コロナウイルス感染症

新型コロナ対策で神奈川県、神奈川県医師会が行ってきたこと

新型コロナ対策において神奈川県医師会は一貫してPCR検査の拡充を妨害してきました。
神奈川県、神奈川県医師会が新型コロナ対策として現在まで行ってきたことをまとめます。

神奈川県医師会長 菊岡正和氏

~ 神 奈 川 県 民 の 皆 様 へ ~
(神奈川県医師会からのお願い)

◆ごまかされないで◆

この新しい未知のウイルスに、本当の専門家がいません。本当は誰もわからないのです。過去の類似のウイルスの経験のみですべてを語ろうとする危うさがあります。そして専門家でもないコメンテーターが、まるでエンターテインメントのように同じような主張を繰り返しているテレビ報道があります。視聴者の不安に寄り添うコメンテーターは、聞いていても視聴者の心情に心地よく響くものです。不安や苛立ちかが多い時こそ、慎重に考えてください。

実際の診療現場の実情に即した意見かどうかがとても重要です。正しい考えが、市民や県民に反映されないと不安だけが広まってしまいます。危機感だけあおり、感情的に的外れのお話を展開しているその時に、国籍を持たず、国境を持たないウイルスは密やかに感染を拡大しているのです。

第一線で活躍している医師は、現場対応に追われてテレビに出ている時間はありません。出演している医療関係者も長時間メディアに出てくる時間があれば、出来るだけ早く第一線の医療現場に戻ってきて、今現場で戦っている医療従事者と一緒に奮闘すべきだろうと思います。

◆PCR検査の本当◆

医療関係者は、もうすでに感染のストレスの中で連日戦っています。その中で、PCR検査を何が何でも数多くするべきだという人がいます。しかしながら、新型コロナウイルスの PCR 検査の感度は高くて 70%程度です。つまり、30%以上の人は感染しているのに「陰性」と判定され、「偽陰性」となります。

検査をすり抜けた感染者が必ずいることを、決して忘れないでください。

さっさとドライブスルー方式の検査をすればよいという人がいます。その手技の途中で、手袋や保護服を一つひとつ交換しているのでしょうか。もし複数の患者さんへ対応すると、二次感染の可能性も考えなければなりません。正確で次の検査の人に二次感染の危険性が及ばないようにするには、一人の患者さんの検査が終わったら、すべてのマスク・ゴーグル・保護服などを、検査した本人も慎重に外側を触れないように脱いで、破棄処分しなければなりません。マスク・保護服など必須装備が絶対的に不足する中、どうすればよいのでしょうか。次の患者さんに感染させないようにするために、消毒や交換のため、30 分以上 1 時間近く必要となります。テレビなどのメディアに登場する人は、本当のPCR検査の実情を知っているのでしょうか。そして、専門家という人は実際にやったことがあるのでしょうか。

https://muto-surgcl.com/2020/04/10/%E3%80%8C%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84%EF%BC%81-%EF%BD%9E%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6/

「専門家でもないコメンテーターが、まるでエンターテインメントのように同じような主張を繰り返しているテレビ報道があります。視聴者の不安に寄り添うコメンテーターは、聞いていても視聴者の心情に心地よく響くものです。不安や苛立ちかが多い時こそ、慎重に考えてください」とあり、テレビ報道に否定的です。

「新型コロナウイルスの PCR 検査の感度は高くて 70%程度です。つまり、30%以上の人は感染しているのに「陰性」と判定され、「偽陰性」となります」とありますが「感度70%」の根拠は示されていません。

「さっさとドライブスルー方式の検査をすればよいという人がいます。その手技の途中で、手袋や保護服を一つひとつ交換しているのでしょうか。もし複数の患者さんへ対応すると、二次感染の可能性も考えなければなりません」とあります。

ドライブスルー方式で手袋を交換していないというのは悪質なデマです。

3月11日のツイートで紹介されている韓国のドライブスルー方式の動画では手袋を交換している様子が映っています。
神奈川県医師会長はデマを信じてドライブスルー方式には否定的でした。

かながわコロナ通信

神奈川県医師会は「かながわコロナ通信」というサイトを作成し、一貫してPCR検査の拡充に反対していました。
組織的に行われたPCR検査拡充を妨害する活動です。
全文引用、公開します。

本当のことを知ってください! ~新型コロナウイルス感染症について~  かながわコロナ通信

2020年4月8日

・医療崩壊すると何が起こるの?本当の意味は

感染症は人類にとって本能的な恐怖であるといえます。感染症の流行をきっかけに歴史が大きく変わったり、文化が変わったりしてきました。ですから『正しく理解する』ことで、感染症の恐怖をゼロにすることはできません。しかし『正しく理解する』ことで、『うつさない』『うつらない』可能性を減らすことができます。 さらに聞きなれない横文字の言葉が突然飛び交うようになり我々の恐怖心を煽っています。『クラスター』『オーバーシュート』『ロックダウン』などです。東日本大震災の際も『メルトダウン』『ベクレル』『シーベルト』などの言葉に恐怖や不安を覚えた方も多いでしょう。 中国に端を発したこの感染症は 3 月に入って世界中で大流行『パンデミック』の状態となりました。イタリアをはじめとした欧米諸国では『医療崩壊』が現実に起こっています。そして 4 月に入って日本でも、感染者数が急増し『医療崩壊』の危機が声高に叫ばれています。『医療崩壊を起こさないために』『医療機関を医療崩壊から守るために』と毎日のニュースから聞こえてきます。そして 4 月 7 日安倍総理から緊急事態宣言が発出され神奈川県も対象地域となりました。 『医療崩壊』・・穏やかな言葉ではありません。では医療崩壊とはいったい何が崩壊してしまうのでしょうか?

まず新型コロナウイルス感染症の現時点(4月8日)での特徴を列挙します。
① 無症状・軽症者が80% 感染していることに気づかない人も多い
② 重症化する人が10%前後、亡くなる人が1~2%程度いる
③ 経過が長い⇒感染してから発症するまで 2週間前後
発症してから重症化するまで 1週間前後
軽快して退院するまで(重症者の場合) 2か月程度
④ まだない⇒迅速な検査方法が無い 結果判明まで1日前後
治療法が確立していない
ワクチンが無い
⑤ 指定感染症 法律上は原則として入院隔離が必要

以上のような特徴を持つ新型コロナウイルス感染症の患者が増えていくとどのようなことが起こるでしょうか?
❶陽性が判明した順に、重症度と関係なく入院ベッドが埋まっていく
❷短期間で感染者が急激に増加すると、どこで感染したか追跡することができなくなる
❸感染している事がわからない患者が医療機関を受診することで、 医療機関で感染者が広がってしまう
❹感染者が出た医療機関では、安全が確認できるまで診療を停止する
(入院、外来、救急などの医療提供を縮小する)

