「PCR検査の拡充には反対ではないが、PCR検査の数は不足していない」という人がいます。
「PCR検査をできる限り拡充してきた」という人もいます。
世界各国の対策と検査能力を比較してみます。
日本の検査ランキング
156位 | セネガル |
157位 | 日本 |
158位 | マカオ |
https://www.worldometers.info/coronavirus/#countries
2020年8月2日
スウェーデン
スウェーデンの対策は集団免疫獲得を目的として「ノーガード戦法」などと言われていました。
しかし、ロックダウン(都市封鎖)を行わないだけでPCR検査はしっかりと行っています。
(日本の検査能力の5倍以上)
一部学校の休校や50人以上の集会の禁止などの措置を取っていますので集団免疫を得るために感染することを推奨しているわけではありません。
スウェーデンの感染対策は次の通りです。
- 国民への勧告 (少しでも症状の見られる人は家に留まること。衛生環境に気を配ること。他者との距離を保つこと。公共の交通機関はできるだけ利用しない。70代以上および高リスクグループは買い物を含む外出や家族、友人の訪問を避ける)
- 50人以上のイベントは禁止
- 飲食店は、立食での提供を禁止し、テーブル席は腕1本分の距離を空ける
- 老人ホームの訪問禁止
- 仕事をしている人は可能な限り自宅からテレワークを推奨
- 学校は、16歳以上の行く高校、大学、専門学校などはリモート学習
日本は「Go To トラベルキャンペーン」を行い、プロ野球で5000人集客し、満員電車で人々は通勤し、PCR検査数は1/5以下ですのでスウェーデンの感染対策の方が厳格に感じます。
日本の一部の専門家が主張する集団免疫説とは全く異なるものであることに注意が必要です。
アメリカ、イギリス、フランス、スペイン、イタリア
これらの国は日本とは桁違いに死者数が多いので検査数が多いのは当然です。
何故これほどまでに死者数の違いが出るのかは未だに不明です。
ブラジル
ブラジルは日本とは桁違いに死者数が多いです。
累計死者数を削除し、批判を受けましたが検査は日本よりも行っています。
(検査数のグラフが変なので正確なデータかどうかは不明です)
ブラジル、削除した累計死者数など再掲 最高裁命じる
https://www.asahi.com/articles/ASN6C3RRJN6BUHBI00C.html
ブラジル保健省は、同省のホームページから5日に削除した新型コロナウイルスの感染者数や死者の累計数を9日に再掲した。医師やメディアなどから「データの削除は感染拡大を隠すものだ」との批判の声が上がるなか、最高裁判事が8日、同省に対し完全なデータを公表するよう命じた。
保健省、総人口の22%に新型コロナ感染検査を実施する方針を発表
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/07/75ce1e78925d76a3.html
保健省は6月24日、2020年内にブラジル人口の22%に相当する4,650万人に対して新型コロナウイルス感染症に関する検査を行う方針を発表した。
今回発表された検査の内訳は、PCR検査が2,450万人(人口の約12%)、抗体検査(IgM/IgG)が2,200万人(同約10%)となる。PCR検査は、発症8日目まで実施することが推奨されていることから、現在は入院患者に対して行われている。保健省は今後、風邪症状を有する全患者に同検査の対象を広げ、発熱、悪寒、のどの痛み、頭痛、せき、鼻水、嗅覚障害、味覚障害うち、最低2つの症状がある場合にPCR検査の実施を推奨する。また医療および公安関係者は症状がなくても検査の対象となる。
