新型肺炎の8例目の患者が報告されました。
複数の病院を受診したようですが、そこでの経過観察の判断について考えてみます。
自治体・医療機関向けの情報 2020年1月17日掲載
厚生労働省のホームページには医師及び自治体向けの情報が掲載されています。
1月17日掲載の「新型コロナウイルスに関連した肺炎患者の発生に係る注意喚起について」を見てみます。
冒頭には「武漢市に滞在歴があり、呼吸器症状を発症して医療機関を受診した患者については、新型コロナウイルスに関連する肺炎を念頭においた診療を行っていただき、疑い患者等への対応に当たっては、別添3「中国湖北省武漢市で報告されている新型コロナウイルス関連肺炎に対る対応と院内感染対策」及び別添4「疑似症サーベイランスの運用ガイダンス(第三版)」もご参照いただくよう、貴会会員への周知につきまして、改めて御協力をお願いします。」とあります。
また検査の流れとして次のような図が示されています。
新型肺炎8人目の患者について
確定診断までの経緯
厚生労働省のホームページには、新型肺炎8人目の患者について医療機関で診察を受けた経緯が報告されています。
4)症状、経過:
1月20日 発熱し東京都内の医療機関を受診し、経過観察。
1月21日 発熱が持続するため、東京都内の別の医療機関を受診し、胸部レントゲン写真で異常がなく経過観察。
1月22日 大阪府で医療機関を受診し、経過観察。
1月23日 症状改善なく保健所に相談し大阪府の医療機関を受診。発熱、呼吸器症状および、胸部CT画像で肺炎の所見があり入院となった。
1月29日 症状は咳のみとなり改善した。現在経過観察のため入院中。国立感染症研究所より、今般の新型コロナウイルスに関連した感染症の症例の報告
(5)行動歴:
1月12日から17日まで中国武漢市からのツアー客の乗るバス(国内6例目と同じバス)にガイドとして乗った。(以下略)
疑問点
気になるのは1月20日から22日に3つの医療機関を受診していながら、全ての病院で経過観察とされていることです。
3日連続病院を受診していることから、武漢からのツアー客の乗るバスでガイドをしていたと医療機関に伝えていなかったとは考えにくいです。
3つの病院のいずれにおいても検査すらされなかったため、1月23日、自ら保健所に連絡することで感染が発覚したという経緯です。
常識的に考えて今回の例は、上図の「暴露歴(ア)新型コロナウイルスの患者(確定例)、またはその疑いのある患者と必要な感染予防策なしで2メートル以内での接触歴がある。」に該当すると考えられますが、3つの医療機関は保健所に相談すらしなかったのです。
医療機関における経過観察
動物病院でも医療機関同様、経過観察を行うことがあります。経過を見ることで新たに症状が出ることもあり、経過観察が診察の一環であるという考えには同意します。
しかし、今回の件は話が違います。医療機関の怠慢以外の何物でもないと思います。
感染症は経過観察をしている間に感染が拡大します。
似たような対応をしている医療機関があります。
受付して問診票を書いて、
— ソラシド (@admin0105) January 29, 2020
普通の人と同じ待合室で待たされること10分
名前を呼ばれて、マスクをした先生に診察される
「今のところ風邪の症状なのでできるだけ人の少ない場所で安静に過ごしてください」
ウィルス検査などは一切なし。問診のみ。
今しがた中国から帰国した事は、無論伝えてある
→
医療機関のモラルを疑います。