ct値は高ウイルス量を表します。
ただし何点か注意が必要です。

  1. Ct値が表すのは検体中に含まれるウイルス量である
  2. 検体採取部位(鼻、喉)のウイルス量=全身のウイルス量ではない
  3. 検体採取時に感染初期なのか、回復期なのかを見分けるのは困難

①について
検体採取ミスがあると検体中のウイルス量は減少します。
検体中のウイルスが少ないからといって検体採取部位のウイルスが少ないとは限りません。

②について
検体採取部位(鼻、喉)のウイルス量と全身のウイルス量は等しくありません。
(ある程度の相関がある可能性はあります)
検体採取部位のウイルス量が少ないからといって全身のウイルス量が少ないとは限りません。

③について
回復過程での高Ct値(低ウイルス量)は感染性が無い可能性があります。
(日本では退院時のPCR検査は不要となっていますので、このことが問題になることはありません)
しかし検体採取時に感染初期なのか、回復過程なのかを見分けるのは困難です。
感染初期の場合、高Ct値であっても数日後に多量のウイルスを排出する可能性はあります。

これらのことからCt値の見直しが必要とは考えられません。

緊急事態宣言は必要無かった

「吉村知事」が「8割おじさんに騙された」 西浦モデルを阪大教授が全否定した「K値」とは

「吉村知事は天を仰いでいました。西浦モデルに“騙された”という思いがあるのではないでしょうか」

西浦教授の数理モデル自体はどうか。

「42万人死亡、という数字は、だれも新型コロナを気にせず、毎日ドンチャン騒ぎをする状況なら、確率論的にはありえますが、一般常識としてはありえません。その公表がリスクコミュニケーションとしてどうだったかといえば、私はよくなかったと思う。言い出せば世の中は怖いウイルスだらけで、何百万人死ぬという推計も、出そうと思えば出せます。しかし、出しても恐怖を呼び、社会的に混乱を招くだけです」

また、今回の感染は、
「中野教授のK値を見ても、自然減の傾向が強く、放っておいても下がる」
と語る。そこでもう一人の学者、大阪大学核物理研究センター長の中野貴志教授に登場を願おう。

K値を通して、見えてきたことは多いという。
「人と人との接触が多いと感染拡大のペースが上がるなら、都市部では収束が遅れ、地方では早くなるはずですが、それが変わらない。すると、3月上旬までの感染者で、日本のその後の感染者数の推移は決まったと考えたほうが自然です」

緊急事態宣言はK値の解析レベルではわからない程度の改善しかなく、大阪と兵庫の往来自粛も同様です。人出の多少でも変わらず、パチンコ店でもクラスターの発生はない。大声で人と話し、唾が飛び交う状況でないただの“密”は危なくない、と考えたほうが論理的です。さらに日本は欧米にくらべ、ロックダウン前の収束スピードが倍くらい速い。これには疫学的ななにかがあると思います。だから、海外から感染者が入ったら欧米のように感染爆発とか、ありえません」

https://news.goo.ne.jp/article/dailyshincho/nation/dailyshincho-638034.html

緊急事態宣言前から感染減の傾向にあったのは事実です。
しかし、「緊急事態宣言は必要無かった」と言い切るのは無理があります。
4月の大阪の状況を振り返ります。

PCR検査、大阪で最長10日待ち 医師「保健所受け付けず」―民間委託で拡充急ぐ

府内では、大阪健康安全基盤研究所(大阪市)や医療機関などで1日当たり計約420件の検査能力がある。府は検体採取場所を増やし、民間検査機関にも委託することで、約890件に拡充する見込みだ。

しかし、感染者の4割が集中する大阪市では4月中旬、相談から検査までに最長10日間かかっていた。重症者やクラスター(感染者集団)の検査を優先したが、待機中に容体が急変して入院した人もいたという。大型連休中で検査が減少した1日時点でも、5日程度の待ち時間が生じていた。

新型コロナが疑われる患者が訪れる地域の開業医も対応に苦慮する。府内のあるクリニックには発熱した人がほぼ毎日来院するが、他の患者とは別の時間帯に、防護服を着込んで診察している。男性院長は「保健所は必要な検査をほとんど受け付けていない」と語気を強める。