つまり、❶でベッドが埋まってしまうという現象と、❷~❹で医療提供が縮小するという現象が同時に起こってしまうことになります。
そうならないように、陽性であっても無症状や軽症な方には自宅やホテルなどで経過を観察するように方針を変えたり、直ちに命に影響しない不急の医療行為を延長したりという事を我々も始めています。 新型コロナウイルス感染症の患者さんを一人でも多く助けるために我々は頑張っていますが、患者さんが病院の廊下に溢れかえる外国のような状態になってしまえば、年齢や持病の有無などで高度医療の提供を断念する、命の選択を行わなければならなくなります。 しかし医療崩壊で最も避けなければならないことは、今まで当たり前に行われていた地域での医療提供が受けられなくなることです。交通事故にあった時、心臓発作を起こした時、医療が崩壊していると救命することが出来なくなります。 つまり感染者が増えれば増えるほど、新型コロナウイルス感染で命を落とす患者さんが増えるだけでなく、いつもであれば助かるはずだった患者さんも命を落とすのです。 医療崩壊を防ぐためには、とにかく感染者を増やさないことにつきます。

県民の皆様にお願いしたいことがございます。

・正しく理解し行動する 『うつさない』『うつらない』
・医療機関を受診する前に、必ず電話をかけてください

人類はこれまでも感染症を何度も克服してきました。長い戦いになるかもしれませんが、必ず勝てます。最も怖いことは感染の恐怖から、不安や不満が蓄積し、不当な差別や、不毛な対立が生まれてしまうことです。誰が悪いわけではありません。敵はただ一つ、目には見えませんがはっきりしています。 神奈川県医師会は一丸となって戦っています。ぜひ、一緒に困難をのりこえていきましょう!

「医療崩壊を防ぐためには、とにかく感染者を増やさないことにつきます」は正しい主張です。
ところが「かながわコロナ通信」はPCR検査の拡充を妨害するような主張を続けます。

事実確認をしておきます。
「かながわコロナ通信」が書かれた2020年4月~5月の神奈川県内の1日の最大陽性者数は4月1日の76人です。
このような状況下で「患者さんが病院の廊下に溢れかえる外国のような状態」云々は日本の状況を見誤っています。
日本はファクターXと呼ばれる東アジア特有の感染が広がりにくい状況下にありました。

コロナウイルス感染症のファクターXは? 日本を含む東アジアは欧米諸国と比べ、コロナウイルス感染症による死亡者が少ないため、何らかの要因(ファクターX)があるのではないかとされ...

「陽性が判明した順に、重症度と関係なく入院ベッドが埋まっていく」に対応するために武漢では「コンテナ病院」が建設され、韓国では「生活治療センター」が開設されました。
隔離のためのキャパシティを確保し、検査体制を拡充するのは世界の常識でした。

PCR検査体制を拡充すると医療崩壊が起こるという説について 日本では、PCR検査体制を拡充すると医療崩壊が起こるのでむやみに検査をすべきではないという意見がありました。イタリアと韓国の医療崩壊の...

