コロナウイルス感染症

嘘で塗り固められた日本の新型コロナ感染対策

日本の新型コロナ感染対策は終始一貫して集団免疫路線です。
日本の非科学的、非人道的な新型コロナ感染対策についてまとめます。

集団免疫とは?

感染症は、病原体(ウイルスや細菌など)が、その病原体に対する免疫を持たない人に感染することで、流行します。ある病原体に対して、人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染患者が出ても、他の人に感染しにくくなることで、感染症が流行しなくなり、間接的に免疫を持たない人も感染から守られます。この状態を集団免疫と言い、社会全体が感染症から守られることになります。

厚生労働省
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0019.html

専門家会議、有志の会、橋下徹氏の主張

コロナ専門家有志の会は「うちで治そう、4日間はうちで」というメッセージを打ち出しました。
「37.5度以上の発熱が4日以上」という検査基準は2020年5月8日まで続き、多くの人が検査を受けられずに苦しみました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 0408.jpg

同じ頃、橋下徹氏は次のような発言を行います。

橋下氏は、「PCRも重症化するような人を見つける為に必要で、一般の人がPCRをどんどんやる必要はないんですよ」と反論。「はっきり言って10歳から40歳くらいの元気な人は、普通の風邪のような感じで家で寝とけって政府がバシっと言えばいいんですよ。全員PCRなんかやらなくていいんですよ。やれやれやれやれって不必要なこと煽るからおかしくなる。いらないんです。だって、やったってどうするんですか?」と私見を述べた。

サンスポ 2020/2/29

この後、橋下氏は平熱でPCR検査を受けることとなり、「平熱パニックおじさん」と呼ばれることになりました。

橋下徹氏の変節の経緯から見るコロナウイルス検査の必要性 橋下氏はコロナウイルス検査には否定的な立場でした。 橋下氏は、「PCRも重症化するような人を見つける為に必要で、一般の人がPCR...

橋下氏と有志の会は同じようなことを言っています。
「軽症者の検査は不要、家で治しなさい」という主張です。

ここからは私の推測です。
橋下氏は自民党関係者とつながりがあります。
自民党関係者から「新型コロナ対策は集団免疫路線で行く」という情報を仕入れていたのではないでしょうか?
自民党は橋下氏の発言で国民がどのような反応をするのかを観察していたのでしょう。
橋下氏は「俺は政府よりも先に主張していた」と言いたいのでお互いwin-winの関係なのでしょう。

集団免疫路線を明確にせず、誰が決定を下したのかも不明

橋下氏への強烈なバッシングを見てなのかわかりませんが、専門家会議、分科会で「集団免疫路線」を明確に打ち出すことは無くなりました。
誰が「集団免疫路線で行く」という決定を行ったのかもわからない状況が続いています。

コロナ会議「議事録不開示」の筋が何とも悪い訳

政府に新型コロナウイルス対策を助言してきた専門家会議や、その廃止後に設けられた分科会の議事録の開示問題がクローズアップされている。情報公開請求で開示された専門家会議の「議事録」のほとんどが黒く塗りつぶされ、分科会の議事録も10年経たないと公開されないことが決まった。

東洋経済ONLINE 2020年9月1日
https://toyokeizai.net/articles/-/372174

集団免疫派にとって無症状感染者の発見は無意味どころかマイナス

集団免疫派にとって無症状感染者の発見は無意味どころかマイナスです。
無症状感染者が増え、彼らが免疫を獲得することで集団免疫の状態に近づきます。

逆に無症状感染者を発見すると感染が抑制され、集団免疫の状態から遠ざかります。
さらに無症状感染者に対する費用(検査費用、入院費用等)が必要となります。

これらのことから、集団免疫派は「無症状感染者をできるだけ発見したくない」という考えに至ります。

無症状感染者を発見しないためのロジック

無症状感染者をできるだけ発見しないためのロジックとして用いられたのが「ベイズの定理」です。
無症状感染者に対する新型コロナPCR検査は無意味であるという主張を拡散することで無症状感染者の発見を妨害するというトンデモナイことが行われています。

ベイズの定理を悪用し、コロナウイルスPCR検査の有用性を否定する医師達 以前ベイズの定理を用いて事後確率を計算する時の注意点を記事にしました。 https://tatsuharug.com/bayes...