院長によると、患者に肺炎の所見があるにもかかわらず、保健所に検査を断られたケースがあった。発熱した別の介護職員は検査を受けられず、仕事に復帰できないまま2週間の自宅待機を余儀なくされているという。

院長は「検査を受けられずに39度の熱が続くのがどれだけつらいか。医療崩壊を防ぐため、患者に過度な負担を強いている現状が気の毒でならない」と話した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020050300126&g=soc

大阪の4月9日のPCR検査陽性率は25%を超えています。
この頃は検査体制が追い付いておらず、多くの感染者を見逃していたと考えられます。

時事通信(4月18日付)の報道によると、大阪の4病院が救急患者の受け入れを停止したり一部制限したりしたことについて、日本救急医学会の嶋津岳士代表理事が「通常の体制を維持できず、救急医療の崩壊は既に始まっている」と指摘していた。また同記事では、4月13日から重篤な患者の受け入れを停止した大阪急性期・総合医療センターの担当者が「苦渋の選択。コロナの重症者が増え続ける中、通常の救急体制を維持するのは難しい」と話していた。

https://lite-ra.com/2020/06/post-5448_2.html

この頃は救急患者の受け入れを一部停止していました。

7都道府県に緊急事態宣言が出たのは4月7日です。
潜伏期間を考慮すると感染減の効果が出るには1~2週間かかると考えられます。
大阪にとっては緊急事態宣言は絶妙のタイミングだったはずです。

「緊急事態宣言は必要無かった」ということを大阪に関係する人達が主張するのは間違いです。

新型コロナの指定感染症を外し、5類感染症にすべき

コロナウイルス感染症を指定感染症から外すべきという意見があります。

「指定感染症解除」は新型コロナを甘く見ているわけではない。多くの人を助けるためにこそ、解除と5類分類の決断を!
音喜多駿氏

● 指定感染症は一例残らず「報告義務」があることから、負担が非常に大きく医療資源を逼迫する

● 情報管理だけで保健所がパンクするし、PCR検査も行政主体の「行政検査」になるので検査数を増やしづらい。指定感染症における疫学調査等の理由から、医療機関は「委託契約」を自治体と結ぶ必要があり、事後にも可能だがそんな面倒なことは実際にはやらない(ので検査は増えない)。

● 何より、これから季節性インフルエンザが流行る。インフルの検査で来院して、陰性となった場合は新型コロナの疑似症例となる。新型コロナが「指定感染症」のままだと5類感染症である季節性インフルの「上」扱いになるため、すべての検査患者を「新型コロナの疑いあり」として保健所に相談・対応する必要が出てきて、医療現場が大混乱に陥るのではないか

● 指定感染症のメリットとしてあげられる入院隔離は、現時点で実態としては全例で行われていない。施設の消毒についても、クラスター対応がメインでもはや全例についてやっていない。

https://otokitashun.com/blog/daily/24140/

音喜多氏があげているメリットは五類感染症にしなくても対応できることがばかりです。
音喜多氏は五類感染症にすべきと主張し、メリットばかりをあげていますがデメリットには一切触れません。

指定感染症を外し5類感染症にした場合、国民の側には一切メリットはありません。
政治家の側に立ったメリットを考えてみます。

  1. 入院費用を患者負担にすることで公費削減
  2. 行政検査の数を減らすことで公費削減
  3. 隔離施設廃止による公費削減

指定感染症から外した場合にどのようなことが起こるのかは記事を参照して下さい。

コロナウイルス感染症、指定感染症から外すべきという木村盛世氏、音喜多駿氏の主張を検証 コロナウイルス感染症を指定感染症から外すべきという意見があります。仮に指定感染症から外した場合、どのようなことが起こるのかを検証します...

