コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症クラスター対策の基になった押谷氏の理論を検証

新型コロナウイルス感染対策が破綻しつつあることを記事にしました。
新型コロナウイルス感染症クラスター対策の基になった押谷氏の理論を検証します。

破綻しつつある日本の新型コロナウイルス感染対策 豊洲市場では160人の感染者が出ていますがクラスターではないと判定されています。日本の新型コロナウイルス感染対策について調べてみました...

クラスターとは

COVID-19において, クラスターとは患者集団を指す。クラスターの発生により, 連続的に集団発生が起こり(感染連鎖の継続), 大規模な集団発生(メガクラスター)に繋がる可能性がある。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2523-related-articles/related-articles-485/9756-485r03.html

クラスター対策とは

クラスター対策とは, 日本のCOVID-19対策の一つの柱であり, 疫学情報の収集, 分析を通してクラスターの早期発見と対応を支援するだけでなく, 市民に対してはクラスターの発生しやすい場所, 環境, 行動を避けるよう啓発することで, クラスターの形成を防止することを目的としている。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2523-related-articles/related-articles-485/9756-485r03.html

クラスターの同定

クラスターの同定は, 積極的疫学調査に基づいて行われる。積極的疫学調査では, 発見された症例からその濃厚接触者を特定し, 前向きに感染のさらなる広がりを防止するのに加えて, 症例の行動歴を後ろ向きにさかのぼって(COVID-19の場合, 発症前14日間を目安)4), 感染源の同定を試みる。



一方で, COVID-19は, 無症状や軽症例が多く, すべての患者を把握するのが実際的に困難である。感染者の多くが重い肺炎を起こす重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスによるアウトブレイクと異なり, 感染連鎖を認識しにくい

https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2523-related-articles/related-articles-485/9756-485r03.html

https://www.jsph.jp/covid/files/gainen.pdf (押谷氏のスライド)

濃厚接触者を辿って感染者を見つけるのには限界があるということです。

日本独自の対策

https://www.jsph.jp/covid/files/gainen.pdf (押谷氏のスライド)

中国では、武漢の都市封鎖・外出を厳格に制限・人が集まることを制限することでウイルスをほぼ完全に制御

シンガポールでは感染連鎖をほぼ完全に可視化することで第1波の流行を制御。

https://www.jsph.jp/covid/files/gainen.pdf (押谷氏のスライド)

中国、シンガポールの成功例があったにもかかわらず、日本独自の対策の構築を目指しました。

クラスター特定の意義

次に述べる理由でクラスターを特定することに意義がある。

日本における感染者のデータを用いた分析では, 感染者の約80%が二次感染を引き起こさなかったことが示されている7)。一方で, ごく一部の感染者は多くの人に感染させ, クラスターを形成していた。つまり, クラスターが形成されなければ感染の連鎖は維持されないことになる。そのため, クラスター形成の機会を減らすことができれば, COVID-19の感染拡大を相当程度抑えることが可能であると考えられる。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2523-related-articles/related-articles-485/9756-485r03.html

https://www.jsph.jp/covid/files/gainen.pdf (押谷氏のスライド)

「クラスターが起きなければ感染を抑制することができる」という考え方です。

行動変容

クラスターの発生場所に共通する環境因子として, 国内では多くの感染伝播が「3つの密」と呼ばれる特定の環境で発生したことが, 流行の早い段階から明らかとなった(換気の悪い密閉空間, 多数が集まる密集場所, 間近で会話や発話をする密接場面)。

「3つの密」の条件が必ずしもすべてそろわなくても, 大声での発声や歌唱などは感染リスクになりうる, また息の上がるような運動が感染リスクを高めたと思われる事例も発生している。至近距離での会話機会が多い接客を伴う飲食店などでは, 多くの人が密集していなくても1人が複数の人と密接に接触するような場合にクラスターが形成される可能性がある8)。クラスター対策の重要な役割として, こういった共通する環境的および行動的要因を特定して, そのような場を避けるように市民に呼びかけることが重要である9)市民がこうした場所・環境・行動を徹底的に避けることでクラスターの発生を予防することができると考えられる。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2523-related-articles/related-articles-485/9756-485r03.html

国民の行動変容がクラスター発生予防につながり、感染が抑制できるという考え方です。

クラスター対策の限界

4月に西浦氏がクラスター対策を説明する動画にも「クラスター対策は全感染者が少ない間、接触者を追跡することができる間で役に立ちます」とありました。
感染が拡大するとクラスター対策は役に立たないことになります。

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クラスター対策が無効になった場合

https://www.jsph.jp/covid/files/gainen.pdf (押谷氏のスライド)

