小浜逸郎氏がトンデモ記事を書いてましたので記事にしました。
今回も小浜氏のトンデモ記事からPCR検査完全否定論について検証します。
【小浜逸郎】コロナ狂気がついに虐待を
そもそもPCR検査は、新型コロナの診断にはほとんど役に立たない検査です。
コカ・コーラやパイナップルにつけただけで陽性反応が出たとかいった笑い話のような話もありますが、それはともかく、東京女子医大感染症科の平井由児医師の、PCR検査についての次のような見解は、たいへん説得力があります。URLを張っておきますので、皆さん、ぜひ見てください。
https://ameblo.jp/obasannneco/entry-12641199459.html?frm_src=favoritemail
平井氏は、わかりやすい動画を用いて次のような指摘をしています。
・私たちの体が膨大な数の細菌やウィルスに満たされていて、もしそれを取り除いてしまうと、たちまち体のバランスを失ってしまうこと
・PCR検査は感染したかどうかを調べるためにあるのではなくて、本来遺伝子の検出のためにあること
・その感度は極めて敏感で健康体の器官にちょっとウィルスが付着していても反応してしまうこと
・2019年までは、症状の軽重によって「健康」「風邪(旧コロ)」「インフル」の三つに分類される診断がなされて、それに応じた処置を受けていた人たちが、2020年からはPCRで陽性反応が出ると、すべてコロナと診断されてしまうようになったこと
・PCR法を開発してノーベル賞を受賞したキャリー・マリス博士が「診断に使ってはならない」と警告を発していたこと(惜しくも8月に博士は亡くなってしまいました)このように開発者当人が不適切と公言しているにもかかわらず、全世界でこの検査が伝家の宝刀のように使われるようになってしまったのです。
https://38news.jp/economy/17279
2020年12月24日 新経世済民新聞
相も変わらずトンデモ無い主張ですが、各主張の反論については下記の記事を参照して下さい。
未だにキャリー・マリスのデマを持ち出していますので小浜氏は新型コロナに関係無く、PCR検査そのものに疑義を持っているようです。
PCR検査完全否定論とも取れる主張ですが、小浜氏は次のようなことをご存知無いのでしょうか?
インフルエンザ診断
PCR検査は新型コロナ発生以降用いられるようになったわけではありません。
2009年の新型インフルエンザ流行時には広く用いられています。
WHO
The use of PCR in the surveillance and diagnosis of influenza
https://www.who.int/influenza/gisrs_laboratory/final_who_pcr__meeting_report_aug_2011_en.pdf?ua=1 (翻訳です)
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法は、インフルエンザウイルスの遺伝物質を迅速かつ高感度に検出する方法であり、現在ではヒトおよび動物のインフルエンザ感染の第一選択の検査法となっています。A(H5N1)ウイルスの検出に最初に適用されて以来、PCR法の使用は他のインフルエンザのタイプ、亜型、系統にまで拡大しており、PCR法は日常的な季節性インフルエンザのサーベイランスや診断にますます利用されています。
略
PCRは、2009年のA(H1N1)パンデミックに代表されるように、新型インフルエンザウイルスの出現を迅速に検出するというサーベイランスの目的を達成する上で、他に類を見ない利点を持っています。 例えば、2009年のA(H1N1)パンデミックウイルスの検出と特徴付けのための更新されたCDCプロトコル(2009年)5は、中国疾病管理予防センターが開発し、配布した診断キットの基礎となりました。これらのキットを使用することで、2010年前半に中国全土にパンデミックが広がったことが明らかになった。また、2005年から2010年の間のPCR診断により、中国本土でA(H5N1)ウイルスに感染した31人のヒト感染例が確認されたが、2010年6月以降、新たな感染例は発見されていない。2009年のA(H1N1)パンデミック発生後、中国の国家インフルエンザ監視ネットワーク(NISN)は急速に拡大し、PCR検査は国家ウイルス学的監視活動の重要なアプローチとなっています。
CDC
Algorithm to assist in the interpretation of influenza testing results and clinical decision-making during periods when influenza viruses are circulating in the community