新型コロナを収束させるには集団免疫を獲得する他ない

終息には“集団免疫”しかない! 免疫学の世界的権威が語る「抗体保有者を増やしていく戦略」

「新型コロナウイルスとの戦いは、必ず人類が勝利します」

そう断言するのは、順天堂大学医学部免疫学特任教授の奥村康氏(医学博士)。

奥村氏が考える終息への道筋とは、「集団免疫の獲得」によるものだ。人口のうちの一定割合の人が一度このウイルスに感染して免疫を持つことで、感染拡大が封じ込められていく――という見方だ。

「過去に世界で流行したスペインかぜや香港かぜ、あるいはSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)など、いずれも最終的に収束したのは、人間が集団免疫を持ったから。いまは猛威を振るっている新型コロナウイルスも、最終的には集団免疫によって抑え込まれていくし、それ以外に人間が勝利する道筋はないのです」(奥村氏、以下同)

https://news.yahoo.co.jp/articles/02f969f4a73fbae0cbfec91c692c35fbd9396b9b

元厚労省技官が断言「1カ月自粛してもコロナは収束しない」

一般にどんな感染症も、収束への道筋は二つのみで、集団免疫を獲得すること、あるいは有効なワクチンが開発されること以外にありません。1~2カ月という短期間での収束とは、現実逃避にすぎないと思います。

https://news.yahoo.co.jp/articles/27616e469d5fe99567d7987dd96e1fb0f2f9ca52

新型コロナを収束させている台湾、中国、ニュージーランドは集団免疫を獲得しているわけではありません。
日本国内でも検査、隔離を徹底している自治体では感染者が一時的に増えたとしても感染を収束させることができています。(和歌山県、鳥取県等)
「新型コロナを収束させるには集団免疫を獲得する他ない」というのは間違いです。

「新型コロナを収束させるには集団免疫を獲得する他ない」という主張の問題点は以下の通りです

  1. 仮に集団免疫を獲得した場合、どの程度持続するのか?
  2. 医療崩壊は避けられるのか?
  3. 東アジア特有の感染が拡大しにくい条件下(マスクの影響が大きいと考えます)で集団免疫獲得を目指すのは得策なのか?

①について
仮に集団免疫を獲得しても季節性インフルエンザのように免疫力が持続しない場合、毎年数十万人単位の死亡者が出る恐れがあります。

②について
医療崩壊を防げるのかは疑問です。
感染拡大を人為的にコントロールしながら集団免疫獲得を目指すのは非常に困難です。

③について
現在の日本の累計罹患率は1%以下と推測されます。
新型コロナの感染が拡大しにくい東アジア特有の条件下で敢えて集団免疫獲得を目指す必要性があるのでしょうか?
同じ東アジアの台湾、中国、韓国のように徹底的な検査、隔離による感染収束を目指さない理由は何なのでしょうか?

コロナウイルス感染症、指定感染症から外すべきという木村盛世氏、音喜多駿氏の主張を検証 コロナウイルス感染症を指定感染症から外すべきという意見があります。仮に指定感染症から外した場合、どのようなことが起こるのかを検証します...

日本人は既に新型コロナに対する集団免疫を獲得している

京大教授「日本人はコロナを克服。年末に終焉」説の論拠

「日本の奇跡」──世界各国は日本の新型コロナウイルスの感染者数や重症者数、死者数の少なさに困惑し、「ファクターX」を探していた。しかし、ある1人の専門家によって、その謎は解かれた。もはや「新しい日常」は必要ないのかもしれない。

「世界中で新型コロナウイルスのワクチン開発が進んでいますが、すでに日本人はワクチンを打っているのと同じ状態にあります。いま、無症状の陽性者が増えているのも、彼らは“自らの免疫ですでに新型コロナに打ち克っている人たち”なんです」

そう語るのは、京都大学大学院特定教授の上久保靖彦さんだ。小池百合子都知事が9月4日、「感染者数が再び増加に転じないよう厳重な警戒が必要」と発言するなど新型コロナ脅威論は根強い。だが上久保さんは、「新型コロナの脅威は終わった」と断言する。



すでに多くの日本人は免疫を獲得しているので、新型コロナを恐れる必要はない」

https://news.yahoo.co.jp/articles/eb2e8b7054f9242b0c9ec56d3b54ec41475e02c5?page=1

これまでインフルエンザ同様、秋冬に新型コロナが再拡大すると指摘されてきた。だが上久保さんは「11月に新型コロナは終息する」と語る。

「私たちの試算では、いまのところ日本人は、S型50%、K型55%、武漢G型80%、欧米G型85%で集団免疫が成立し、このままいけば、11月にはほぼ100%の日本人が免疫を持つはずです。高齢や基礎疾患などの重症化リスクがなければ、今後亡くなる人は少なくなるでしょう」

