コロナウイルス感染症

破綻しつつある日本の新型コロナウイルス感染対策

豊洲市場では160人の感染者が出ていますがクラスターではないと判定されています。
日本の新型コロナウイルス感染対策について調べてみました。

豊洲市場

豊洲市場 コロナ 160人感染確認 東京都「クラスターではない」

東京 江東区の豊洲市場で水産仲卸業者を中心に新型コロナウイルスの感染の確認が160人になりました。



都によりますと、160人のうち感染経路が分かっている人は16人で、中には同じ水産仲卸業者の従業員もいるということです。

都は「同じ事業者でも短期間で一気に5人以上が確認されたことはなく、別の人の感染が分かるまで2週間以上、空いたケースもあり、保健所からは濃厚接触者にあたらないと説明された。感染経路が追えないケースが多いため、クラスターではない。ただ、対策が甘かったのではないかという声は真摯(しんし)に受け止めている」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201208/k10012751581000.html
2020年12月8日 NHK

「感染経路が追えないケースが多いため、クラスターではない」とのことです。

クラスターの定義とクラスター対策の限界

クラスターの定義を確認してみます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html

厚生労働省のサイトでは”「小規模患者クラスター」とは感染経路が追えている数人から数十人規模の患者の集団のことです”とありますので厚生労働省の定義ではクラスターではないということになります。

つまり厚生労働省の定義する「クラスター」とは「検査で追跡可能なクラスター」のことで感染が拡大するとクラスター対策は全く役に立たないということです。

4月に西浦氏がクラスター対策を説明する動画にも「クラスター対策は全感染者が少ない間、接触者を追跡することができる間で役に立ちます」とありました。
4月のクラスター対策が機能しなくなりつつあった時期には緊急事態宣言が発令され、一時しのぎはできました。
今回はどうするのでしょう?

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日本の新型コロナ感染対策

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(第6回)

1. 感染拡大の防止に向けた日本の基本戦略

専門家会議では、日本で新型コロナウイルスに対応するための基本的な考え方を、社会・経済機 能への影響を最小限としながら、感染拡大の効果を最大限にするという方針とし、政府に助言をし てきました。その具体的な戦略は「クラスター(集団)の早期発見・早期対応」、「患者の早期診断・ 重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保」、「市民の行動変容」という3本柱であると考えています。この戦略は世界保健機関(WHO)の推奨する戦略とも一致しており、既にシンガポールや 香港などで実施されているのと同等の戦略です。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/senmonkakaigi/sidai_r020309.pdf
2020年3月9日

3本柱の中で直接感染者減につながる対策は「クラスター対策」と「国民の行動変容」のみです。

日本の新型コロナ感染対策の目標は「重症者、死亡者を減らすこと」です。
2月の提言を元にした目標が変更されないのと同様に感染者減につながる対策は「クラスター対策」と「国民の行動変容」のみという状況が続いています。

日本の新型コロナ感染対策の目標設定が諸悪の根源 専門家会議の新型コロナ感染対策の目標は「重症者、死亡者を減らすこと」でした。分科会もこの目標を変更していません。政府も専門家会議、分科...

クラスター対策が行えない場合

感染者減につながる対策は「クラスター対策」と「国民の行動変容」のみです。
クラスター対策が行えない場合は「国民の行動変容」頼みになります。

豊洲市場の場合

豊洲市場でコロナ感染140人、なぜクラスター認めないのか

“東京の台所”豊洲市場に、不穏な空気が漂っている。11月20日、東京都は江東区にある豊洲市場で従業員ら30人の新型コロナ感染が新たに確認されたと発表した。豊洲市場ではこれまでに140人(25日時点)の感染者を確認。うち100人超は水産仲卸業者だった。

小池百合子都知事は「クラスターではない」と強調するが、著書『築地と豊洲』(都政新報社刊)で豊洲移転の内幕を明かした元中央卸売市場次長の澤章氏の見方は厳しい。



「(11月の感染増は)深刻な事態で重く受け止めていますが、市場の同一場所から出た感染者は最大4人以内です。隣り合う事業者が感染した例はあるが、散発的な『感染経路不明』のものがほとんどです。

感染者が出たらその都度該当店舗を消毒し、現在は業界団体が水産仲卸業者約4000人を対象とするPCR検査を自主的に進め、早期発見で感染拡大を防いでいます。商品が届かない事態にはできないので、今後も市場を閉めるのは現実的ではない

だが豊洲市場がある江東区保健所の担当者のニュアンスは異なる。

「豊洲市場は聞き取りをしても感染経路がはっきりせず、追跡できていません。保健所としては、『対策が不十分ではないか』、『市場全体で一丸となってやっていただかないといけない』と都に強く伝え、仲卸業者に自主検査を勧めました

豊洲側のいう自主検査は、保健所の提案だというのだ。

そもそも病院や学校で同時期に100人以上が感染したら、すぐに閉鎖し、感染防止に努めるはずだ。豊洲市場はなぜクラスターを認めないのか。豊洲市場内の飲食店関係者が声を潜める。