保健省は3月24日時点で、PCR検査を1,490万人、抗体検査を2,290万人に実施する計画を発表していた。ところがPCR検査については、保健省はこれまで1,150万人分の検体を受け取ったが、実際に検査が完了した数は86万件にとどまっている。検査数が増えなかった要因につき、アルナルド・メデイロス保健省健康監視局長は「世界的な需要拡大でPCR検査に必要なチューブが調達できなかった上、検査に必要な技術習得に時間を要したため」と説明している。一方、抗体検査は簡易な方法であるため、保健省はこれまで1,000万人分を自治体保健当局に配布し、うち150万人分の検査が行われている。
検査を拡充しようとしていますが実態は厳しそうです。
フィリピン
【新型コロナ】マニラ首都圏・ロックダウン(都市封鎖)、5カ月目に突入
http://www.globalnewsasia.com/article.php?id=6541&&country=12&&p=2
2020年7月16日、フィリピンでの新型コロナ感染確認者は2,498人増えて、累計61,266人になった。死亡者1,643人。回復者21,440人。現在治療中や隔離中の人は38,183人いる。
フィリピンでの都市隔離(ロックダウン)は、全体的には初期のピーク時よりも緩やかになって来たものの、未だ感染が拡大中の地域も多い。このところ新たに感染が確認される人は倍増している。
マニラ首都圏では、無症状や軽症の感染者は、自宅での隔離が許可されていたが、貧困層の多い地域では感染拡大率がさらに高くなっているため、強制的に政府の隔離施設に収容する方式に切り替え、感染を封じ込める作戦の実施を始めた。
保健省の職員と警察官が、感染者の自宅を訪問し感染者の移送を行っている。強制隔離を拒絶した市民、約40人が逮捕されている。
フィリピンマニラ首都圏の都市封鎖(ロックダウン)は、3月15日から始まり、5カ月目に突入した。期間としては、世界最長の規制だ。
フィリピンは東アジアの中でインドネシアと共に日本よりも人口当たりの死者数が多い国です。
死者数が多いのは医療体制に問題があるようです。
世界最長で最も厳しいロックダウンを行っても感染拡大が続いているようです。
日本、フィリピンに円借款500億円 新型コロナ対応支援
http://www.newsclip.be/article/2020/07/02/42834.html
【フィリピン】日本政府は新型コロナウイルス危機対応のための緊急支援としてフィリピン政府に500億円の円借款を供与する。1日、マニラで羽田浩二駐フィリピン大使とフィリピンのテオドロ・ロクシン外相が交換公文に署名した。
日本政府はフィリピンのコロナウイルス対策のための支援を行っています。
このような状況のフィリピンの検査能力は日本の倍以上です。
オーストラリア
オーストラリアは死者数は日本よりも少なく、検査能力は日本の10倍以上です。
感染封じ込めに成功してきましたが冬の到来で感染者数が増加しています。
メルボルン、コロナ第2波で再び都市封鎖 オーストラリア
https://www.cnn.co.jp/world/35156445.html
オーストラリア南東部ビクトリア州のアンドルーズ州首相は7日、新型コロナウイルス第2波の感染拡大を防ぐため、同国第2の都市メルボルンで再び厳格なロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表した。
メルボルン都市部の住民は8日午後11時59分から、食品の買い出しや育児・介護、運動、仕事以外の理由で外出することが禁止される。この措置は6週間続ける見通し。
メルボルンでは7日に確認された新規の感染者数が191人と、過去最高を更新した。それまでの最高は前日6日の127人だった。
日本の10倍以上の検査能力を持つオーストラリアが冬の到来でどのようになるのかは日本にとって参考になるでしょう。
メルボルンの人口は5,078,193人、面積 8,806km2 です。
福岡県の人口5,109,906人と同じくらいです。(面積は福岡県が約1/2倍)
(Wikipediaより)
福岡県の7/31の陽性者数は121人ですので、このまま冬を迎えると日本はどうなってしまうのでしょう?