ウイルスの変異も11月が「最終章」になる。

「新型コロナのスパイクが変異可能な数は最大で12~14で、ひと月に1回ほどの頻度です。現在、日本が検体のデータを出していないので何型まで進んでいるのかわかりませんが、S型が始まったのが昨年12月なので、今年の11月には最後の変異を終えて、その後消失し、ただのコロナウイルスになります。それはコロナウイルスのメカニズムで決まっていることなのです。年末には、新型コロナは終焉を迎えるはずです」

https://news.yahoo.co.jp/articles/eb2e8b7054f9242b0c9ec56d3b54ec41475e02c5?page=5

京都大学大学院医学研究科の上久保靖彦特定教授と吉備国際大学の高橋淳教授らの研究グループは「日本人はコロナウイルスに対する集団免疫を獲得している」という内容の論文を発表しています。

この説を元に「緊急事態宣言は必要無かった」「集団免疫を獲得しているので3密回避不要、マスク不要」 という主張を展開していました。

予測は外れました。
上久保氏の説を信じて感染した人達もいるでしょう。
責任は取れるのでしょうか?

上久保氏の説の間違いについては記事を参照して下さい。

上久保靖彦氏の集団免疫説を検証 京都大学大学院医学研究科の上久保靖彦特定教授と吉備国際大学の高橋淳教授らの研究グループは「日本人はコロナウイルスに対する免疫を持ってい...

日本人の大多数は既に新型コロナに曝露している

新型コロナ「7段階モデル」で今冬の流行を予測

暴露力は5割を超え、集団免疫が成立も
――Ver.2の主な変更点を教えてください。

5月のシミュレーションでは国民・1億2600万人の約3割、4000万人が暴露経験を持つと推計された。現在は移動制限が解かれて4カ月が経ち、5割がすでに暴露経験を持っていると考えている。50%を大きく超えて集団免疫ができる値になっている可能性も低くない。

https://toyokeizai.net/articles/-/386189?page=4

今回の変異した新型コロナが日本に入ってきたとしても、上記の日本人の対コロナに対する強みは発揮されるので、今回も欧州ほどには重症者や死亡者は増えないだろう。日本は集団免疫の状態に近づきつつあるとみている。

https://toyokeizai.net/articles/-/386189?page=5

――集団免疫が成立しているとすれば心強いです。もう少し詳しくご説明ください。

データの推移から、ウイルス干渉や集団免疫が実際に発生していると私はみており、新型コロナに対する免疫の強化がなされた人が国民の過半数を超えて集団免疫的な状況ができあがりつつあり日本で重症者数や死亡者数は2020年の春よりも少なくなると考えている。

一方、今回の欧州で猛威を振るっているのが、変異を起こした新型コロナウイルスであって、これにうまく対処できない場合、日本でもある程度蔓延し、若い人の重症者・死亡者は少ないが、血管にリスクを抱える高齢者の重症者・死亡者は増加するリスクがある。ただし、先ほど述べたように欧州の水準よりは低いはずだ。

https://toyokeizai.net/articles/-/386189?page=6

高橋氏は「国民の30~45%が曝露した」というシミュレーション結果を元にして7段階モデルを説明し、日本人は集団免疫を獲得しつつあると主張します。

集団免疫を獲得しつつある場合、重症者、死亡者が減るだけではなく、感染者そのものが減少するはずです。
ところが日本では11月以降感染者が急増していますので集団免疫を獲得しつつあるということはありません。

高橋氏の説の間違いについては記事を参照して下さい。

高橋泰氏の「感染7段階モデル」を検証 上久保氏の集団免疫説同様、メディアで取り上げられることが増えてきた高橋氏の「感染7段階モデル」について検証します。 7段階モデル...

