犬猫飼育

犬の飼い主さんが動物保険に入るかどうか迷った時に参考になる資料

犬の飼い主さんから「動物保険に入った方が良いですか?」と聞かれることがよくあります。

動物保険は人間の保険とは異なり、税金が投入されていませんので基本的には加入者が得をすることは少ないです。

しかし、参考になる資料がありますので紹介して解説します。

アニコム家庭どうぶつ白書

家庭どうぶつ白書」とは、アニコム損害保険株式会社 が2010年から毎年公開している、ペット統計データ集です。アニコムのペット保険の保険金請求データや、独自のアンケート調査の結果をまとめたもので、HPから誰でも無料で閲覧・ダウンロードすることが可能です。

第3部 第2章 品種別の統計 年間診療費の年齢推移

動物保険に入るかどうかの参考になるのは第3部 第2章 品種別の統計 年間診療費の年齢推移です。

品種別、年齢ごとに年間どれくらいの医療費がかかるかがわかります。

疾患(大分類単位)の請求割合と合わせて解説していきます。

トイ・プードル

10歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約7万円となっています。

高齢になると僧帽弁閉鎖不全症での治療が必要になるケースがありますが、体重が軽いため医療費は安く済むことが多いです。動物保険は必要無いと思います。

チワワ

10歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約8万円となっています。

高齢になると僧帽弁閉鎖不全症での治療が必要になるケースがありますが、体重が軽いため医療費は安く済むことが多いです。動物保険は必要無いと思います。

ミニチュア・ダックスフンド

11歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約5万円となっています。

年間にかかる医療費から考えると動物保険は必要無いと思います。しかし他の犬種と比べると自己免疫疾患腫瘍が多い印象があります(統計には表れていません)。椎間板ヘルニアで手術が必要になった場合、医療費は高額になります。

混血犬(体重 1 0 ㎏未満)

10歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約7万円となっています。

動物保険は必要無いと思います。

11歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約6万円となっています。

動物保険は必要無いと思います

ポメラニアン

8歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約10万円となっています。

高齢になると僧帽弁閉鎖不全症での治療が必要になるケースがあります。他の犬種と比べても発症が早いと考えられますが、体重が軽いため医療費は安く済むことが多いです。動物保険は必要無いと思います。

ヨークシャー・テリア

9歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約8万円となっています。

高齢になると僧帽弁閉鎖不全症での治療が必要になるケースがあります。体重が軽いため医療費は安く済むことが多いです。動物保険は必要無いと思います。

ミニチュア・シュナウザー

8歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約12.5万円となっています。

年間にかかる医療費から考えると動物保険は必要無いと思います。 高齢になると僧帽弁閉鎖不全症での治療が必要になるケースがあります。腫瘍性の疾患にかかる割合が高く、治療費が高額になるケースがあります。

シー・ズー

5歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約15万円となっています。

若齢では皮膚疾患、高齢になると僧帽弁閉鎖不全症での治療が必要になるケースがあります。 動物保険への加入をお勧めします。

フレンチ・ブルドッグ

4歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約15万円となっています。0歳時から年間に約2.5万円の医療費がかかります。

若齢から呼吸器疾患、皮膚疾患での治療が必要になるケースが多いです。動物保険への加入をお勧めします。

パピヨン

10歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約5万円となっています。

動物保険は必要無いと思います。

マルチーズ

7歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約12.5万円となっています。

高齢になると僧帽弁閉鎖不全症での治療が必要になるケースがあります。他の犬種と比べても発症が早いと考えられますが、体重が軽いため医療費は安く済むことが多いです。動物保険は必要無いと思います。

ウェルシュ・コーギー・ペンブローク

9歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約8万円となっています。

年間にかかる医療費から考えると動物保険は必要無いと思います。椎間板ヘルニアで手術が必要になった場合は医療費は高額になります。

ゴールデン・レトリーバー

6歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約15万円となっています。

年間にかかる医療費から考えると動物保険は必要無いと思います。腫瘍性の疾患にかかる割合が高く、治療費が高額になるケースがあります。また体重が重いため、軽度の疾患でも治療費が高額になるケースがあります。

ジャック・ラッセル・テリア

10歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約7.5万円となっています。

動物保険は必要無いと思います。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

5歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約17.5万円となっています。

若齢から皮膚疾患、僧帽弁閉鎖不全症での治療が必要になるケースが多いです。動物保険への加入をお勧めします。

ラブラドール・レトリーバー

8歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約8万円となっています。

年間にかかる医療費から考えると動物保険は必要無いと思います。腫瘍性の疾患にかかる割合が高く、治療費が高額になるケースがあります。また体重が重いため、軽度の疾患でも治療費が高額になるケースがあります。

パグ

5歳までは年間にかかる医療費は4万円以下です。それ以降は年齢に伴って増加します。12歳では約13万円となっています。

若齢から呼吸器疾患、皮膚疾患での治療が必要になるケースが多いです。動物保険への加入をお勧めします。

補足説明

上記はあくまで一般論です。

アトピー体質を持っている場合は、終生治療が必要になることがありますので、動物保険に入っている方が良いです。

アトピーかどうかは血液検査で調べることができます。

アトピー体質を持っていることが多い犬種
  • フレンチ・ブルドッグ
  • ウェストハイランドホワイトテリア
  • シー・ズー

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