2022年8月24日、新型コロナの死亡者数は343人で過去最多を記録しました。
ところが分科会は感染者を減らすための対策を取るつもりは無さそうです。
新型コロナ 専門家の有志が今後の医療や保健所の対応で提言
提言では、現在の感染状況についてオミクロン株の「BA.5」を中心とした感染が拡大し、入院のリスクや重症度は相対的に低いものの、これまでにない感染者の急増で重症者・死亡者数が増え、医療ひっ迫がさらに深刻化する懸念があるとする認識を示しています。そのうえで、国が医療ひっ迫の深刻化を抑えながら社会経済活動を継続させることを選ぶ場合は、一人ひとりが基本的な感染対策をいままで以上に徹底するのと同時に、現在の医療や保健所の対応をオミクロン株の特徴に合わせて移行していく必要があるとしています。
提言ではこうした移行は段階的に行い、▽ステップ1で第7波への緊急対応として、現在の制度の枠組みで変更できることから始め、その後、▽ステップ2として法改正で大幅に改めるとしています。
NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220802/k10013747591000.html
2022年8月2日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220802/k10013747591000.html
学校現場はインフルエンザよりも緩い対応となるようです。
小学生の親としては自らの身を守れる自信がもはやありません。
コロナ学級閉鎖“基準”はインフル対応より緩い 文科省の指針改定で「学校クラスター」多発も
https://news.yahoo.co.jp/articles/092e1978f1394c5d7957c1cc7201fc1333d5c89a
文科省は19日、児童生徒や教職員が感染した場合の「対応ガイドライン」の改定を自治体などに通知。学級閉鎖を判断する基準として、次のように記している。
〈同一の学級において、複数の児童生徒等の感染が確認された場合であっても、その間で感染経路に関連がない場合やそのほか学級内の他の児童生徒等に感染が広がっているおそれがない場合については、学級閉鎖を行う必要はない〉
従来の学級閉鎖の基準は、学級内で〈複数の児童生徒等の感染が判明した場合〉などで、感染経路は関係なかった。ところが、文科省は19日の通知で感染経路について言及。家庭内で感染した児童が複数いたとしても、学級閉鎖する必要はないという。
2022年8月23日 日刊ゲンダイ
ワクチン頼みの集団免疫路線が頓挫したため、一般国民には医療崩壊しない程度に感染して欲しいという考えなのでしょう。
Contents
分科会、専門家会議に対する誤解
私は分科会、専門家会議はフラットな立場で専門知識に基づき、提言を行う諮問機関であると認識していました。
専門家が不適切な主張を行うことは専門家の地位、名誉を毀損する行為であり、国民に対する裏切り行為であると考えたため、厳しく批判してきました。
しかし、どうやら私の認識が間違っていたようでした。
新型コロナは未知の疾患ですので「情報収集」→「情報分析」→「目標設定」→「政策決定」という手順を踏んで提言が出されるものだと思っていました。
しかし、尾身氏、岡部氏に代表される「集団免疫派」が分科会、専門家会議の多数を占め、集団免疫獲得というあらかじめ決められた目標のために行動していたようです。
分科会、専門家会議の目標は集団免疫獲得
分科会、専門家会議の目標は終始「死亡者数を減らすこと」であり、「感染者数を減らすこと」ではありませんでした。
何故このような目標設定を行ったのか、不思議に思いましたが、真の目標が集団免疫獲得であったのであれば合点は行きます。
このような目標を設定したため、次のような不適切な主張が展開されました。
不適切な主張
うちで治そう、4日間はうちで
エアロゾル感染は主たる感染経路ではない
「マイクロ飛沫感染」は空気感染ではない 尾身氏「あえて」言及
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は31日、空気中を浮遊する微粒子による「マイクロ飛沫感染」について触れ、「空気感染」とは違うものだと強調。「3密」の環境下で最も起こりやすいため「普通に街を歩いていて起こる可能性は極めて低い」と述べた。略
この日の会見で「あえて」言及したのは、WHOなどで取り上げられたことなどによって、マイクロ飛沫感染が「空気感染と誤解されると困る」(尾身氏)ためだといい、「普通に野外を歩いたり、感染対策が取られている店舗での買い物や食事、十分に換気されている電車での通勤・通学では、マイクロ飛沫感染の可能性は限定的と考えられている」と説明し、過剰な心配は必要ないとの見方を示した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9a5c128cfbb768893c6d7cbea08564e250893497
無症状者に対する検査(事前確率の低い場合の検査)は推奨しない
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/kensa_senryaku_13.pdf
西浦博氏の記事
Buzzfeedに西浦博氏のインタビュー記事が載りました。
受け取り方は様々ですが気になった所を抜粋します。
政府や政治家は倫理上の責務を果たせ
——政府が社会経済を回すことは言っても、感染対策や予防については国民に呼びかけなくなりました。逆に何も対策をせずに社会を開くリスクについてはダンマリを貫いています。無責任だと感じますか?