新型コロナはインフルエンザみたいなもの

新型コロナの「指定感染症」は過剰。インフルエンザと同じ「5類感染症」に
致死率が低い新型コロナの危険性に見合った措置に舵を切るとき
岡田幹治 ジャーナリスト

致死率はきわめて低い

検査を受けていない潜在的な感染者がいることや、今後、検査数が増えて無症状感染者が増えることを考えれば、最終的な致死率はもっと低くなることが予想され、季節性インフルエンザの0.1%や新型インフルエンザの0.1%以下に近い値になると見る医師や研究者もいる。

https://webronza.asahi.com/national/articles/2020101800001.html?page=2

「新型コロナはインフルエンザみたいなもの」「新型コロナの致死率はインフルエンザと変わらない」と主張する人達がいます。

新型コロナとインフルエンザの致命率

致命率(致命割合):CFR(Case Fatality Rate)

CFR
コロナウイルス感染症1.47% ※1
季節性インフルエンザ 0.033%(2018年)
0.1%(超過死亡概念を用いた場合)

致命率(致命割合):CFR(Case Fatality Rate)
= 死亡者数 / 確定診断がついた感染者数 × 100(%)

感染致命率(感染致命割合):IFR(Infection Fatality Rate)

IFR
コロナウイルス感染症0.3~0.6% ※2(数理モデルに基づく推定値)
季節性インフルエンザ0.005-0.01%程度 ※3

感染致命率(感染致命割合):IFR(Infection Fatality Rate)
= 死亡者数 / 全感染者数 × 100(%)

新型コロナとインフルエンザの人口呼吸器使用率

インフルエンザ

人工呼吸器使用人数人工呼吸器使用率
2016~20174020.00402 %
2017~20185550.00555 %
2018~20195330.00533 %

感染者数1000万人として計算

新型コロナ

軽快940例、死亡267例、人口呼吸実施中250例(11/27)
総数1457例
累計陽性者数139,240(11/26)
https://crisis.ecmonet.jp/

人工呼吸器使用率 = 1457/ 139240× 100 = 1.04%

新型コロナの致命率、人工呼吸器使用率はインフルエンザとは桁が異なります。
日本が欧米と比べ死亡者が少ないのは日本では感染が拡大せずに感染者が少ないためです。
東アジア特有の感染が拡大しにくい要因はファクターXと呼ばれ、様々な要因が考えられます。

コロナウイルス感染症のファクターXは? 日本を含む東アジアは欧米諸国と比べ、コロナウイルス感染症による死亡者が少ないため、何らかの要因(ファクターX)があるのではないかとされ...

日本でも欧米のように感染が拡大した場合、死亡者が大幅に増加することが考えられます。


1:https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/  
2020年11月26日 死亡者数/陽性者数として簡易に計算
2:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/8-39_4.php
3:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/19/050800015/051100003/?P=4

コロナウイルス感染症とインフルエンザとの違い 近頃はPCR検査抑制論だけでなく、コロナはインフルエンザみたいなものという主張まで出てきました。あまりにもいいかげんな主張なので違いを...

新型コロナの後遺症

退院後半数が後遺症 新型コロナ、和歌山県調査

和歌山県は5日、新型コロナウイルスに感染し、退院した県民のうち、約半数が後遺症を訴えているという調査結果を公表した。数カ月後も後遺症がある人もいるという。入院時の症状が重いほど現在も不調を訴えている人の割合が多いことも分かった。



後遺症の症状を聞いたところ(複数回答)、最も多かったのは「嗅覚障害」の30人だった。続いて「倦怠(けんたい)感」26人、「味覚障害」と「呼吸困難感」が20人ずつ、「頭痛」16人、「脱毛」12人、「胸痛」11人など。「脱毛」では洗髪時に髪の毛がまとめて抜けたという事例もあったという。このほか、忘れやすくなったなどの「記憶障害」「集中力低下」「睡眠障害」などもあった。

https://www.agara.co.jp/article/90001

新型コロナはインフルエンザみたいなものということはありません。

新型コロナは空気感染しない

新型コロナはエアロゾル感染(空気感染)するということがわかってきました。
エアロゾル感染、空気感染に関しては定義の面からも混乱が見られます。
詳細は記事を参照して下さい。

新型コロナは空気感染するというのはタブーなのか? 分科会会長の尾身氏は「マイクロ飛沫感染は空気感染ではない」という主張を行っています。マイクロ飛沫感染という聞きなれない用語を用いて空気...