「市場を閉めたら食の流通がストップして、各所に食材が届かず、漁師の稼ぎもなくなる。仲卸業者はギリギリまで市場機能を止めたくないはずだ」

一部の市場関係者からは、感染拡大を口外しないよう箝口令が敷かれたという証言も出ている。前出・澤氏は「都の忖度」があると指摘する。

「都庁職員として築地移転にかかわった経験から、都より仲卸業者の力が強いことは承知しています。都が仲卸業者に忖度し、この件にフタをしようとする構図があるのだろう」

豊洲では、11月2日から観光客向けのマグロ競り見学を再開した。それが感染を広げたという声も出ており、徹底した原因究明をしない限り、信用回復は望めないだろう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e937ae0058296f35754d6f6edbce84c3e53d84a6
週刊ポスト 2020年12月11日号

クラスター対策の対象外とされた豊洲市場は自助努力に任せられるようになりました。

大阪府の場合

知事からのメッセージ

特に隣県大阪は、他人事とはとうてい思えないので、何度か気の付いたことを「差し出がましいようですが・・・」と断った上、アドバイスをしました。しかし、中々改善も出来ぬうちに今の爆発をよんでしまったのは、大変残念であります。

一例を挙げると、和歌山の人と大阪の人が会食をしていて、和歌山の人の感染が確認されたので、当然その濃厚接触者ということで、大阪に通報をしました。我々は自分達がやっているように最寄りの保健所がすぐに飛んで行って、その人にPCR検査をして、感染しているかどうか確かめているだろうと思っていたら、その後、検査がされていないことが分かりました。仮にその人が発症していたら、あるいは無症状の感染者であったら、更に大勢の人にうつすことになります。こういう状態が続くと、いずれ感染爆発が起こるのは理論的に自明であります。私はこういう例を発見した時には大阪に通知して、偉そうにならない程度に、改善しないと危ないですよ、爆発に繋がりかねませんとアドバイスしていたのですが、中々改善に繋がらず残念でありました。現場が忙しすぎて、分かっていても対応できなかったのかもしれません。

https://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/message/20201210.html

大阪府のリンク不明率はほぼ毎日50%を超えています。( https://covid19-osaka.info/ )

クラスター対策が既に破綻している大阪府では府民の行動変容頼みとなっています。

https://corona.go.jp/dashboard/ (12月11日)

大阪府の人流は思いの他、減少していません。
感染対策の足を引っ張るような人達もいますので感染者が減る気配はありません。

クラスター対策の破綻と国民の行動変容の限界

尾身会長「クラスター追えない」の衝撃発言…政府のコロナ対策に“敗北宣言”

政府が「勝負の3週間」と呼びかけてから2週間。しかし、感染再拡大は、いっこうに止まらない。医療体制の逼迫が懸念される北海道、大阪府、東京都だけでなく、全国各地で新規感染者は高止まり。グーグルの感染予測も7日時点で、4日から31日までの28日間に7万6000人が感染するとはじき出している。そんな中、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長の口から衝撃発言が飛び出した。



全国各地に「第3波」が襲来しているこのタイミングで、尾身会長は衝撃的な事実を口にした。

6日放送のNHKの日曜討論。番組終了間際、司会者から「年末年始に心がけること」を問われた尾身会長は、次のように言い放ったのだ。

「実は日本がしのいできた理由のひとつに、クラスターを早く見つけて感染源を(特定した)ということがあるんですけど、もう保健所が疲弊して、クラスターの感染源を見つけるという方法が取れなくなっている

日本が感染拡大を阻止してきた切り札である「クラスター対策」を、もう使えなくなった――と白状したのだ。要するに「敗北宣言」である。この発言には、出演していたコロナ担当の西村経済再生相もビックリしたのか、こわばった表情を隠さなかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fe2c74676dcd1851e02c92d5b84f6393fbf54dbf
2020年12月8日 日刊ゲンダイDIGITAL

尾身氏「個人努力の段階過ぎた」 政府と自治体、対策強化を

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は27日の衆院厚生労働委員会で、感染防止対策について「人々の個人の努力に頼るステージは過ぎた」と述べ、政府や自治体の対策を強化すべきだとの認識を示した。

尾身氏は「個人の努力に加えて、飲食店の営業時間の短縮、感染拡大地域とそうでない地域の行き来を控えるのは必須だ」と強調。国民や国、自治体について「当事者意識を持って危機感を共有することが極めて重要だ」と訴えた。

新たな感染者数は26日には再び2500人を超えた。重症者数は410人と最多を更新し、死者も増えてきている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e1c32b8d4637a30eaacc4f9330c43551347050c2
2020年11月27日 共同通信

感染者減につながる対策は「クラスター対策」と「国民の行動変容」のみですが共に破綻しつつあります。
4月には「8割おじさん」が登場し、緊急事態宣言が発令され、一時しのぎができました。

感染者減の時期以降から西浦氏に対する批判が起こり、「緊急事態宣言は必要無かった」と主張する人まで現れましたので、新たに「8割おじさん」の役割を買って出る人が出てくるとは思えません。

緊急事態宣言を出さないのであれば感染対策の抜本的な見直しが必要となりますが、政府からは危機感が感じられません。
新型コロナ感染対策に興味が無いのであれば即刻交代すべきです。

菅首相「ガースーです」 ネット番組、ニックネームで自己紹介

菅義偉(すが・よしひで)首相は11日のインターネット番組で「皆さんこんにちは。ガースーです」と自己紹介した。「ガースー」はインターネット上で広がっている首相のニックネーム。首相は9月の自民党総裁選の討論会でも「嫌な気なんか全然しないですよ。ガースー、公認ですよ」と語っていた。

https://www.sankei.com/politics/news/201211/plt2012110022-n1.html
2020年12月11日 産経新聞

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