もちろんです。特に倫理上の問題が気にかかります。
もちろん、為政者には社会の意見を統合する役割があると思います。流行を制御してもらいたいという声があるのと同時に、社会経済活動を活発にしてもらいたいという人もいる。その中でバランスをとっているのだと決断は尊重します。
ただ、そうするのであれば、その判断に関する説明が必要です。特に命を失う人たちは僕らの親や祖父母世代ですが、その人たちに対する尊敬の念はないのかと問いたいです。その人たちの命と引き換えに若い人たちの日常を取り戻すということになりますから。
そのリスクを受け入れる覚悟をしたのか否か。「日本をこういう国にしようと思うから、政府としてはこう判断した」と、政治家が必ず説明しなければいけません。
この問題は専門家の間でも長く議論していて、尾身先生にも「これだけの死亡者数を先生が背負うことはできないですよ。選挙で選ばれた人でないと価値判断をしてはいけないと思います」と提言作成前の議論でも伝えました。
今の政治家には、尾身先生ほどの覚悟は見えません。少なくとも倫理上の責務は果たしてもらいたいと思います。
医療が逼迫し、コロナ以外の死因が異常に増えている可能性
——今回の提言でショックだったのは、これまで医学の専門家は死者をできるだけ少なくするとか、医療が逼迫しないようにすることを最優先に意見を述べてきたのに、今回は政府の「社会経済を回す」方針を丸呑みし、それに合わせた形で意見を言ったことです。先生はどう思いましたか?
それぞれの先生方がそれぞれに背負った役割があることが影響していると思います。
今回の提言にはデータ分析をする立場のメンバーは誰も名前を連ねていません。一番の任務がリスク評価である以上、感染が増えることを許すような提言はするわけにはいかない。
一方で自治体で勤務している阿南英明先生は元々救急医でもあります。救急が苦しんでいたり、保健所が苦しんでいたりする声を聞いて、その業務負担を改善するために火中の栗を拾う役割を果たしてくれているのだと思います。
尾身先生、岡部先生は長年の経験者として、政策とのバランスを保つ役割も持っているので、一定の判断をされたのだと理解しています。
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-nishiura-20220819-2?utm_source=dynamic&utm_campaign=bfsharetwitter
2022年8月21日
尾身氏、岡部氏、阿南氏による政治活動
尾身氏達には科学が先にあるのではなく、目標(尾身氏、岡部氏→集団免疫獲得、阿南氏→医療体制の見直し)が先にあります。
尾身氏、岡部氏は集団免疫派の専門家として集団免疫獲得のために活動しているのです。
これは一種の政治活動です。
尾身氏の責任
西浦氏は尾身氏には覚悟があるという意味のことを語っていますが尾身氏はどのように責任を取るつもりなのでしょうか?
尾身氏は政治活動を行っていますが、専門家という立ち位置のため、責任を取らされることは無いでしょう。
西浦氏の言う尾身氏の覚悟とは一体何なのでしょうか?
阿南氏について
阿南英明氏は2020年4月に神奈川県医療危機対策統括官に就任しました。
ちょうどその頃から神奈川県医師会は「かながわコロナ通信」で新型コロナPCR検査に関する不適切な記事の掲載を始めました。
阿南氏がどの程度関与したのかは不明ですが、全く影響力が無かったとは考えにくいです。
2020年11月阿南氏が中心となり、神奈川県は入院制限とも取れる対策を打ち出します。
2020年11月の神奈川県の感染者数は多くても1日250人程度でした。
(2022年8月現在では1日1万人以上)
神奈川県、コロナ入院基準見直しへ 重症リスク高い患者優先
https://www.kanaloco.jp/news/government/article-317389.html
新型コロナウイルスの感染者急増に伴い県内の病床が逼迫(ひっぱく)している状況を受け、県は27日、感染者の入院基準について年齢や基礎疾患などを点数化して重症化しやすい患者を優先して入院させる方針を示した。
県内の医療関係者や学識経験者らでつくる県感染症対策協議会の会合で提案した。国内初の取り組みといい、一定の周知期間を経て運用をスタートする。
現行では65歳以上の高齢者や基礎疾患のある人は入院が求められているが、高齢の入院者らの中には軽症や無症状の人も多いという。このため、医師らが病態を判断し、共通の基準で入院の優先度を判定する。
75歳以上は3点、65~74歳が2点、糖尿病などのハイリスク因子は1項目当たり1~2点、無症状はマイナス1点などとしたリストを示し、患者急増期は合計5点以上が入院の目安とした。ただ、医師が必要と判断した場合は優先する。
県医療危機対策統括官の阿南英明氏は「運用しながらスコアは見直していく必要がある。現在の入院患者は半数から3分の1程度まで減少する見込み」と話した。
2020年11月27日 カナロコ
阿南氏は感染者数の増加に伴い医療崩壊が起こるのを未然に防ぐために止むを得ず「医療現場を守る」という思想に基づき行動したわけではなく、新型コロナの情報がほとんどない段階から「患者切り捨て」とも取れる思想に基づき行動しています。
このような経緯を見ると「火中の栗を拾う役割を果たした」という西浦氏の評価には到底同意できません。
西浦氏について
西浦氏は尾身氏、岡部氏が集団免疫派の専門家として政治活動を行っているという認識は無いのでしょうか?