フィジー
日本は7月に入り、フィジーの検査能力を上回りました。
フィジーでは死者数は0人、累計感染者数は27人です。
日本のGDPは4.971兆ドル、フィジーのGDPは55.37億ドルです。
ガーナ
新型コロナウイルスで困窮するガーナ共和国において「雇用支援」と「衛生改善支援」を実施
https://news.yahoo.co.jp/articles/e96fd46113789fc4f51351cb2e3addbfb28373f1
江崎グリコ株式会社は、チョコレート製品の主原料・カカオ豆の主要調達先であるガーナ共和国において、この度、新型コロナウイルス感染症に関連する支援取り組みを実施しました。取り組みは、同国の都市部と地方部で実施し、都市部では日本向けマスクの製造を現地に委託することで雇用支援を行いました。また、地方部ではカカオ豆の生産地域に対し、衛生用品の物資提供とあわせ、井戸造成の支援も実施することで衛生状態の改善に向けた取り組みを行っています。
■ ガーナの現状と支援背景
ガーナ共和国(以下、ガーナ)は、アフリカ大陸の西側に位置する世界第2位のカカオ豆生産国です。江崎グリコは、長年にわたり、チョコレート製品の原料にガーナ産のカカオ豆を使用しており、現在、チョコレート商品の全てに同国産のカカオ豆を使用しています。ガーナの都市部では、行商や家内事業など収入が不安定な人が多く、新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐため、外出禁止令が発令されたこと等による影響で、市民は経済的困窮に晒されています。一方、地方部では、マスクや消毒液などの衛生用品がほとんど販売されておらず、医療機関もそれらの物資を十分に確保できていません。当社では、これらガーナの窮状に対し、その改善に向けた一助となるべく、都市部での雇用支援、地方部で衛生改善支援を実施しました。
江崎グリコさんがガーナの窮状に対し支援を行っています。
(「ガーナミルクチョコレート」は「ロッテ」さんです)
このような状況にあるガーナと日本の検査能力はほぼ同等です。
(6月までは明らかに日本の方が劣っていました)
日本のGDPは4.971兆ドル、ガーナのGDPは655.6億ドルです。
ケニア
ケニアの難民キャンプで新型コロナウイルスの危機に挑む
https://www.unhcr.org/jp/26171-pr-200521.html
ケニアのダダーブ難民キャンプで、2人の新型コロナウイルスの感染が確認されました。ケニア政府の発表を受けて、UNHCRは政府と連携し、対応の強化を始めています。
ダダーブ難民キャンプでの密集した生活、医療サービスがひっ迫した環境の中で、キャンプや周辺地域で暮らす21万7000人を超える難民と32万人の受け入れコミュニティが抱えるリスクに対する懸念が深刻化しています。
UNHCR、パートナー団体、他の国連機関は、難民キャンプでのリスクを抑制し感染拡大を防ぐため、ケニア全土を対象とした政府主導の対応計画をサポートしてきました。
ダダーブでは医療施設の強化が行われ、955床を備えた隔離センターも新設されました。また、食料を配る場所、学校、マーケットなどに、手洗い設備125カ所の設置も完了しました。
さらに医療施設では、個人防護具(PPE)68セットを最前線で活動するスタッフに、手袋450組、医療用マスク4万5000枚、酸素濃縮器4 台が準備されました。難民グループは15万枚を超える布マスクを手作りし、数日内には配布が始まります。ヘルスワーカーは全員が、新型コロナウイルスの感染予防・対応のトレーニングを受けました。
ケニアの難民キャンプでは955床を備えた隔離センターが新設されたそうです。
このような状況にあるケニアの検査能力と日本の検査能力はほぼ同等です。
日本のGDPは4.971兆ドル、ケニアのGDPは879.1億ドルです。
ルワンダ
新型コロナで一変した首都キガリの風景
2020年3月14日、ルワンダで最初の感染者が確認された。翌日には即、教会の閉鎖、学校の休校を発表。私の長男は小学4年生なので、少なからぬ影響を受ける。6日後の20日には空港が閉鎖された。
一週間後の21日には、外出禁止令が発令。薬と食料を売る店のみが営業可。それ以外は閉店。公共交通機関の運行停止、都市間移動の禁止、「全員“work from home(仕事は家で)”」を通達された。外出は食料と薬の買い出しなどは許可されるが、それ以外は原則禁止。飲食店は持ち帰りのみ営業が許可された。ものすごい速度で全てが閉じられていった。自粛ではなく、禁止。違反すれば、取り締まりの対象になるということだ。
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g00888/?pnum=2