感染が拡大し、クラスター対策(接触者追跡)が行えなくなった場合は緊急事態宣言等の積極的対策が必要となります。

クラスター対策の問題点

「クラスターが起きなければ感染を抑制することができる」という考えについて

「クラスターが起きなければ感染を抑制することができる」という考え方について押谷氏のスライドを踏まえ、まとめると次のようになります。

  1. 1人の感染者が生み出す2次感染者数が多い事例の発生を防げば良い(※スーパースプレッダーが発生しなければ良い)
  2. 1人の感染者が生み出す2次感染者数が少ない事例(1~3人に感染される事例)は放置しておいても感染は収束する(「家庭内感染などの2次感染があってもR0<1なので流行には至らない」押谷氏のスライドより)

押谷氏のインタビューにも次のようにあります。

http://www.gaiko-web.jp/test/wp-content/uploads/2020/06/Vol.61_6-11_Interview_New.pdf

1~3月のライブハウスや屋形船のクラスター事例はスーパースプレッダーが存在していた可能性は否定できません。
しかし、その後のクラスター事例の多くはスーパースプレッダーが感染拡大の主体となっているとは思えません。

実際のクラスター事例を見ると「小規模感染の連鎖により、結果的にクラスター」となっている事例が多いです。
スーパースプレッダーが介在しない小規模感染の連鎖でもクラスターは発生していますので「スーパースプレッダーが発生しなければ感染を抑制することができる」というのは間違いです。
同じ理由で「 1人の感染者が生み出す2次感染者数が少ない事例(1~3人に感染される事例)は放置しておいても感染は収束する」も間違いです。

※スーパースプレッダー:1人が5人以上に感染させる場合をスーパースプレッダーと定義します。

実際のクラスター事例を見てみます。

福井県のクラスター事例

(中日新聞2020年4月4日より)

上図の事例では従業員16、26がスーパースプレッダー(1人が5人以上に感染させる)であった可能性は否定できませんが、それ以外は小規模感染の連鎖と考えられます。

沖縄県のクラスター事例

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/564419

スーパースプレッダー(1人が5人以上に感染させる)が介在している可能性はありますが、クラスター発生の主因とは思えません。

感染研のクラスター事例集

感染研がクラスター事例集を公開しています。
「職場会議クラスター」「スポーツジムクラスター」以外はスーパースプレッダーがクラスター発生の主因ではなく、小規模感染の連鎖がクラスター発生の主因のように思えます。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000654503.pdf

和歌山県の事例

和歌山県の事例を検証しましたが多くは小規模感染の連鎖でした。

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感染連鎖を発見できない理由

押谷氏は「すべての感染連鎖を見つけることはほぼ不可能」としていますがその理由は新型コロナの場合「多くの感染者が無症候・軽症」であるためとしています。

新型コロナの感染経路は接触感染、飛沫感染であると考えられていました。
接触者追跡は濃厚接触者を調査し、感染連鎖を調べます。

問3 濃厚接触者とはどのような人でしょうか。濃厚接触者となった場合は、どんなことに注意すればよいでしょう。

濃厚接触者は、新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、或いは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方を指します。

濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は上述のとおり、1.距離の近さと2.時間の長さです。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q3-3

感染経路が接触感染、飛沫感染の場合、軽症者、無症状者が多いとしても感染経路が辿れない事例が多発するとは考えられません。
(マスク無しで対面し、1m以内で15分以上接触があった人を辿れないケースは稀なはずです)

「すべての感染連鎖を見つけることはほぼ不可能」である理由は「多くの感染者が無症候・軽症」であるからではなく、主たる感染経路がエアロゾル感染であるからと考える方が筋が通ります。(不特定多数が集まる場でエアロゾルを介する感染が起こる場合には感染連鎖を見つけることが難しくなると考えられます)

また「すべての感染連鎖を見つけることはほぼ不可能」というのは正確な表現ではありません。
正確には「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡ではすべての感染連鎖を見つけることはほぼ不可能」ということです。
「シンガポールでは感染連鎖をほぼ完全に可視化することで第1波の流行を制御」(押谷氏のスライド)とあるように「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡」以外の方法を用いることで感染連鎖をほぼ完全に可視化することが可能です。

「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡ではすべての感染連鎖を見つけることはほぼ不可能」であるにもかかわらず、日本ではクラスター対策として「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡」を行い、感染者を見つけようとしています。
この矛盾を解消するために「1人の感染者が生み出す2次感染者数が少ない事例(1~3人に感染される事例)は放置しておいても感染は収束する」という立証されていない仮説を用いているように思えます。

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「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡」はスーパースプレッダー発生を防ぐことができるのか?