尾身氏は「死者をできるだけ少なくする」という目標で行動していたように見えますが、真の目標は「集団免疫獲得」です。
ワクチンによる「集団免疫獲得」が困難になったため、医療崩壊を起こさない程度に国民が感染することでの「集団免疫獲得」を目指すようになっただけで尾身氏自身には全くブレはありません。
(そもそも西浦氏自身も集団免疫派です。尾身氏、岡部氏が「急進的」な集団免疫派であり、西浦氏は「漸進的」な集団免疫派という違いがあるだけです)
新型コロナワクチンによる集団免疫獲得という幻想
「こびナビ」を始め、様々な人達が新型コロナワクチン接種を積極的に推奨しました。
分科会、専門家会議も新型コロナワクチンによる集団免疫獲得を目標に活動していました。
ところが新型コロナワクチンの感染予防効果に疑問が呈されるデータが次々と公表されました。
新型コロナワクチン頼みの集団免疫獲得は困難であると考えられます。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin/taisyo/dai16/gijishidai.pdf
(新型インフルエンザ等対策推進会議 基本的対処方針分科会(第 16 回))
私はコロナウイルスワクチン開発には抗体依存性感染増強(ADE)という問題があることを認識していましたので、ワクチン開発に関しては懐疑的でした。
感染者を減らす対策の重要性を指摘していたのはそのためです。
分科会は新型コロナワクチンによる集団免疫獲得が頓挫したことで、自然感染による集団免疫獲得を目指すようになりました。
自然感染による集団免疫獲得について
自然感染による集団免疫獲得の問題点は、集団免疫が達成可能なのかどうか、集団免疫状態がどの程度持続するのかが不明な点にあります。
後遺症の問題もありますので個人としては感染しないに越したことはありません。
新型コロナワクチンでの重症化予防効果は期待できそうですので、医療崩壊を起こさなければ死亡者を減らせるかもしれません。
しかし、西浦氏も指摘するように自然感染による集団免疫獲得には大きな犠牲が伴います。
感染者増加により、多くは自宅療養となるため、主として犠牲になるのは高齢者、基礎疾患のある者、身寄りの無い一人暮らしの者等、社会的弱者とされる人達でしょう。
本来、このような非人道的な政策は取られないはずですが、優勢思想や自己責任論を信奉する人達は何とも思わないのでしょうし、長引くコロナ禍で正常な判断力を喪失してしまっている人も多いのでしょう。
集団免疫派を一掃するには
集団免疫派が多数を占めることになったのは任命した政治家の責任に依ります。
従って現在の新型コロナ対策を見直させるには政権交代を実現させ、集団免疫派を一掃する他ないでしょう。(もはや間に合わないでしょうが)
尾身氏や岡部氏は自らの思想については全く説明しませんので、専門家会議や分科会が集団免疫派に牛耳られていることを多くの国民は理解していないでしょう。
このような状態のまま、多くの国民が犠牲になる可能性のある政策が淡々と実行されていることに恐怖を覚えます。
貧弱な武器で感染の波に飲まれる一般国民
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000979769.pdf
(第96回(令和4年8月24日) 新型コロナウイルス感染症対策 アドバイザリーボード)
しばらくは感染者数が減る見通しは無さそうです。
分科会は自然感染による集団免疫獲得のため、感染者を減らすための対策をほとんど放棄しましたので、今秋から今冬にかけて今までにないような感染の波が発生することが予想されます。
この感染の波に立ち向かうために国民に与えられた武器は「感染予防効果が期待できないワクチン」「感染者増加ですぐに破綻する貧弱な検査体制」「エアロゾル感染予防には無意味な衝立、布マスク」です。
一部の人達は定期的なPCR検査や入院処置で身を守れるでしょうが、一般国民が生き残れるかどうかは運次第です。