諸外国から学ぶこと 徹底した「行動制限と隔離」を前提の「PCR検査」

2020年5月4日

台湾の成功のカギは、制限と隔離そして増産です。2019年12月末に武漢で新型ウイルスの症例が発生したという情報を掴むやいなや、すぐに対策センターを設立しました。マスクなど防護具の生産を増強して、中国本土からの航空機の渡航を規制しました。さらに、感染者や濃厚接触者、海外帰国者の14日間の隔離を徹底するなどの措置をとり、被害を最小限に抑えたのです。
 また、IT技術を駆使してマスクの在庫状況などが確認できるシステムや、実名購入制度などを採り入れて買い占めを阻止し、マスクの過剰な買い占めを押さえました。
 韓国では2月に新興宗教の集会で集団感染が起こり一気に感染者が増えましたが、早期に隔離を前提とした検査体制を拡大して、感染の拡大を抑制しました。
 韓国の大量のPCR検査の多くが、ドライブスルー方式だと思われているが、事実は違います。韓国で最も多用された検査手法は、個別訪問検査方式でした。個別訪問検査は、症状が出た人の自宅や診察を受けている医療機関に訪問して、その場で検体を採取し検査する方法です。大邱市の場合、ピーク時に、6万8000件余りのPCR検査行われましたが、54%に当たる3万7000件が個別訪問検査方式によるものです。ドライブスルー方式の1万1000件をはるかにしのぐ3倍以上の検査数です。検査をする人は公衆保険医で徴兵制に基づいて、兵役の軍医や保健所職員ら2700人派遣されそれが10班に分かれて感染エリアの個別訪問検査を行いました。検査希望の人の費用は約16万ウォン(約1万4000円)ですが、感染の疑いのある個人(感染が確認された患者との接触がある人)は無料で受けられるようにしました。韓国は人口が日本の約2分の1であるほか、局地的なメガクラスターに対する徹底的な隔離を前提とした検査を行い封じ込めしました。韓国の人口は約5000万人ですが、5月3日時点でPCR検査を受けた方は約63万人ですから、約1%強ということになります。約63万人の検査を行い、約1万人の陽性者を発見し、約62万人の陰性者を見つけたことになります。
 具体的には、セキュリティーカメラの映像やクレジットカードの履歴、車や携帯電話のナビのデータまでも使用して感染者の位置情報を追跡し、行動履歴などを分単位で公開することで新たなクラスターの発生を阻止し、感染の封じ込めを図りました。そして伝染病危機の際には個人のプライバシーよりも社会の安全を優先するよう法律が改正されたのです。それでも感染患者を追跡するのが困難になると、よりマスメッセージングにその動きが移行します。韓国の携帯電話は居住地区で新規感染者が発見されるたびに緊急警報のバイブレーションが鳴ります。そして感染患者の時間ではなく分ごとの移動経路を表示する方法になりました。さらにどの電車やどのバスに乗ったか、そして何時にどこで乗り降りしたかを政府の公式ウェブサイトに掲載している表示するようにしました。そして感染患者と経路が交わったと思う人は検査センターに届け出るよう告知されるようになりました。ですから韓国はプライバシーよりも厳格な行動制限を選択したことにより、感染拡大阻止が成功したのです。
 シンガポールも、中国での症例が確認されたわずか3日後に対策を開始しました。外国人の入国制限や入国後の隔離措置も迅速かつ厳格に実施していました。また、当初は都市封鎖や外出制限をおこなわず、経済活動を維持してきました。3月下旬には、一時的に1日の新規感染者数は数十人に抑えられていたのです。しかし、感染拡大が続き方針変更を迫られ、4月7日から食料品やインフラ、物流など必要なサービスをのぞき、ほぼすべての企業とすべての学校を閉鎖し、外出も食料品の買い出しや運動などに制限されました。政府は当初マスク不足への警戒もあって、健康な人はマスクをする必要はないと説明していましたが、4月14日から、外出時のマスク着用が義務付けました。6歳までの子供を除き、着用しない場合は初犯で300シンガポールドル(日本円で約2万3000円)の罰金を科していました。さらに感染者に対してはスマートフォンの位置情報を使い感染経路や濃厚接触者を割り出し、監視カメラの映像を使い隔離措置をおこなって、感染拡大の防止策を講じてきました。
 しかし、4月16日には、再び感染者数が急増して。1日で感染者が2割増え、その時点で合計4427人になってしまいました。さらに4月23日には新たに1037人の感染を確認したと発表されました。1日の新規感染者は4日連続で1000人を超え、国内の累計の感染者数は1万1000人を突破したのです。実際に徹底的管理体制が行われたのは一般国民のみで、社会的立場が弱い出稼ぎ外国人労働者が住む地域では、感染が急速に拡大してしまいました。人口580万の給与水準が高いシンガポールでは、約140万人の外国人労働者が暮らしています。このうち低賃金の肉体労働と言われる建設業界では、約30万人が働いています。実際に郊外の宿舎にインドやバングラデシュなどの建設作業員は1部屋に10~20人暮らし、毎日トラックの荷台に乗り仕事場へ向かうのです。そのような方々には、マスク配布の対象にもならず、医療とは程遠い環境に置かれていました。そこに感染が拡大したのです。現在感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)措置を6月1日まで延長すると発表しました。シンガポールはこれまでは、新型コロナウイルスとの闘いで世界の模範と称賛されてきましたが、厳格な住民監視や隔離措置などの導入も、忘れ去られてきた社会的貧困層から感染の火種はくすぶり続けているようです。
 香港での新型コロナウイルス感染症は感染者ゼロの日が増え、陽性が確認された場合で1桁台です。4月28日現在、感染者1038人、死亡者4人、回復者787人と報告があります。現在感染者数は17日連続で1桁が続いています。
 そのような香港はどのような方策をとってきたのでしょうか。WHOが中国・武漢市における新型コロナウイルスによる肺炎の流行に関する声明を発表した1月9日に先駆けて、香港政府は市民に防疫対策の呼び掛けを始めました。1月7日に未知なるウイルスと対峙するための3原則として、「状況に応じた迅速な対応」「事態悪化を想定した準備」「情報開示と透明性に基づく取り組み」を表明しました。
 「情報開示」の徹底ぶりは目を見張るものがあります。1月下旬より連日、衛生署衛生防護センター(CHP)および医院管理局より、その日に発症が確認された感染者の特徴や属性、検疫や医療上の取り組み、域内感染の伝播状況などが報告されます。また、ウェブ上で公開されているCHPの報告は、疑似感染者を含めた全症例の年齢、性別、居住先、入院先、立寄り先、感染経緯、利用交通機関など開示されました。自宅検疫ではQRコード付のリストバンドが渡され、検疫用アプリをダウンロードしてQRコードと同期しGPSで監視されます。
 「状況に応じた迅速な対応」も、1月4日の時点で感染症への警戒レベルを3段階のうち中位である「厳重」とし、武漢からの直通便を含む中国本土から乗客が到着する西九龍高速鉄道駅と香港国際空港で到着者への体温計測の措置を本格化させ、1月24日には武漢からのフライトや高速鉄道の直通便の離発着を停止しました。旧正月初日にあたる翌25日には、感染症への警戒レベルを3段階中最上位となる「緊急」へ引き上げたのです。それにより、27日には湖北省全域からの入境制限を開始、翌28日には、中国本土からの入境制限を本格化させた。30日からは、中国本土との間の高速鉄道やフェリーの運行を停止し、出入境拠点の半数に相当する6拠点を閉鎖しました。現在は香港への出入境ポイントは3拠点です。さらに中国本土からの入境者に対する14日間の強制検疫措置を開始し、5月7日まで3カ月にわたり継続をするという徹底した水際防疫体制です。 しかしながら、中国本土との陸路物流は制限しておらず、トラック運転者や航空パイロットに対しての検疫はするものの、普通の強制検疫の対象から除外し、経済機能が維持されるようにしています。
 1月23日に香港で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されて以来、2月の初めまでの新規感染者数は湖北省や広東省からの症例が中心でしたが、それ以降は一時減少に転じたのですが、3月10日以降は欧米等からの症例が急増し始めました。3月16日から22日までの1週間で150人から318人と倍増し、その翌週の3月29日には642人へと増加しました。そのことで、3月25日からは香港居住者を除き、海外からの入境を2週間禁じる措置を開始しました。28日夜間からは人と人との距離を保つために、飲食店では1卓4名まで、かつ隣との間隔を1.5メートル以上離すこととし、スポーツジム・遊興施設・映画館等の営業は禁止し、29日午前0時からは職場等を除き公共の場における4名を超える集りを禁止しました。
 現在、香港への出入境ポイントは3カ所と限定し、検疫措置が強化されました。海外から航空機で香港国際空港に到着したすべての非香港居民の入境を禁止しています。中国本土,マカオ,台湾から入境する香港居民・非居民を問わず14日間の強制検疫の対象になります。入境者はいかなる人も空港近くに設置された検疫所で唾液を収集され、感染しているかどうかの検査を受けなければなりません。唾液の検査結果は3日以内に判明し、陽性であれば陽性の人だけ病院に入ることになります。現在、香港では新型コロナウイルス感染症をかなり抑制しています。
 このように、有効な対策を迅速に講じていたことが早期に感染拡大を落ちつかせた最大の理由なのです。新型コロナウイルスはヒトからヒトに感染するので、この感染を防ぐ一番の方法は、「接触」・「移動」をしないことです。感染者の軽症者には自然と抗体ができ、ウイルスがいなくなります。これを1か月間頑張れば、ウイルスはかなりなくなることになります。新型コロナウイルス感染症は発症時に強い感染力がありますが、通常6〜12日以内に抗体産生が始まると、すぐに体内でのウイルスの除去が始まります。原則は、症状が発生した時点から14日間の隔離です。
 ということは、無症状感染者がいても、2週間から3週間で体内からウイルスが除去されることになります。その期間、ヒトに移さなければ、ウイルスは減っていくことになります。ですから、有症状感染者は早期に検査して確定して隔離すればよいことになります。
 諸外国はPCR検査の実施と行動制限や隔離を徹底した管理体制との両輪で、新型コロナウイルスに対応したのです。どの国がどの様に新型コロナウイルスに対応したのかを詳細に知ることで克服の道筋が見えてきそうです。対応の一部をすべてというような表現で語り、国民受けをするコメントでその場しのぎをしているようでは本質を見失ってしまいます。
 この新型コロナウイルスへの対処法は、国民一人ひとりの並々ならぬ決心が必要です。

韓国について「伝染病危機の際には個人のプライバシーよりも社会の安全を優先するよう法律が改正された」「韓国はプライバシーよりも厳格な行動制限を選択したことにより、感染拡大阻止が成功したのです」とあります。

日本では個人のプライバシーが尊重されるので韓国と同じ対応は無理であるというような主張です。
しかし、非常事態において私権の制限について全国民が猛反対するのでしょうか?

第1波はパチンコ店がやり玉にあげられ、第3波では飲食店がやり玉にあげられています。
政府がきちんとした補償を行い、政府の責任において「休業命令」を出すのであれば問題は無いのですが、行っているのは「休業要請」と従わない場合の「店名公表」です。
これは私権の制限に対しては政府が一切の責任を負わず、自粛警察のような「良識ある?市民の活動」を利用し、要請に従わせる悪質な手法です。
法治国家が行うこととは到底思えません。

PCR検査拡充を妨害する人達には右翼(保守)と呼ばれる人達が多いです。
右翼の人達は「左翼(進歩)は私権の制限に反対するだろうから、日本では感染対策は難しい」というような主張を行います。
しかし、本当に私権の制限が感染対策に必要であると考えるのであれば国民に説明し、実行すべきでしょう。
「左翼は反対するだろうから」という理由で私権の制限に踏み込んだ対策の必要性を主張しないようでは右翼の存在意義はありません。
(左翼=私見の制限に反対、右翼=私見の制限に賛成とは限らないかもしれませんが)

「韓国の大量のPCR検査の多くが、ドライブスルー方式だと思われているが、事実は違います。韓国で最も多用された検査手法は、個別訪問検査方式でした」とあります。
ドライブスルー方式には否定的です。
個別訪問検査方式を採用するつもりも無さそうです。