スーパースプレッダーの発生を防ぐにはどのようにすれば良いかを考えます。

「国民の行動変容」がスーパースプレッダー発生予防につながるのは理解できます。
しかし、「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡」はスーパースプレッダー発生予防につながるのでしょうか?

スーパースプレッダー発生予防のためにはできるだけ多くの感染者(無症状を含む)を見つけることが必要となります。(事前にスーパースプレッダーを見分けることは不可能。感染者をできるだけ多く発見すれば、その中にスーパースプレッダーが含まれる確率が上がる。感染者を多く隔離することでスーパースプレッダーに感染させる確率も下がる)

従ってクラスター対策の目標は「感染者(無症状を含む)をできるだけ多く見つけること」になるはずです。(「スーパースプレッダーが発生しなければ良い」という押谷理論に基づくならば)
しかし、クラスター対策として感染者を発見するために行っているのは「すべての感染連鎖を見つけることはほぼ不可能」である「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡」です。
これは明らかに矛盾しています。

いつになっても発令されない緊急事態宣言

「感染を制御できない」 専門家に強い危機感 会合後に漏れた本音

19日に全国で新たに過去最多となる2386人の感染者が確認された新型コロナウイルス感染症。感染対策を厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」(座長=脇田隆字国立感染症研究所長)はこの日の会合で、「このまま放置すれば急速な感染拡大に至る可能性がある」と分析した。現在の感染状況について激論を交わした専門家たちは会合後、「感染をコントロール(制御)できない」と口にし、強い危機感を示した。

「状況は厳しくなりつつある。みんなこのままいくと危ないぞという危機感があった。今までのままでは(感染を)コントロールできない」。尾身氏は会合終了後、駆け寄った記者団に対してこう訴えた。

東京や大阪をはじめ8都道府県で1日の新規感染者が過去最多を記録。こうした各地の厳しい感染状況について、「札幌は医療の逼迫(ひっぱく)度合いがかなり厳しい。東京や大阪は医療への負担や感染状況、PCR検査の陽性率を考えるとステージ3(感染急増)に近づいている」と危機感をあらわにし、「感染が増加している県が多くなっている。リンク(感染経路)が追えない感染者数が増え、何かしらの対応が必要だというのは間違いない」と述べた。

一方で、「国民は少し疲れている。行動変容だけを求められてもかなわん、という気持ちがあるのも我々は理解している」と配慮をみせ、緊急事態宣言などかなり「強い措置」を取ることの難しさを口にした。

https://mainichi.jp/articles/20201120/k00/00m/040/059000c
2020年11月20日 毎日新聞

押谷理論では感染が拡大し、クラスター対策(接触者追跡)が行えなくなった場合は緊急事態宣言等の積極的対策が必要となるはずですがいつになっても積極的対策が取られません。
クラスター対策は運用面でも破綻しています。

感染者(無症状を含む)をできるだけ多く見つける方法

https://www.jsph.jp/covid/files/gainen.pdf (押谷氏のスライド)

シンガポールの検査方法を見てみます。

シンガポール、外国人労働者30万人超をコロナ検査へ

シンガポール政府は12日、新型コロナウイルスの感染が急激に広がった外国人出稼ぎ労働者の寮で、30万人超の居住者全員にウイルス検査をすると発表した。抗体検査とPCR検査を組み合わせて実施する。6月1日の経済再開に向け、感染拡大リスクを抑えつつ労働者を職場復帰させる狙いだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59019580S0A510C2EAF000
2020年5月12日 日本経済新聞

早期検出への追跡と検査

シンガポールは積極的な追跡と検査による早期検出を通じて感染拡大を抑え込んでいる。この取り組みは世界保健機関(WHO)から高い評価を受けた。

公式データによると、シンガポールでは人口570万人の15%強に当たる約90万人に検査を実施。人口に対する検査数の比率は世界でも最高クラスに入る。

寮生活者は検査対象者として登録され、検査を受けた。介護施設など感染が広がりやすいコミュニティーには当局が集団検査を実施しているほか、13歳以上で呼吸器疾患の強い症状がある人は誰でも無料で検査を受けられる。

シンガポール国立大学公衆衛生学部のスウ・リー・ヤン氏は「診断数が多ければ多いほど、死亡率は低下する」と述べた。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/09/005.php
2020年9月23日 Newsweek日本版

シンガポールも接触者調査を行っていますが、それに加えて感染拡大地域では疑わしい人全員に検査を行っています
集団感染によるリスクが高い集団に対する集団検査等、検査のハードルを下げて多くの人に検査を行っています。

和歌山県のように人口密度が低い地域や感染が拡大していない場合は「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡」でも多くの感染者を見つけることができています。
しかし、感染が拡大した場合は「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡」では太刀打ちできないことは明らかです。

その上、大阪府や名古屋市のように真面目に「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡」を行わない(行えない)自治体も存在します。
一体いつまで「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡」に拘るのでしょうか?