ここで峰氏の考える飛沫感染、空気感染についてみてみます。

どんなウイルスで、どのように感染するのか? 新型コロナウイルスのそもそも論
峰宗太郎

新型コロナウイルスは主に「飛沫感染」と「接触感染」によって感染することがわかっています。これらは他のコロナウイルスでも同様の感染様式をとると考えられています。

飛沫感染とは、咳やくしゃみをした際に生じる比較的大きな「飛沫」や、呼気に含まれる飛沫などである「エアロゾル」中にウイルスが含まれ、その飛沫などを吸い込むことで感染がひろがる経路です。

https://news.yahoo.co.jp/byline/minesotaro/20200421-00174406/

https://news.yahoo.co.jp/byline/minesotaro/20200421-00174406/
(峰氏が作成したイラストです)

峰氏の考える新型コロナの感染経路は飛沫感染と接触感染です。
飛沫感染の原因となる飛沫は「直径は5μm以上」「速やかに落下する」とされています。

「空間に浮遊する微粒子を吸い込むことによる感染が主体」であれば峰氏の作成したイラストの空気感染(飛沫核感染)に該当するはずですが、峰氏は空気感染では無いと主張します。
理解不能です。

会食時にはマウスシールド、フェイスシールドが有効

田村大臣、会食時に役立つ“上げ下げ”可能なフェイスシールドを実演 注意点も

田村憲久厚生労働大臣がさきほど記者団の取材に応じ、きのう、1日の全国の感染者数としては過去最多となる2383人を記録したことについて「このまま放置すればさらなる感染拡大に至ると、きのうのアドバイザリーボードでかなり危機感を持って専門家の皆様から色々なご意見を頂いた」と述べたうえで、飲食や会食、宴会の場などにおける感染防止対策としてマスクやフェイスシールド、マウスシールドの活用を改めて呼びかけた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2f3f971d99f2fd78ed23c3fa20d73aa0078a7af9

一体どんな専門家から意見を聞いたのでしょうか?
マウスシールド、フェイスシールドはエアロゾル感染対策としてはほとんど効果がありません。

https://www.tut.ac.jp/docs/201015kisyakaiken.pdf

PCR検査には反対していなかった

近頃はPCR検査抑制論を主張していた人達がPCR検査の拡充には反対していなかったと言い始めました。

PCR検査体制の拡充に反対したことなんて一度も無いそうです。

村中璃子氏のコロナウイルス論を検証 村中氏はテレビ、twitter、note等で精力的にコロナウイルス感染症について発信しています。村中氏のコロナウイルス論を検証します。...

物は言いようですが言い逃れができない人達もいます。

https://diamond.jp/articles/-/234135

この記事に登場する人達は日本が「PCR検査抑制」を決めたロジックの発信源となった人達です。

そもそも、検査はなぜ行うのか。感染した個人の治療に役立て、社会の感染状況を科学的に分析するという二つの目的があるが「最も大事なのは重症化を抑え、死亡率を上げないこと。だから重症の人を正しく絞り込み、その分の医療キャパシティーを空ける。そして経路調査と接触調査を行い、クラスターを突き止め、つぶすために検査をするということを主眼に置くべきだ」と米国立衛生研究所・アレルギー感染症研究所博士研究員の峰宗太郎氏は指摘する。

https://diamond.jp/articles/-/234135?page=4

緊急事態宣言が発令され、医師が必要と考える検査でさえ、充分に行われていない時期に書かれた記事です。
記事の企画についての説明はあるはずですので記事の企画、タイトルについて知らなかったという言い訳は通用しません。

DIAMOND onlineのコロナ関連のトンデモ記事 コロナウイルス関連の報道は間違ったものが多いです。この記事ではPCR否定派のロジックがほぼ全て登場します。一つずつ見ていきます。 ...

日本のPCR検査順位を見てみます。

順位国名人口100万人あたりの検査数
149ボリビア30,468
150グアテマラ29,012
151日本26,711
152ホンジュラス26,248
153トリニダードトバゴ25,957

https://www.worldometers.info/coronavirus/#countries
(2020年11月26日)

「コロナは大したことない」「マスクは不要」と主張する人達は日本以外にもいます。
しかし、異常なまでのPCR検査抑制論は日本特有のものです。
PCR検査抑制論を主張していた人達のおかげで日本の検査件数は世界151位です。
決して許されることではありません。

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