「ということは、無症状感染者がいても、2週間から3週間で体内からウイルスが除去されることになります。その期間、ヒトに移さなければ、ウイルスは減っていくことになります。ですから、有症状感染者は早期に検査して確定して隔離すればよいことになります 」とあります。
無症状感染者がヒトに移さないという根拠が全くありませんので有症状感染者だけを検査、隔離すればよいという考えは明らかな間違いです。

「諸外国はPCR検査の実施と行動制限や隔離を徹底した管理体制との両輪で、新型コロナウイルスに対応したのです」とありますので、普通に考えればPCR検査体制の拡充と行動制限、隔離体制の構築が必要と読めます。
ところが「かながわコロナ通信」が主張するのはPCR検査体制拡充の抑制です。

検査の使い分け

2020年5月19日

検査をどのように考え、使い分けるのか
PCR検査・抗体検査・抗原検査など、どう違い、どのように使い分ければよいのでしょうか。

抗体検査

抗体とは、生体の免疫反応によって体内で作られるものであり、体内に異物が侵入したときに攻撃する武器の一つです。 免疫グロブリンとも呼ばれ、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5種類があります。新型コロナウイルスでは発症から約2週間で8割の人が、約3週間でほぼ全ての人がIgMまたはIgGが陽性になります。ただし、抗体は感染してすぐには作られませんので、発症してからしばらくは血液中の抗体を測定しても検出されない時期があります。 発症から早い時期でIgMが、その後IgGが上昇してきます。発症して間もなくは、抗体を測定しても検知できないので、新型コロナの抗体検査が陰性であっても発症して2週間未満であれば感染していないと断定できないのです。

世界中で実施されている抗体検査の中には性能が不明なものもあり玉石混交です。まだまだ性能はキット間の差が大きい可能性があり、結果をうのみにするのは危険です。

これらの抗体検査で陽性となり、新型コロナウイルスに感染したことがあると分かっても、それが意味のある免疫なのかどうかは別な問題なのです。現在のところ、新型コロナウイルスに一度感染し、回復した患者さんの中で産生される抗体によって、再感染が防げるかどうかなどはまだ詳細が分かっていないのです。

抗原検査

では抗原は何でしょうか。ウイルスなどの病原体が体内に入ってきた際に、ウイルスのタンパク質が抗原として認識され、抗体が抗原を捉えます。これを抗原・抗体反応といって、人間のウイルスに対する免疫反応の一つです。この結合により抗原はマクロファージなどの細胞に食べられやすくなります。抗原検査とは、このウイルスのタンパク質である抗原を検出するものです。

従来から馴染みのあるインフルエンザの簡易検査が抗原検査です。インフルエンザウイルスの検査はかなりの確率で偽陰性や偽陽性がわかります。つまり、感染していないのに陽性と出たり、感染しているのに陰性と出たりします。新型コロナウイルスでも抗原検査はPCR検査と比べてかなり正確性は劣るようです。

抗原検査は約30分と短時間で検査結果が判明するのが特徴です。一方で、感度はPCR検査ほど高くはないことから、「重要な基本的注意」として、「判定が陰性であっても、SARS-CoV-2感染(新型コロナウイルス感染)を否定するものではない」として非感染の確定診断にはPCR検査が必要とされています。

また、現在の検体採取は鼻咽頭から検体を取るので、医療従事者への感染リスクは従来の検体接種法のPCR検査と変わりません。ただし将来的には、より感染のリスクが低い唾液を検体に使うことも考えられています。

PCR検査

PCR検査はウイルスの遺伝子の一部分を測定しますので、発症してウイルスが増えている状態で検査を行えば陽性となります。鼻咽頭のPCR検査は約3週間まで陽性になり続けます。最近話題の唾液は約2週間以内には検知できなくなります。新型コロナウイルスはインフルエンザと異なり、感染初期には口腔内でのウイルスの量が多いことが分かってきました。ですから鼻咽頭からの検査と感染初期から14日までは、ほぼ100%一致していることから唾液検査の採取時の安全性から今後使用が促進されるものと考えます。ただし新型コロナウイルスのPCR検査の感度は高くても70%程度です。つまり、30%以上の人は感染しているのに「陰性」と判定され、「偽陰性」となります。検査をすり抜けた感染者が必ずいることを、決して忘れないでください。つまり、検査は、病原体の非存在証明にはならないのです。「安心」を目標とする検査として考えることは有害です。

抗原検査とPCR検査をどのように考え、使い分けるのか

つまり、今感染しているかどうかを知るためにはPCR検査と抗原検査が向いており、過去に感染していたかどうかを知るためには抗体検査が適しているということになります。

さて、抗原検査とPCR検査はどちらも「今感染しているかどうか」を診断するためのものです。

では、抗原検査とPCR検査の2つの検査はどう使い分ければよいのでしょうか。抗原検査は約30分で診断できるというメリットがある一方、感度はPCR検査に劣るとされます。抗原検査は感度が低く、特異度は高いのです。つまり「本当の感染者を見逃してしまうことはあるが、陽性と出た場合の結果は信用できる」ということです。いずれにしても「抗原検査が陰性であっても新型コロナを否定はできない」「抗原検査が陽性であれば新型コロナと診断できる」と考えて良さそうです。

現在想定されている使い方は、新型コロナが疑われた方に抗原検査を施行し、陽性であれば新型コロナと診断、陰性であっても確定例との接触歴や渡航歴、臨床症状などから新型コロナが否定できない場合にPCR検査を行うという流れです。このことから、感染が不明な患者さんが救急などで医療機関に来院されたときには、抗原検査をすぐさまに行い治療体制を整えるということになります。抗原検査により診断までの時間は短縮化されるというメリットがありますが、診断までに2度の検査が必要になる事例が出てきます。今後は抗原検査の精度改善やPCR検査の時間短縮などで医療機関の対応が変わってくることが期待されます。

今後の抗体検査はどうなるのか

では抗体検査はどのように考えればよいのでしょうか。献血の検体を用いて抗体検査をしたところ0.6%が陽性であったというものです。これはPCR検査などで確定診断された患者以外に、診断されていない(主に無症状~軽症の)症例がどれくらいあるのかを把握する上では抗体検査が適していることを示しています。しかしながら、この反応がいつまで体内でとどまり続けるのかはこれからの問題です。抗体検査は個人個人の診断というよりも、感染症の全体像を把握し、公衆衛生上の対策に役立てることが主体になります。

抗体検査の解釈の問題点

しかし、抗体検査の結果の解釈には注意が必要です。 東京都の人口927万人のうち0.6%である55620人が新型コロナに感染していたということになり、実際に都内で診断されているよりも約10倍の感染者がいるということになります。 しかし、抗体検査キットの精度が問題です。コロナウイルスの中には風邪の原因となるヒトコロナウイルスも4種類ありますが、これらの風邪のウイルスと交差反応が起こり、風邪を引いた人でもこの新型コロナの抗体検査キットが陽性になってしまう可能性もあります。

いずれの検査も、正しい時期に使うことと、結果を正しく理性的に解釈できることが大切です。心配で安心したいからと安易に検査を求める人が多ければ多いほど、本当に検査が必要な人が受けることができなくなります。感染疑いのある人が速やかに検査できるようにして、その後の治療に結び付けたいものです。

「新型コロナウイルスのPCR検査の感度は高くても70%程度です。つまり、30%以上の人は感染しているのに「陰性」と判定され、「偽陰性」となります」とあります。
PCR検査の感度は高くても70%程度の根拠は示されていません。

「「安心」を目標とする検査として考えることは有害です」とあります。
自費検査を完全否定する考え方です。
安心のための検査を希望するのは、検査が充分に行われていないからです。
感染が疑われる人や検査が必要と思われる人に充分に検査が行われていない状況では安心のための検査を希望する人が増えます。
検査体制の拡充が進まない状況に目を瞑り「安心のための検査を求めるな」という主張を行うことは欺瞞以外の何物でもありません。

コロナウイルス感染症、安心のために検査を受けることは悪いことなのか? 日本では安心のためにコロナウイルスPCR検査を受ける事が悪いことのようにされています。多いのは次のような主張です。 自費のPCR...