https://www.cdc.gov/flu/professionals/diagnosis/algorithm-results-circulating.htm
7.抗原検出検査(迅速なインフルエンザ診断検査、免疫蛍光検査)は、分子検査やウイルス培養と比較して、呼吸器検体中のインフルエンザウイルスを検出する感度が最適ではありません。抗原検出検査の陰性結果は、インフルエンザの診断を除外するために使用しないでください。インフルエンザが疑われ、診断検査が必要な場合は、分子アッセイ(RT-PCRなど)による呼吸器検体のインフルエンザ検査を実施する必要があります。米国感染症学会(IDSA)は、外来患者の呼吸器検体中のインフルエンザウイルスを検出するために、迅速なインフルエンザ診断テスト(RIDT)よりも迅速なインフルエンザ分子アッセイの使用を推奨しています。IDSAは、入院患者の呼吸器検体中のインフルエンザウイルスを検出するためにRT-PCRまたは他の分子アッセイの使用を推奨しています。
(翻訳です)
CDCはインフルエンザの確定診断にはPCR検査を推奨しています。
日本では何故かインフルエンザのPCR検査はほとんど行われません。
動物病院でのPCR検査
動物病院では日常的にPCR検査(外注検査)を行っています。
https://canine-lab.jp/infection
小浜氏はこれらの検査は不適切な検査であり、インチキであると考えるのでしょうか?
高病原性鳥インフルエンザ
宮崎市で鳥インフルか 簡易検査で陽性、PCRで確認中
宮崎県は13日、宮崎市の養鶏場で死んでいたニワトリから、簡易検査で鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。PCR検査を進めており、陽性なら県内では今季6例目の鳥インフルエンザ発生となる。県によると、この日午後、養鶏場から複数のニワトリが死んでいると、宮崎家畜保健衛生所に連絡があった。現地で簡易検査を行い、家畜保健衛生所に持ち帰って改めて簡易検査を行い、ともに陽性だった。鳥インフルエンザと確認されれば、飼っている約7万羽のニワトリ(採卵鶏)を殺処分する。
https://www.asahi.com/articles/ASNDF7252NDFTNAB006.html
2020年12月3日 朝日新聞DIGITAL
奈良で鳥インフル 高病原性 8万羽殺処分
https://mainichi.jp/articles/20201207/ddn/041/040/006000c
奈良県は6日、同県五條市の養鶏場で鳥インフルエンザが発生したと発表した。PCR検査(遺伝子検査)の結果、致死率の高い高病原性ウイルス(H5型)が検出された。県は陸上自衛隊に災害派遣を要請、同日午前からこの養鶏場が飼育する約8万3000羽の殺処分を始めた。8日までに消毒などの防疫措置を終える見通し。
2020年12月7日 毎日新聞
鳥インフルエンザの診断にはPCR検査が用いられ、高病原性鳥インフルエンザであると判定された場合、全頭殺処分となります。
仮にPCR検査が科学的に意味が無く、感染症に用いてはいけない検査であれば、非科学的な根拠で鳥の全頭殺処分を決定していることになり、大量殺戮行為になります。
小浜氏に動物愛護精神が欠片でもあるのであれば、「鳥インフルエンザの検査に非科学的なPCR検査は用いるべきではない」と農林水産省に抗議すべきです。
(キャリー・マリスのデマを持ち出していますので考えにくいのですが、小浜氏が「新型コロナのPCR検査だけが問題で他のPCR検査は問題無い」と主張する可能性があります。
しかし、その場合は新型コロナのPCR検査だけが役に立たないと考える根拠を明確にする必要が出てきます)
自民、全職員にPCR検査を実施 党本部対象、コロナ抑止で
自民党は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、党本部で働く全職員を対象にPCR検査を実施する方針を決めた。党関係者が29日、明らかにした。管理職や国会議員との接触が多い職員は1月下旬に検査を済ませたが、感染拡大が続く状況を踏まえ、対象を拡大することにした。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/82854
2021年1月29日 東京新聞
新型コロナPCR検査妨害論は風前の灯となりつつあります。
最後まで残るのはカルト化したPCR検査完全否定論者かもしれません。