新型コロナPCR検査抑制論は様々な人達により、流布されています。
確信犯や何も考えずにコピペをする人等全く反省しない人達が多数です。

新型コロナPCR検査抑制論が拡散された経緯と歪められた日本の新型コロナ感染対策 第13回新型コロナウイルス感染症対策分科会提言 2020年10月29日  https://www.c...
各国のgoogle検索で「PCR検査は意味がない」を検索した結果 google検索は世界各国で用いられています。検索エンジンの国別シェアでは中国を除き、googleがトップとなっています。各国の新型コ...

PCR検査の信頼性を毀損

PCR検査は新型コロナだけでなく、様々な感染症の診断に用いられています。
PCR検査の信頼性を毀損する行為は感染症対策への妨害行為です。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 峰.jpg

例えば日本赤十字社は20年以上前からB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の遺伝子検査を行っています。
PCR検査を批判する人達は献血血液に対する遺伝子検査にも反対なのでしょうか?

日赤の遺伝子検査の実績と平気で嘘をつく人達 日本赤十字社は20年以上前からB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の遺伝子検査を行っ...

PCR検査はサル痘、季節性インフルエンザにも応用可能です。
PCR検査の信頼性を毀損する人達により日本の検査体制の拡充は妨害され、未だに発展途上国以下の検査体制となっています。

順位人口100万人あたりの検査数
ウクライナ126451,676
イラク127444,976
日本128440,981
南アフリカ129420,964
ルワンダ130406,244

https://www.worldometers.info/coronavirus/#countries
(2022年6月19日)

不平等がまかり通る日本国

免疫を獲得する方法は次の2つです。

  • 感染することで免疫を獲得する。
  • ワクチン接種により免疫を獲得する。

免疫を獲得した人が増えることで集団免疫の状態に近づきます。

ところが感染した場合は重症化することや後遺症が残ることがあります。
ワクチン接種では副反応が起こる可能性があります。
感染、ワクチン接種共にリスクがあります。

集団免疫獲得を推し進める上で重要なのは平等性です。
国民に集団免疫路線を説明し、国民全てが平等にリスクを負って集団免疫獲得を目指すというのであれば理解できます。

ところが実際には集団免疫路線は明確にはされず、不平等がまかり通っています。
次のようなことは大いに問題です。

橋下氏は「3週間前に熱を出しまして、すぐ仕事をキャンセルして2週間休んだ。この間の日曜日(5日)に生放送に出たんですけど、またその夜から喉がダメになって。3日間待機して、診察を受けた。そうしたら“これはPCRを受けるべきだ”ということで検査を受けました」と経緯を説明。検査結果については「陰性だった」と明かした。

ヤフーニュース 2020/4/11

新型コロナウイルス感染が疑われ、検査を推奨される基準は4日以上続く37.5℃以上の発熱や肺炎症状でしたので、橋下氏は当てはまりません。
しかし、新型コロナPCR検査を受けて陰性だったということです。

橋下徹氏の変節の経緯から見るコロナウイルス検査の必要性 橋下氏はコロナウイルス検査には否定的な立場でした。 橋下氏は、「PCRも重症化するような人を見つける為に必要で、一般の人がPCR...