心配で安心したいからと安易に検査を求める人が多ければ多いほど、本当に検査が必要な人が受けることができなくなります」とあります。
検査体制の拡充は行わず、検査を求める人の要求に応える必要は無いという考えです。
「本当に検査が必要な人」とはどのような人を指すのかは明確にはされていません。

PCR検査の特性と限界

2020年5月20日

新型コロナウイルスのPCR検査の感度は高くても70%程度です。つまり、30%以上の人は感染しているのに「陰性」と判定され、「偽陰性」となります。検査をすり抜けた感染者が必ずいることを、決して忘れないでください。つまり、検査は、病原体の非存在証明にはならないのです。「安心」を目標とする検査は有害です。

 ここで、PCRの原理について簡単に触れておきましょう。PCRとはPolymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の頭文字で、特定の遺伝子を捕まえて増幅させる技術です。つまり、ウイルスが対象ではなく遺伝子なのです。PCR検査では、この新型コロナウイルスに特徴的な遺伝子の配列を探してきて、対になっている遺伝子を分離させ、ポリメラーゼという酵素の働きを利用して遺伝子を増幅させます。こうやってウイルスの遺伝子を増やし、見える形にしてウイルスがいるかいないか判断するというのがPCRの原理です。

 さらにもう少し詳しく述べることとします。このような病原体の検査をするときに出てくる言葉を整理しましょう。それは「感度」と「特異度」です。

 感度とは実際に疾患があるときに、正しく陽性が出る確率を示します。そして特異度は実際に疾患がないときに、正しく陰性が出る確率を示します。感度にしても特異度にしてもなかなか100%にはならないのが現実なのです。これが臨床上で起こってくる問題点なのです。中には実際には病気ではないのに検査は陽性だったという場合が起こります。このように病気ではないのに検査が陽性になることを「偽陽性」といいます。そして、反対に実際には病気であったのに検査は陰性になる場合を「偽陰性」と呼びます。繰り返しますが、PCR検査でウイルスに感染しているかいないかを100%正しく判定するわけにはいかないのです。ウイルス感染の有無を判定する検査は、必ず誤判定をともないます。

 その検査がどれだけ高い精度をもっているのかを見極める指標となるのが、「感度」と「特異度」です。感度とは病気の人のなかで、検査で陽性と判定される人の割合のことです。PCR検査の感度は70%ほどと考えられています。つまり、新型コロナウイルスに感染している人が100人いたとき、70人が陽性と判定されてしまいます。ということは、本当は感染しているのに陰性と判定されることで感染を見逃される人が30%はいることになります。これが偽陰性なのです。

 一方、「特異度」とは病気ではない人のなかで、検査で陰性と判定される人の割合です。特異度(コロナに感染していない人の検体を正しく陰性と出す割合)に関しては、感染者の目的とは異なる体液などが一部混入してしまうContaminationや十分な検体内容が採取できないなどの検体採取の問題や死菌(すでに活性を失ったウィルス)までを拾い上げてしまう特性上、特異度は100%にはならないことを考慮しなければなりません。PCRは特異度が高い検査と言われており、偽陽性の問題は比較的起こりにくいと言われています。実験室的には「SARSコロナウイルスと同じ科に属する他のコロナウイルス及び発熱の臨床症状を引き起こすインフルエンザウイルス等のウイルスについて調べましたが、全て陰性であり交差反応は認められませんでした」という表現が用いられ、100%ということができます。しかし実験系での検討と異なり、臨床現場におけるPCR検査は患者さんから検体を採取してPCRの機械にかけるまでの一連のプロセスを指すという点に注意が必要ですし、100例そして1000例と検査人数が増えていけばさまざまな因子が重複していきます。鼻咽頭より唾液からの検査が注目されていますが、採取の際にさまざまな因子がその特異度を低下させてしまいます。ウイルス検査、特にPCR検査などの遺伝子検出法検討の際には、特異度を100%未満として、例えば仮想例(罹患率10%、感度70%、特異度99%)を想定して具体的な計算法を設定するのが通例です。特異度は特定のウイルスと菌を誤認しないかどうかを示しますが、PCR検査に限って言えば特異度は100%に限りなく近い100未満の値を用い、ベイズの定理などを拠り所にして検討します。感染症学において、市中の感染状態を検討する際に常識的にとる手法が以下となります。

 そこで仮にPCR検査の特異度は99%とします。このことは新型コロナウイルスに感染していない人が100人いたとき、99人が陰性と判定されるということです。ということは、本当は感染していないのに陽性と判定される人が1%存在することになります。

 PCR検査の精度向上により、実験的に少ない症例での検討ですが、特異度が100%と称するものも出てくるようになりました。そこで多人数に臨床的に用いるという前提で100%に限りなく近い値として、特異度99.9%として計算してみます。たとえば人口を1000万人としたとき、全員がPCR検査を行えばどうなるのかを学んでいきたいと思います。感染症専門医の忽那賢志先生が情報発信をされています。「今日から新型コロナPCR検査が保険適用にPCRの限界を知っておこう」のなかに、具体的な計算値がしめされています。

 物事を理解するために、数値を設定します。まず、計算上感染者数を設定しなければなりません。感染者数を4400人として計算します。

 計算をしてみましょう。本当の感染者の方を4400人とします。感度を70%とすれば検査で陽性と判定される人は3080人になります。そうすると1320人もの人が偽陰性と診断されます。すると1320の人は本当に感染しているにもかかわらず見逃されて、自粛ということを守らないと感染源になってしまいます。

 さらに問題となるのは偽陽性者の存在です。本当の非感染者は999万5600人います。そして、このうち998万5604人は陰性と正しく判定されますが、実に9996人もの人が本当は感染していないのに陽性と判定されることになります。

 整理すると、1000万人にPCR検査を行えば、1320人もの感染者が見逃されて、市中感染の元になってしまいます。そして、その10倍にあたる9996人の非感染者が感染者と間違って判定され、病院のベッドを占有してしまうことになります。特異性に関して、100%ということは現実的には考えられず、また99.9%などの極端なこともないのですが、感染者の体液などが一部混入や十分な検体採取が出来ないなどの問題や死菌までを拾い上げてしまう可能性をギリギリに排除した99.9%にしたところで、感度70%ということが感染症の実状の中では大きな問題となってしまうのです。

