コロナウイルス感染症

ベイズの定理を使いこなす救急医Taka氏を参考にベイズの定理を使ってみました。

ベイズの定理を使いこなすTaka氏を参考にベイズの定理を使ってみます。

手を洗う救急医Taka氏のPCR検査論を検証 手を洗う救急医Taka氏がPCR検査の実施について述べていますので検証します。 救急医Taka氏 ...

事前確率の低い集団への検査

事前確率が低い人達への大量遺伝子検査として献血の感染症検査(HIV、肝炎)があります。

NATは従来の血清学的検査よりも感染してから早い時期にウイルスを検出できるため、検査陰性と判定される「ウインドウ」期間が短くなり、輸血用血液の安全性のさらなる向上が期待されます(図2)。血液センターでは全国的には平成11年10月から献血いただいた血液のHBV・HCV・HIVのウイルス検査にNATを導入しております。

NATとは
NATとは核酸増幅検査(Nucleic acid Amplification Test)の頭文字を取ったものです。遺伝子の一部の核酸を取り出し(抽出)、その核酸を倍々で増やして(増幅)、増えた核酸を検出することで遺伝子の有無を確認する検査法のことです(図3)。

数年前までは核酸の増幅方法がPCR(Polymerase Chain Reaction)法という方法しかなかったため、遺伝子検査法をPCR法というのが一般的でしたが、最近ではPCR法とは原理の異なる核酸増幅法:TMA (Transcription Mediated Amplification)、NASBA(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification)、LCR(Ligase Chain Reaction)などが開発され、これらの核酸増幅法を利用した遺伝子検査法を総称してNATと呼んでいます。

https://www.bs.jrc.or.jp/hkd/hokkaido/process/m3_01_01_02_00000138.html

少し古いデータですが年間の献血件数は約500万件。
そのうち遺伝子検査でHIV陽性と判定されるのは100件以下となっています。
https://www.wam.go.jp/wamappl/bb11gs20.nsf/0/9949854061cd6b844925716c0002b7d8/$FILE/20060512siryou_C.pdf

献血のHIV検査について考えます。
Taka氏と同様に特異度99.99%でベイズの定理を用います。
事前確率0.002%(100/5000000×100)とし、感度99%、特異度99.99%とすると

陽性→真陽性率16.5%となります。

費用対効果

事前確率0.002%とし、感度99%、特異度99.99%とすると、500万件の検査をするとして陽性になるのが598件で、 そのうち499件は外れになります。

検査陽性の80%以上は外れであることに注意して下さい。

NATの費用をTaka氏の仮定同様3万円とします。
年間500万件検査を行っていますので1500億円かかります。

1500億円かけて検査をし、500万件中598件陽性になり、そのうち499件は外れです。

これって本当に必要な検査なのでしょうか?

ちなみに事前確率0.002%と仮定しましたが、実際はさらに低いと見込まれます。

更なる問題

これに加えて、献血の感染症検査を行っても「輸血後に感染するかもしれない」という問題が更に追加で降りかかってきます。

結論

費用対効果で考えると輸血によりHIVに感染した人に1人1億円補償するとした場合、100億円で済みますし、偽陽性によって血液を廃棄する必要も無くなり、検査の手間も省けます。

「検査はなしで、輸血を行い、輸血を受けた者は気をつけて日常生活を送る」方が有効では?

倫理上、非常に問題がありそうな結論になってしまいました。
公衆衛生の専門家でベイズの定理をマスターしているTaka氏を参考にしたつもりですが一体どこが間違っていたのでしょうか?

この記事が気に入ったらフォローして下さい