石原伸晃氏の入院に疑念の声「なぜ無症状で」 野党議員

立憲民主党の小川淳也衆院議員は25日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルスに感染し、入院した自民党の石原伸晃元幹事長に発熱やせきなどの症状がないことに関して、国民の間に疑念の声が出ていると紹介した。「症状がある人が入院できないのに何で無症状で即、入院できるんだという声もある」と語った。

東京新聞 2021年1月25日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/82043

2021年1月頃は感染者が急増し、入院どころか検査すら受けられない人達が続出した時期です。
石原氏は無症状にもかかわらず、入院できました。

このような不平等なことを行っていると感染し、苦しんだ一般国民には恨みしか残りません。

コロナ退院の野々村真、エクモ使用寸前の状況だった 「これでもラッキー…たくさんの運がつながっていかないと助からない」

野々村は7月30日に陽性が判明。自宅療養中に体調が悪化し、2度救急車を呼んだものの、保健所の許可が下りず入院できなかったため、「この不安っていうか恐怖ったらもう、半端なくて」と振り返った。 

その後、保健所の指示で5日に入院。しかしエックス線検査では両肺が真っ白のひどい肺炎状態で、集中治療室(ICU)に運ばれた。野々村はエクモ(人工心肺装置)使用一歩手前の状況だったことを明かし、「俺、死にかけてたんだなって」としみじみ話した。

中日スポーツ 2021年8月26日
https://www.chunichi.co.jp/article/318481

「もっと早く菅首相には辞めていただきたかった」 野々村真、コロナ入院の経験踏まえ憤り… 息を切らしながら政府対応を批判

コロナの感染拡大で医療が“災害レベル”にある中、総裁選などが行われると「国会も止まるだろうし…何も進まないじゃないか」とコロナ対応がより後手に回るのではと懸念。次第に声のトーンが上がり「生死をさまよった人間として言わせてもらいますけど、本当に今、この時点でたくさんの人がまた苦しんでいる」と声を震わせた。 

また菅首相が正当な評価を受けず、良さが伝わっていないと3日に悔し涙を流した小泉進次郎環境相の名を挙げ「泣きたいのは…泣きたくても泣けなくても苦しんでいるのは、今、集中治療室(ICU)に入っている人たち。そして亡くなった人たち、そのご家族」「この政治のおかげで命を失っていることを絶対忘れないでほしい」と怒りの感情を抑えられない様子で、息を切らしながら強い口調で意見した。

中日スポーツ 2021年9月6日
https://www.chunichi.co.jp/article/325268

定期的にPCR検査(抗原検査)を受けることができる人達と二枚舌の専門家

五輪・パラ 東京大会全体の新型コロナ感染は863人

選手村や競技会場など大会の管轄下で行った101万7190件の検査では、312人の感染が確認され、陽性率は0.03%となっています。

2021年9月8日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210908/k10013249701000.html

東京五輪では無症状者に対して100万件を超える検査が行われました。

新型コロナPCR検査有害論者は何故、東京五輪の検査に反対しないのか? 新型コロナPCR検査の拡充は有害であると主張する人達がいます。東京五輪では選手、スタッフに連日PCR検査を行うことが決定されました。と...

プロ野球、Jリーグは無症状者に対する定期検査を行っています。

【NPB】PCR定期スクリーニング検査の頻度変更へ 1週間に1度→2週間に1度

プロ野球の12球団代表者会議が6日、オンラインで開かれ、新型コロナウイルス対策でのPCR検査は、現状は1週間に1度の頻度で定期スクリーニング検査をしているのを、2週間に1度をメドに変更することを確認した。 

同日午前にJリーグとの新型コロナウイルス対策連絡会議があり、専門家に頻度変更を相談。現在感染状況が少し落ち着いてきていることもあり、それでいいのではという返答があったという。チーム内に体調不良者が出ればすぐに検査し、陽性となった場合はすぐに緊急スクリーニング検査をするというやり方は継続していく。

中日スポーツ 2022年6月6日
https://www.chunichi.co.jp/article/484521

新型コロナウイルスの検査に関する調査報告

Jリーグは、選手・スタッフの新型コロナウイルス感染症の早期発見、集団感染の発生防止のために採用している各種検査について、検査制度の導入決定以降に変異したウイルスに対する有効性や、効果的な検査の在り方を明らかにするために、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)と連携し効果検証を行いました。

調査はPCR検査や抗原定性検査の特徴を踏まえた感染症数理モデルを用いたシミュレーションによるもので、さまざまな検査シナリオでの感染動態を分析し効果を検証しました。詳細は、産総研より本日公開された調査報告をご参照ください。