 繰り返しになりますが、感度が70%ですから、陰性の判定が出たとしても安心して外出していいということにはならないのです。30%の確率で感染しているかもしれず、偽陰性の人が街に出て安易に他人と接触することで市中感染が広がることになるのです。陰性と言われても、人にうつさないように細心の注意を払うことを念頭にした行動制限は必要ということになります。

 希望すれば全員が検査を受けられるという検査体制にしてもよいのですが、偽陽性と偽陽性の問題が常に付いてまわるということになります。検査件数をいたずらに増やせば偽陽性の人は確実に増え、入院してのベッドの確保も医療現場はその無駄な対応に追われるばかりでなく、偽陰性の人は自覚なく動き回り感染を拡大して、医療現場はその対応に追われ、従来維持してきた交通事故や脳卒中・心筋梗塞などの救急患者に対する医療体制が崩壊してしまうのです。心配なので安心したいからと安易に検査を求める人が多ければ多いほど、本当に検査が必要な人が受けることができなくなり、治療への速度が落ちてしまいます。感染疑いのある人を速やかに検査して、治療に結び付けたいのです。

「特異度は特定のウイルスと菌を誤認しないかどうかを示しますが、PCR検査に限って言えば特異度は100%に限りなく近い100未満の値を用い、ベイズの定理などを拠り所にして検討します。感染症学において、市中の感染状態を検討する際に常識的にとる手法が以下となります」「PCR検査の精度向上により、実験的に少ない症例での検討ですが、特異度が100%と称するものも出てくるようになりました。そこで多人数に臨床的に用いるという前提で100%に限りなく近い値として、特異度99.9%として計算してみます」とあります。

PCR検査の特異度は限りなく100%に近い」としながらも特異度99.9%で計算しています。
特異度99.9%の根拠はありません。
これがベイズの定理を悪用し、PCR検査体制拡充を妨害する手口です。

ベイズの定理を悪用し、コロナウイルスPCR検査の有用性を否定する医師達 以前ベイズの定理を用いて事後確率を計算する時の注意点を記事にしました。 https://tatsuharug.com/bayes...

「感染症専門医の忽那賢志先生が情報発信をされています。「今日から新型コロナPCR検査が保険適用にPCRの限界を知っておこう」のなかに、具体的な計算値がしめされています」とあります。

今日から新型コロナPCR検査が保険適用に PCRの限界を知っておこう

私は現時点で約15例の新型コロナウイルス感染症の患者さんを診療していますが、初回のPCR検査が陰性で、それでも疑わしいからということで行った2回目・3回目の検査でようやく陽性と判明した事例が少なからずあります。感覚的なものですが、咽頭や鼻咽頭のスワブを用いたPCR検査の感度は70%くらいかなと感じています。つまり30%の方は本当に新型コロナウイルス感染症なのにPCR検査で陰性と出てしまうということです。

またいかに優れた検査と言えども、偽陽性(本当は新型コロナウイルス感染症ではないのに陽性と出てしまうこと)が起こりえます。新型コロナウイルスのPCR検査の特異度が非常に優れているとして、ここでは99.9%と仮定します。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200306-00166273/
2020年3月6日

忽那氏は文献を参照し、根拠を示すことが多いですが新型コロナのPCR検査の感度、特異度に関する参照論文は示されていません。
感度については「感度は70%くらいかなと感じています」とあるように自らの感覚に基づいて70%と主張しています。
特異度99.9%の根拠は示されていません。

忽那氏や「かながわコロナ通信」は特異度99.9%で計算し、偽陽性が大量に出ると主張します。
ところが有病率0.044%、特異度99.997%※ で計算すると陽性的中率91.13%です。


特異度99.997%というのは武漢での大規模検査の結果を踏まえてのものです。
(検査数989万9828、陽性者300、陽性率0.00303%でした。陽性者を全て偽陽性と仮定しても特異度99.99697%となります)

「整理すると、1000万人にPCR検査を行えば、1320人もの感染者が見逃されて、市中感染の元になってしまいます。そして、その10倍にあたる9996人の非感染者が感染者と間違って判定され、病院のベッドを占有してしまうことになります」ということは正しい仮定(特異度99.99%以上)で計算を行えば起こり得ないことがわかります。

そもそも「特異度は100%に限りなく近い」と考えるのであれば、わざわざベイズの定理を用いて陽性的中率を調べる必要はありません。
(ほとんど出ない偽陽性者が気になるのであれば陽性者に再検査を行うようにすれば良いだけです)

「検査件数をいたずらに増やせば偽陽性の人は確実に増え、入院してのベッドの確保も医療現場はその無駄な対応に追われるばかりでなく、偽陰性の人は自覚なく動き回り感染を拡大して、医療現場はその対応に追われ、従来維持してきた交通事故や脳卒中・心筋梗塞などの救急患者に対する医療体制が崩壊してしまうのです。心配なので安心したいからと安易に検査を求める人が多ければ多いほど、本当に検査が必要な人が受けることができなくなり、治療への速度が落ちてしまいます」とあります。

まるで検査を求めることが悪いことであるかのように受け取れます。
あり得ない仮定(PCR検査の特異度99.9%)でベイズの定理を用いて計算し、偽陽性が大量に出ると主張する悪質な検査妨害論です。

また「偽陰性の人は自覚なく動き回り感染を拡大」というのは全く根拠の無い主張です。

コロナウイルスPCR検査の偽陰性者が感染を広げるという主張について コロナウイルスPCR検査で偽陰性であった人が安心して感染を広げると主張する人達がいます。彼らの主張を検証します。 和歌山県の事例...

「神奈川モデル ハイブリッド版」 感染を疑った患者さんへのPCR検査が速やかに実施できるように

2020年5月22日

①唐突な「神奈川モデル」発表により生じた多くの混乱

 3月中旬に行われた神奈川県との会議で、新型コロナウイルス感染症の患者さんの増加にどのように対応していくべきか協議をしました。検査方法も当時は充実していない、治療法も確立していないその中で世界的な流行となってしまいました。マスクやガウン、消毒液が圧倒的に不足している状況の下では、医療従事者がばらばらに行動することは感染リスクの面からも、限られた医療資材の面からも避けるべきという議論がなされました。

 その後、神奈川県からの説明はほとんど無いまま、突然3月下旬に知事が「神奈川モデル」の発表をしました。十分な説明がないまま発表したために医療機関も、市町村などの行政も大変困惑しました。一方で、新型コロナウイルス感染症の患者さんは日に日に増加しており、もはや医療崩壊待ったなしの状況が近づいておりました。「神奈川モデル」を画にかいた餅で終わせるわけにはいかず、神奈川県医師会、神奈川県病院協会、感染症専門家、行政関係者が一丸となって、「神奈川モデル」の原型を地域の実態に即したハイブリッド版として進化させる作業が始まりました。

②「神奈川モデル」とは

「神奈川モデル」の特性は、感染が判明した入院治療が必要な患者さんをまずは「重点医療機関」が引き受け、状況に応じたふるい分けを行うことにあります。「重点医療機関」は酸素投与が必要な患者さんへの肺炎治療や、高齢や持病がある患者さんの入院治療を行い、重症化した患者さんは「高度医療機関」に搬送し、回復した患者さんは自宅や宿泊施設に移動してしていただきます。重点医療機関が地域でコロナ診療の中核を担うことで周辺の医療機関の負担が軽減する極めて合理的な考え方です。重症患者さん1名を治療するためには、集中医療を専門とする医師や看護師、臨床工学技士が10名以上も必要となるため、各医療機関の特性に合わせた機能分化が必要なのです。