院内クラスターが発生した場合

【重要】新型コロナウイルス感染症に係る院内感染の終息と診療再開について

6月3日より外来診療を縮小し、救急の受け入れ、新規入院患者の受け入れを中止しておりましたが、6月3日に感染が確認された当該病棟の職員と入院患者へのPCR検査を実施したところ、新たな感染者が確認されなかったこと、また、6月11日と6月12日に全職員に対してPCR検査を実施したところ新たな感染者が確認されなかったこと、更には、6月17日までの観察期間において新たな感染者が確認されなかったこと等の理由により院内感染が終息したことを確認しました。
それに伴い、6月22日(月)より通常の診療体制にて運用することと致しました。

https://kamoibyouin.or.jp/news/2020/06/19/%E3%80%90%E9%87%8D%E8%A6%81%E3%80%91%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E3%81%AB%E4%BF%82%E3%82%8B%E9%99%A2%E5%86%85%E6%84%9F/

診療の再開について
1) 当院における新型コロナウイルス感染症の発生状況

当院の職員が3月26日に発熱症状があり自宅待機としておりましたが、PCR検査の結果陽性が判明しました。同じころ当院において、入院患者様5名の発熱者の発生から明らかになり、新型コロナウイルスの集団感染が疑われましたので、保健所に相談し、4月1日に発熱のある 5名の患者様に新型コロナウイルス感染症診断のためのPCR検査を施行し、4日夕方にPCR 検査陽性(新型コロナウイルスの感染)が確認されました。連絡を受けた4日夕方直後より外来診療、入退院、救急受入を停止いたしました。その後、9日から全病棟の全ての患者様及び全職員のPCR 検査を開始し、12日に全ての検査結果が得られましたところ 、入院患者様 64 名、職員 22 名の陽性が確認されていましたが、当時は、転院の困難な陽性患者が大多数を占め、当院で対応せざるを得ない状況でした。この間、懸命に対応してまいりましたが、患者様は、様々な疾患のあるご高齢の方が多く、アビガンやレムデシベル等も使用できない状況では、個々の免疫力が病状の経過を大きく左右することを痛感いたしました。
最終的には、入院患者様の陽性例 71名、職員陽性例 44名となりました。

http://nakanoegotahp.server-shared.com/covid19-0718.html

院内クラスターが発生した場合、「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡」で感染者を見つけるようではいつになっても診療再開は不可能です。
当然ですが疑わしい人達に全員検査を行い、診療を再開しています。

現実的な方法

日本ではPCR検査の拡充を妨害する人達が山のようにいますので市中で疑わしい人達全員にPCR検査を行うのは現実的ではありません。(馬鹿げた話ですが)

現実的な方法としては抗原検査を使用する他無いでしょう。(抗原検査キットはアメリカ製。陽性確認としてPCR検査必須。唾液検体が使用できれば医療リソースの問題も解決。PCR検査の大量検査に反対していた人達が賛成できるとは思えませんが)

押谷氏の間違いを指摘するのはタブーなのか?

クラスター対策の基になった押谷氏の理論が構築されたのは3月です。
この段階では未知のことが多かったので間違いを含むのは仕方の無いことです。
和歌山県のような人口密度の低い自治体や感染が拡大していない地域では成果が出ていますのでクラスター対策の全てが間違っているわけではありません。

しかし「スーパースプレッダーが発生しなければ感染を抑制することができる」「 1人の感染者が生み出す2次感染者数が少ない事例(1~3人に感染される事例)は放置しておいても感染は収束する」は明らかな間違いです。

「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡ではすべての感染連鎖を見つけることはほぼ不可能」なのを認識していながら、感染拡大が続く東京都や大阪府、名古屋市でいつまでも「接触感染、飛沫感染を前提とした接触者追跡」を続けるのは愚の骨頂ではないでしょうか?

押谷理論では感染が拡大し、クラスター対策(接触者追跡)が行えなくなった場合は緊急事態宣言等の積極的対策が必要となるはずですがいつになっても積極的対策が取られません。
クラスター対策は運用面でも破綻しています。

押谷理論の間違いを指摘せずにこのままクラスター対策を継続するのでしょうか?
誰も間違いを指摘できないのでしょうか?

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