Jリーグでは、本調査報告が示す科学的な情報に基づき、現在、Jクラブの選手等を対象に実施している定期検査(1週間に2回の抗原定性検査)の効果が一定程度認められうることを確認したうえで、今後も変異が想定される新型コロナウイルス感染症に対し、受検者の負担や運用の実効性を考慮した効果的な検査戦略の在り方を継続して検討してまいります。

2022年4月4日
https://aboutj.jleague.jp/corporate/release/25221/

東京五輪、プロ野球、Jリーグを見てもわかるように無症状者に対する定期検査は感染拡大防止に有効な対策です。
(検査だけ行えば良いというわけではありません)

ところが一般国民に対する無症状者の検査に強硬に反対する人達がいます。

専門家会議、分科会、有志の会の人達です。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/kensa_senryaku_13.pdf (第13回新型コロナウイルス感染症対策分科会提言)

専門家会議、分科会のメンバーの中には不思議な人達がいます。

五輪は本当に可能?分科会委員が語る議論の真相
政府の感染症対策に精通する岡部信彦氏に聞く

岡部は、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーであり、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリー・ボードのメンバーであると同時に、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の新型コロナウイルス感染症対策専門家ラウンドテーブル(円卓会議)の座長を務める。

2021年7月7日 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/439118

専門家会議、分科会のメンバーである岡部信彦氏は東京五輪の感染対策に関わっていたようです。
岡部氏は専門家会議、分科会では無症状者の検査に反対しておきながら、東京五輪では積極的に無症状者の検査を推進していたことになります。
次のようにも語っています。

だが、僕は2つの帽子をかぶっている覚えはないと答えました。感染症対策として必要なことをやる、やらないで意見は言っているが、どちらに行っても僕の基本的な意見は同じ。それで有志として提言した内容も、これまで自分で言ってきたことと離れているつもりはない。一貫して同じ意見です。

ただ、ラウンドテーブルのほうは座長を依頼された。座長は、その中のメンバーの意見をまとめるのが役割なので、自分の意見のみを前面に出すことはしてはいけないし、やるべきではない。となると、最終的にラウンドテーブルの意見としてまとまったものが、自分の意見と違うことはありえます。ただ、結果としてそういうことはなかった」

2021年7月7日 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/439118?page=4

岡部氏本人は矛盾していないと感じているようです。
二枚舌という他ありません。

他にも問題のある人がいます。
プロ野球、Jリーグの専門家チームのメンバーを見てみます。

https://npb.jp/npb/guideline_for_2022seasongames.pdf

https://www.jleague.jp/img/pdf/2022_0419_1.pdf

館田一博氏は専門家会議、分科会のメンバーです。
館田氏は専門家会議、分科会では無症状者の検査に反対しておきながら、プロ野球、Jリーグでは積極的に無症状者の検査を推進しています。
二枚舌という言葉以外思い浮かびません。

プロ野球、Jリーグは民間団体なので公費を用いてないので話は別であると主張する可能性があります。
しかし、その場合には一例として「一般国民に対する定期検査は費用がかかりすぎる」というような説明をすべきであって「検査は万能ではなく、デメリットがある」という主張をする必要性は全くありません。

岡部氏、館田氏の根底にあるのは 「アスリート等の重要な人達は定期検査でリスクを軽減する」 「一般国民は医療崩壊を起こさない程度に感染し、集団免疫獲得に寄与して欲しい」という考えなのでしょう。

エアロゾル感染を認めずに無症状者に対する検査を縮小

「マイクロ飛沫感染」は空気感染ではない 尾身氏「あえて」言及

政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は31日、空気中を浮遊する微粒子による「マイクロ飛沫感染」について触れ、「空気感染」とは違うものだと強調。「3密」の環境下で最も起こりやすいため「普通に街を歩いていて起こる可能性は極めて低い」と述べた。