この考え方は、神奈川県は2月にクルーズ船ダイアモンド・プリンセス号が横浜港に接岸したため多くのコロナ陽性患者の診療に日本で一番最初に直面した経験に基づいたものです。ですから、感染源が単発しているような時期のみに、対応できるモデルでした。

③当初の「神奈川モデル」に足りなかった視点~PCR検査体制~

 発表当初の「神奈川モデル」では、感染の疑いのある患者さんは国が示した受診の目安に従って、相談センターに電話をかけ、状況に応じて帰国者・接触者外来を担う病院で検査が行われるとなっていました。その為、「相談センターに何度電話してもつながらない」といった県民の皆様の声や、「医師が感染を強く疑っても、保健所が検査をしてくれない」といった医師の声が多く聞かれました。

 神奈川コロナ通信でご案内の通り、PCR検査の件数を増やすことはそう簡単なことではありませんでした。一方このままの検査体制では、感染が疑われる患者さんがあちこちの医療機関を渡り歩いて感染拡大を起こすことを懸念しました。

 従来の検査の最大の障害が、新型コロナウイルス感染症を、感染症法に基づく「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」に指定する政令を閣議決定したため、新型コロナウイルスの遺伝子検査は、行政検査となったためです。PCR検査が「行政検査」となると、医師がさまざまな症状から検査が必要であると考えても、自由に検査が行えない法的規制が生まれてしまったのです。

 神奈川県医師会は、医師が感染を疑った患者さん全員に速やかにPCR検査が行えるように、神奈川県と何度も交渉を重ね、「行政検査」を「臨床上必要な行政検査」と置き換えて解釈できるようにして一部でありますが、医師の裁量の中で行えるようにしてきました。このことで、医師会員が中心となって行うPCR検査場(効率的に検査を行うドライブスルー方式やウォークスルー方式を採用)が4月の下旬から県内各地でスタートしました。5月から6月には県内ほとんどの地域でPCR検査場が開設できるようになります。これによって帰国者・接触者外来を行っていた病院の負担や、行政検査を行う保健所や衛生研究所の負担が軽減されることが期待されますし、なにより感染が疑われる患者さんにとっての福音となります。とにかく、行政検査という規制の壁が強く、他の県ですが先進的な知事の判断で風穴があいてきました。神奈川県の行政検査の壁を、臨床検査に近い形として必要と思われるときに検査ができるようにしたいと願っています。これは、これから起こるかもしれない感染の大きな波にたいして、発生初期のクラスターの発生を早期に感知して、感染拡大に結び付けないという布石でもあります。

 5月になって国の示す医療機関へのわかりにくい受診の目安も改善してきたので、体調の悪い患者さんは受診を我慢しないで、かかりつけ医に相談していただければと思います。新型コロナウイルス感染症の患者さんの重症化を絶対に防止したいので、「体調は悪くないけれどコロナが心配だから、念のために検査して欲しい」といったご要望には沿うことはできませんので、ご了解いただければ幸いです。

 また、唾液による検査も北海道大学と北海道医師会の努力で道が開けようとしています。詳細な情報も入手しており、県内での実施に向けて調整しております。

④県内各地域によって事情が異なる医療提供体制

 「神奈川モデル」は県内どこでも同じというわけではありません。とくに入院病床については地域によって、それぞれの病院が担ってきた役割が異なります。地域によっては公立病院がなかったり、感染症の専用病棟がほとんどなかったりしますし、「神奈川モデル」の重点医療機関が果たす役割を一つの病院だけで行うのが困難な地域もあります。

 神奈川県はもともと、人口に比してベッド数は少なく、日本一入院ベッドを効率的に運用している県なのです。ですから余っている(空いている)入院ベッドはほとんどなく、コロナ患者さんを引き受けるためには、従来行っていた一般診療の患者さん用のベッドを制限せざるを得ません。

 神奈川県医師会では、地域によって異なる事情を鑑みて、「コロナ地域医療構想調整会議」を二次医療圏毎に開催し、県と市の行政・医療関係者で現状と課題を共有して行く予定です。これにより「神奈川モデル」ハイブリッド版がさらに進化させてかなければなりません。

⑤進化させなければならない神奈川モデルハイブリッド版

 我々の目標は、「神奈川モデル」を完成させることではありません。県民の皆様を新型コロナウイルス感染症から守ることです。そして、従来行ってきた救急医療をはじめとする医療提供体制を守ることです。今まで当たり前に行われていた地域での医療提供が十分に機能できなくなると、交通事故にあった時、心不全や心臓発作を起こした時、脳出血や脳梗塞になった時、救命することが出来なくなります。そのためには医療従事者を感染から守り、医療崩壊が起こらないよう細心の注意を払いながら、日々の診療を続けなければならないのです。

 県民の皆様には緊急事態宣言以前から大変なご負担とご苦労をおかけして、感染拡大防止のための行動制限にご協力いただきました。そのおかげで県内の新規感染者数は減少に転じており、退院される患者さんも増加しております。本当にありがとうございます。また県民の皆様からの医療機関へのエールのお陰で、我々医療従事者にとって大きな励みとなっております。

 それでも院内感染が起こり、感染者の減少のスビートを加速させることがなかなかできません。新型コロナウイルスは悪賢く厄介なウイルスです。感染しても無症状の人が一定数おり、ひっそりと気づかれないよう院内に入り込み、周囲に感染を広げるのです。医療機関が感染防止を徹底するのはなかなか難しい状況です。 「院内感染」と言っても、ウイルスは院外から持ち込まれるのです。まん延期になると、救急搬送など別の症状で受診した無症状の感染者から広がる可能性もあり、100%防止は不可能に近いものがあります。リスクの高い人が集まる医療機関に感染が連鎖した結果、集団感染が生まれてしまうのです。医療機関も日々反省しながら、注意を払っています。今は医療従事者が危険と隣り合わせの中で奮闘して、新型コロナ以外の通常の医療提供も維持できている状況で、なんとか医療崩壊を食い止めている状況です。

 今の感染拡大の波には、医療崩壊を起こさずに何とか乗り切ることが出来そうですが、まだ我々には有効なワクチンも、確実な治療薬も、簡便で迅速な検査手段もありません。ということは、いつ次の波が押し寄せてきてもおかしくない状態であるということです。次の波がいつ来るのか、どれくらいの勢いで来るのかはわかりません。気を緩めることなく、必ず次の波が来ると覚悟して、神奈川県病院協会や神奈川県看護協会と共に医療体制を整えていきたいと思っています。

「神奈川コロナ通信でご案内の通り、PCR検査の件数を増やすことはそう簡単なことではありませんでした」とあります。
件数を増やす努力を行っていたようには見えません。

「一方このままの検査体制では、感染が疑われる患者さんがあちこちの医療機関を渡り歩いて感染拡大を起こすことを懸念しました」とあります。
感染が疑われる人に迅速に検査を行わないために患者さんがあちこちを渡り歩くことになるのです。このようなことを懸念するのであれば検査体制を拡充する他無いはずです。

「医師がさまざまな症状から検査が必要であると考えても、自由に検査が行えない法的規制が生まれてしまったのです」とあります。
同じ法律の元で和歌山県や鳥取県は大量に検査を行っています。
検査拡充の妨害をしておきながら、何故このような事が言えるのでしょうか?

「医師会員が中心となって行うPCR検査場(効率的に検査を行うドライブスルー方式やウォークスルー方式を採用)が4月の下旬から県内各地でスタートしました」とあります。
ドライブスルー方式にケチをつけて導入が遅れた責任を感じないのでしょうか?

「「体調は悪くないけれどコロナが心配だから、念のために検査して欲しい」といったご要望には沿うことはできませんので、ご了解いただければ幸いです」とあります。
必要な人に対する検査が充分に行えていないために心配だからという理由で検査を希望する人が増えるのです。
有症状者に対する検査でさえ、充分にできていない状況で検査拡充を妨害していたことへの反省が全く感じられません。

「かながわコロナ通信」終了

この記事を最後に「かながわコロナ通信」は削除され、消滅しました。
「かながわコロナ通信」がまき散らしたPCR検査妨害論を未だに信じこんでいる人達もいます。
心からお詫びをするのであれば、どこがどのように間違っていたのかを明確にすべきです。
公益社団法人としてあるまじき無責任な態度です。

「かながわコロナ通信」復活

PCR検査体制の拡充を妨害していた記事を全て削除し、「かながわコロナ通信」は復活しています。

https://kanagawa-med.or.jp/corona_news/

K値を採用

【神奈川】新指標「K値」で感染状況を把握、「神奈川警戒アラート」に活用

神奈川県の黒岩祐治知事は5月20日の臨時会見で、「緊急事態宣言解除後の神奈川ビジョン」を発表した。緊急事態宣言解除の後、再び感染が拡大する状況を想定し、警戒のためのモニタリング指標と警戒アラートの発動基準を定めた。会見には大阪大学の中野貴志教授(核物理研究センター長)も同席し、新指標「K値」について説明した。

黒岩知事は「経済活動を再開した後も、再び感染拡大する状況も念頭に置き、感染拡大傾向、医療体制の逼迫(ひっぱく)度、医療者の感染、施設クラスター発生状況などをモニタリングする。モニタリングにより状況悪化を早期に検知した際には警戒アラートを発動していく」と述べ、モニタリング指標と警戒アラートの発動基準を具体的に説明した。

モニタリング指標は(1)感染の状況、(2)医療の状況、(3)監視体制の大きく3つに分かれる。

(1)感染の状況は、「K値:神奈川県と東京都の週あたりの感染者数増加率」、「新規陽性患者数」、「感染経路不明」という3指標を設定。この中の「K値」とは、“直近1週間の陽性者数”を“総陽性者数”で割った値のこと。考案した大阪大学の中野教授によれば、「K値とは簡単に言うと感染状況を示す温度計のようなもの」。神奈川県は、感染拡大状況を高精度に予測できる指標であるという判断から今回採用した。K値は感染初期を「1」として、収束に向かうと「0」に近づいていくが、その予想曲線から実際のK値(下図の赤色または青色のドット)が4日連続で大きく外れた場合、警戒が必要な状況であると見なす。

https://www.m3.com/news/kisokoza/777253
2020年5月25日 m3.com

「かながわコロナ通信」がきちんとした説明も無く消滅した頃に神奈川県はモニタリング指標としてK値を採用しました。
その後、再び何の説明も無く、K値はモニタリング指標から消滅します。

K値について調べてみました K値は大阪大の中野貴志教授(原子核物理)が考案したもので感染症の流行状況を知る指標とのことです。大阪モデルに採用されるのではないかと言...

コロナ入院基準見直し

神奈川県、コロナ入院基準見直しへ 重症リスク高い患者優先

新型コロナウイルスの感染者急増に伴い県内の病床が逼迫(ひっぱく)している状況を受け、県は27日、感染者の入院基準について年齢や基礎疾患などを点数化して重症化しやすい患者を優先して入院させる方針を示した。

県内の医療関係者や学識経験者らでつくる県感染症対策協議会の会合で提案した。国内初の取り組みといい、一定の周知期間を経て運用をスタートする。

現行では65歳以上の高齢者や基礎疾患のある人は入院が求められているが、高齢の入院者らの中には軽症や無症状の人も多いという。このため、医師らが病態を判断し、共通の基準で入院の優先度を判定する。

75歳以上は3点、65~74歳が2点、糖尿病などのハイリスク因子は1項目当たり1~2点、無症状はマイナス1点などとしたリストを示し、患者急増期は合計5点以上が入院の目安とした。ただ、医師が必要と判断した場合は優先する。

県医療危機対策統括官の阿南英明氏は「運用しながらスコアは見直していく必要がある。現在の入院患者は半数から3分の1程度まで減少する見込み」と話した。

https://www.kanaloco.jp/news/government/article-317389.html
2020年11月27日 カナロコ

市中の感染者をできるだけ減らすことで入院患者を減らすのではなく、入院受け入れそのものを減らす考えのようです。

多くの人が苦しんだ「37.5度以上の発熱が4日以上」と同じような考え方です。
過去から学ぶことができないのでしょうか?

宿泊療養施設入所中のコロナ患者が死亡 神奈川県

神奈川県は、県が用意した新型コロナウイルスの宿泊療養施設に入所していた50代の男性が11日に死亡したと発表しました。

県によりますと、死亡が確認されたのは8日に陽性が判明した県内に住む50代の男性です。男性は軽症と判断され、翌日に県の宿泊療養施設に入所しました。施設では入所者に対し、通信アプリを使って午前と午後、一日2回の体調確認をしますが、11日の午後、男性からの返信がありませんでした。施設に勤務する看護師が異変に気付き、男性に6回電話を掛けましたが、いずれもつながらなかったということです。その後、午後8時前に看護師が部屋を確認したところ、男性がベッドの上で心肺停止の状態で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されました。男性は、11日午前の1回目の体調確認で新型コロナウイルスの病状の判断目安とされる酸素飽和度が基準値を下回っていることを報告していましたが、県は医師に診察させていませんでした。男性に既往症はなく、現時点で死因は分かっていません。県は、詳細な事実関係を確認するとともに宿泊療養施設の入所者の体調確認の方法や基準について検証を進めるとしています。https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000201075.html
2020年12月12日 テレ朝NEWS

濃厚接触者調査取り止め

市中の濃厚接触者調査 県が取りやめへ

県内で新型コロナウイルスの感染者が急増する中、県は9日から、市中の感染者に対する濃厚接触者の調査を取りやめると発表しました。 県はこれまですべての新規感染者に対して、保健所が行動歴などを確認し、濃厚接触者の特定を行っていました。 しかし、市中での感染がまん延する現在、一般患者に対する調査の効果が薄れるとともに、患者の急増に伴う保健所の業務負担が著しく増えているため、県は9日から、調査対象を医療機関や福祉施設などに絞り、重症化リスクが高い人への対応を優先します。 一般感染者の調査は、同居する人や、接触確認アプリ「COCOA」の受信者に限定。 友人や、職場の同僚などには実施しません。 県では、自治体ごとにコールセンターを設け相談を受け付けます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4dc85559993b95b6089f7b274c0cfb77604a76cb
2020年1月8日 テレビ神奈川

「かながわコロナ通信」には「医療崩壊を防ぐためには、とにかく感染者を増やさないことにつきます」とありました。
神奈川県は感染者そのものを減らす対策の必要性を一体いつになったら認識するのでしょうか?

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