この日の会見で「あえて」言及したのは、WHOなどで取り上げられたことなどによって、マイクロ飛沫感染が「空気感染と誤解されると困る」(尾身氏)ためだといい、「普通に野外を歩いたり、感染対策が取られている店舗での買い物や食事、十分に換気されている電車での通勤・通学では、マイクロ飛沫感染の可能性は限定的と考えられている」と説明し、過剰な心配は必要ないとの見方を示した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9a5c128cfbb768893c6d7cbea08564e250893497

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 峰2.jpg
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 峰3.jpg

専門家会議、分科会、感染研、一部の専門家は様々な知見が得られていたにもかかわらず、エアロゾル感染を認めませんでした。

新型コロナは空気感染するというのはタブーなのか? 分科会会長の尾身氏は「マイクロ飛沫感染は空気感染ではない」という主張を行っています。マイクロ飛沫感染という聞きなれない用語を用いて空気...

「コロナは空気感染が主たる経路」 研究者らが対策提言

新型コロナウイルスの感染対策について、感染症や科学技術社会論などの研究者らが、「空気感染が主な感染経路」という前提でさらなる対策を求める声明を出した。「いまだ様々な方法が残されており、それらによる感染拡大の阻止は可能である」と訴えている。



空気感染は、ウイルスを含む微細な粒子「エアロゾル」を吸い込むことで感染することを指す。エアロゾルの大きさは5マイクロメートル(0.005ミリ)以下とされ、長い時間、空気中をただよう。

厚生労働省のウェブサイトでは、新型コロナの感染経路として、くしゃみなどで出る大きなしぶきを介した「飛沫(ひまつ)感染」や、ウイルスの付着した場所に触れた手で鼻や口を触ることによる「接触感染」が一般的と説明されている。

一方、世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)はそれぞれ、ウイルスを含んだエアロゾルの吸入についても、感染経路だと明記している。

朝日新聞DIGITAL 2021年8月27日
https://www.asahi.com/articles/ASP8W6KSKP8WULBJ00H.html

感染経路の知見が世界と違う? 専門家8人、国立感染研に質問状

新型コロナウイルスの感染経路に関する国立感染症研究所の文書が世界保健機関(WHO)など世界の知見とは異なるとして、感染症や物理学などの専門家8人が1日、感染研に対して公開質問状を提出した。感染研は「感染経路は主に飛沫(ひまつ)感染と接触感染」としているのに対し、専門家はエアロゾル感染(空気感染)が主な感染経路と主張しており、感染研に説明を求めている。

毎日新聞 2022年2月1日
https://mainichi.jp/articles/20220201/k00/00m/040/145000c

質問状を突き付けられて感染研はエアロゾル感染を認めることとなります。

感染研がエアロゾル感染認める 飛沫、接触の報告書から一転

新型コロナウイルスの感染経路について、国立感染症研究所(感染研)は28日、ウイルスを含んだ空気中に漂う微粒子(エアロゾル)を吸い込んでも感染するとの見解をホームページで公表した。感染研はこれまでエアロゾル感染に否定的で、飛沫(ひまつ)感染と接触感染だけを挙げた報告書を発表していたため、国内の科学者が「世界の知見とは異なる」と説明を求めて公開質問状を出していた。

毎日新聞 2022年3月29日 
https://mainichi.jp/articles/20220329/k00/00m/040/168000c

主たる感染経路がエアロゾル感染の場合、検査対象となる濃厚接触者は大幅に増加します。
頑なまでにエアロゾル感染を認めなかったのは、検査対象を限定し、できるだけ無症状感染者を発見しないためであったと考えると筋が通るでしょう。

差別行為、犯罪行為に該当

何事においても完全な平等というのは難しいです。
しかし、平等に扱うための努力は必要です。
平等に扱う努力を放棄し、不平等な感染対策を実施するのであれば、国民にきちんと説明すべきです。

説明の無い不平等な感染対策は「命の選別」「弱者切り捨て」につながる重大な差別行為です。
エアロゾル感染を否定し、PCR検査の有用性を否定するような不適切な主張を拡散し、それにより本来感染することがなかった人達が感染し、健康被害に苦しむのであれば、犯罪行為です。

新型コロナワクチン推進活動とその帰結

「こびナビ」を始め、様々な人達が新型コロナワクチン接種を積極的に推奨しました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 人類の勝利0416.jpg
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 最低でも1年持つ.jpg
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: ワクチン頼みの勝利0531.jpg
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: つべこべ言わず1.jpg
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: つべこべ言わず2.jpg
「こびナビ」副代表木下氏の問題発言をまとめました 「こびナビ」副代表木下氏は問題発言を繰り返しています。 因果関係認めない ワクチン接種による副反応には人種差がある...

ところが新型コロナワクチンの感染予防効果に疑問が呈されるデータが次々と公表されました。
新型コロナワクチン頼みの集団免疫獲得は厳しいと考えられます。

新型コロナ 遥かなる集団免疫-ワクチン接種だけでの集団免疫獲得には限界?

コロナ禍が始まって、わずか1年ほどで、複数のワクチンが開発された。それによって、感染予防の戦略は、大きく変わった。ワクチン接種を進めて、早期に集団免疫を確立し、感染を終息させる――各国とも、そんな戦略のもとで接種を進めてきたようだ。

日本でも、ワクチンをコロナ対策の「切り札」と位置づけ、国、地方自治体を挙げて接種に取り組んできた。政府は、希望者全員のワクチン接種を完了を目指して、接種のスピードを上げてきた。

ところが、イスラエルやイギリスなどのワクチン接種“先進国”では、感染した人の重症化は抑えられているものの、新規感染者の再拡大がみられた。このうち、イスラエルは、10月に入って感染が収まってきたが、イギリスは感染拡大が続いている。

9月3日に、政府の新型コロナウイルス対策分科会がまとめた提言には、

「我が国において全ての希望者がワクチン接種を終えたとしても、社会全体が守られるという意味での集団免疫の獲得は困難」

といった文言が盛り込まれた。ワクチン接種による集団免疫の達成は困難、との指摘だ。

2021年10月26日 ニッセイ基礎研究所
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=69172?site=nli

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/taisyo/dai16/gijishidai.pdf
(新型インフルエンザ等対策推進会議 基本的対処方針分科会(第 16 回))

ワクチン2回の陽性率、半数世代で未接種上回る 厚労省再集計で判明

新型コロナウイルスに関する厚生労働省の新集計で、ワクチンを未接種の人より2回接種済みの人の方が陽性者になる確率が高くなったとのデータが示された。同省が外部からの指摘を受けて「未接種者」の集計方法を見直したのをきっかけに、40~49歳など約半分の世代で逆転現象が明らかになった。政策決定に関わる基礎データの一つだけに、専門家からは「なぜ接種者の方が感染しやすいのか国は詳細を調べて公表すべきだ」との声が出ている。

日経ビジネス 2022年6月1日
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00454/053100005/

Taka氏は「ワクチン接種さえすれば全て元に戻ると言った人は多分いない」と考えているようです。

Taka氏が副代表を務める「こびナビ」は「コロナワクチンの正確な情報で元の世界を取り戻したい」というキャッチフレーズを掲げ、クラウドファンディングで3,000万円を超える活動資金を集めました。

https://readyfor.jp/projects/cov-navi?gclid=CjwKCAjwtcCVBhA0EiwAT1fY76sIbgtbDqmNPTt6emjefAIHHe_6NYd0L184IR19HDftOIQufFrCiBoCY88QAvD_BwE

Taka氏をはじめとする「こびナビ」はワクチン接種で元の世界に戻るのは不可能であると認識していながら、このようなキャッチフレーズを掲げたのでしょうか?
仮にそうであるならば出資者に対する裏切り行為ではないでしょうか?

「こびナビ」の副代表を務め、啓蒙活動を行っている人物の言葉とは思えません。

論理を弄ぶ人達

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: taka2-1.jpg

どこかで見たことがあるようなロジックです。
次のように主張していた人達がいます。

「経済を回すために無症状への検査拡大」専門家はどう見るか?
川崎市健康安全研究所所長 岡部信彦

PCR検査の陰性は「今、陰性である」結果に過ぎません。たぶん、一般の人の受け止め方は、「陰性だから、今日働ける」というだけではなくて、「これで1週間の休み中にどこか遊びにいける」「飲み会にも出ていいんだ」というものだと思うのです。
今日の陰性は明日の陰性を保証しないということが理解されていない。それが伝わらないまま、偽りの安心を与えてしまえば、その人が無自覚に行動して感染を拡大してしまう可能性も生まれます。

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-okabe-8-1

必要なのは、全ての無症状者への徹底的なPCR検査ではない。尾身会長「100%の安心は残念ながら、ない」
分科会会長 尾身茂

「偽陰性になると、本人は良かったと思って出歩く可能性がある。そうすると、感染を広げるリスクとなります」

https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/senmonka-bunkakai-2-2?origin=shp

偽陰性者が安心してハイリスクな行動を取るので無症状者に対する検査は行うべきでは無いという主張です。
何らかの介入がその人の行動に影響を与えるという考え方です。
このロジックを用いるとワクチン接種者は安心してハイリスクな行動を取る可能性があるということになります。

同じロジックを用いて、偽陰性者が感染を広げるデータは無いにもかかわらず、PCR検査の信頼性は毀損され、ワクチン接種者が感染を広げるデータが出たにもかかわらず、ワクチンは擁護されています。
本当に困った人達です。

コロナウイルスPCR検査の偽陰性者が感染を広げるという主張について コロナウイルスPCR検査で偽陰性であった人が安心して感染を広げると主張する人達がいます。彼らの主張を検証します。 和歌山県の事例...

新型コロナワクチンを打てない人

「医学的に打てない人はほとんどいない」という新型コロナワクチンですが、専門家会議、分科会のメンバーの中に打てない人がいたようです。

オミクロン株に専門家が感染 初期症状から重症化 どう感じた?

舘田さんが新型コロナウイルスに感染したのは、第6波がほぼピークの状態だった2月4日ごろ。

そのころ東京都では一日の新規感染者数が2万人を超え、全国では10万人を超えていました。

感染症学が専門で、去年までは感染症学会の理事長もつとめた舘田さん。

大学で教えるだけでなく、厚生労働省の専門家会合や新型コロナ対策に当たる政府の分科会に出て意見を述べ、助言を行うなど、多忙な日々を送っていました。



重症化の要因は…

舘田さんが重症化したのには、1つ、要因があります。

実は、アレルギー体質で、新型コロナのワクチンを接種できていなかったのです。

このため舘田さんは日頃から、マスクの着用の徹底や人との距離をとること、接触する時間を短くすること、それに換気の徹底といった感染対策を取っていたと言います。

「アレルギーがある体質で、ワクチンを受けられてなかったんですね。ですから当然コロナにかかってしまうと、重症化してしまうリスクが高いとわかっていました。この後どういうふうな形で治療が行われて、その治療に(自分の体が)反応してくれるのか、やっぱり不安ですよね。不安な状況というのがありました」

NHK 2022年3月14日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220314/k10013530561000.html

二枚舌の館田氏です。
アレルギー体質でワクチンを接種できなかったと説明していますが、新型コロナワクチンを積極的に推進する立場である館田氏はもう少しきちんと国民に説明する義務があります。

マスクを外せの大合唱

厚生労働省を中心としてマスクを外せの大合唱が始まっています。
表向きは熱中症対策とのことですが、新型コロナワクチンのみでの集団免疫達成が困難なことがわかったため、国民にマスクを外させてある程度、感染者が増加するように調整しようとしているのでしょうか?

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000942851.pdf
( 第85回(令和4年5月25日) 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード )

エアロゾル感染をようやく認めたと思った矢先、屋内で会話をほとんど行わない場合はマスク不要というリーフレットが作られたので非常に驚きました。
この人達の言う事に従っていたら命がいくつあっても足りません。

嘘で塗り固められた日本の新型コロナ感染対策は一体いつまで続くのでしょうか?

この記事が気に入ったらフォローして下さい