ルワンダでは日本よりも厳格なコロナ対策が取られているようです。
そもそも普段から産業がなく、職もない。先進国では終息した伝染病もまだまだ身近な存在だが、医療体制は脆弱。
そして今年は水害がひどい。雨がひどくても家が崩れる心配をせずに眠れる人の方が、この国では少数派だというのに。
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g00888/?pnum=4
貧困に苦しむ国民の様子がわかります。
このような状況のルワンダの検査能力は日本の2倍以上です。
死者数、感染者数共に日本よりも遥かに少ないです。
日本のGDPは4.971兆ドル、ルワンダのGDPは95.09億ドルです。
ウガンダ
ウガンダ北部における新型コロナウイルス感染症対策支援や、国内医療団体など計3団体へ「フェリシモ 地球村の基金」から合計200万円を支援
https://info.felissimo.co.jp/company/detail.php?id=1749
フェリシモが全国のお客さまと行う活動「フェリシモ 地球村の基金」は、ウガンダ北部の南スーダン難民居住区や最貧困層に対して新型コロナウイルス感染症対策を現地で行う支援団体と、国内医療団体2団体の計3団体へ、合計200万円の支援を行いました。ウガンダで新型コロナウイルス感染症対策支援を行う「特定非営利活動法人 テラ・ルネッサンス」のほか、国内医療団体へ向け支援を実施しています。5月26日にウェブサイトを更新し、ウガンダでの支援について情報公開をしています。今回の支援は、お客さまと社会と一緒だから取り組めるフェリシモが今できる活動「ともにしあわせになるしあわせwish with」活動にも位置付けられています。
フェリシモさんがウガンダのコロナウイルス感染症対策に支援を行っているようです。
ウガンダは周辺諸国から難民を受け入れていますので、難民居住区でのコロナ対策は後回しになるでしょうから、意味のある活動だと思います。
このような状況のウガンダの検査能力と日本の検査の能力はほぼ互角でしたが、7月に日本の検査能力が上回りました。
死者数、感染者数共に日本よりも遥かに少ないです。
日本のGDPは4.971兆ドル、ルワンダのGDPは274.6億ドルです。
押谷氏
日本の民間企業が支援を行っているような貧困国の検査能力と日本の検査能力がほぼ同等であることがわかりました。
【独占】押谷仁教授が語る、PCR検査の有用性とリスクとの向き合い方
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/07/pcr-4.php
──3月の段階で、押谷さんは日本はPCR検査数を抑えていると発言していた。その後は拡大したほうがいいと、方針を転換したかのように報じられていたが……。
転換したというようなことは全くない。メディアがPCR推進派と抑制派という二項対立をつくったことが問題だ。尾身茂先生をはじめ、われわれ専門家会議は初めからずっと、PCRを拡充すべきと言っている。
押谷氏は「専門家会議は初めからずっと、PCRを拡充すべきと言っている」と述べていますが誰が信じるのでしょうか?
http://www.gaiko-web.jp/test/wp-content/uploads/2020/06/Vol.61_6-11_Interview_New.pdf
「検査を抑制した日本の対応には批判もあります」に対する答えでは検査を抑制していたことを否定していません。
「検査や診察への抑制的なアクセスはこのウイルスには必要な対策」と述べています。
少し話が変わります。
Jリーグ創設前にサッカー日本代表がアジアの代表国と日本で試合を行いました。
しかし、日本のサッカー場の芝の状態が非常に悪く、相手国の監督が激怒したそうです。
「日本の支援のおかげで我が国にサッカー場を作ることができた。
日本はお金を持っているにもかかわらず、日本が有利になるために、こんな悪い状態の芝で試合をさせた。日本は卑怯だ」
こんな内容だったと思います。
Jリーグ創設前だったので日本は国としてサッカーに力を入れていませんでしたので、このようなことが起こりました。
国にお金があっても国が力を入れなければこういうことは起こるのです。
日本のPCR検査能力は世界157位です。(2020年8月2日)
国にお金があっても国がPCR検査に力を入れていないのでこのような状況になるのです。
人の命がかかっている状況で一体何をやっているのでしょうか?
PCR検査を抑制してきた人達が「私達はPCR検査を拡充すべきと言っていた」と言い始めました。
恥というものを知らないのでしょうか?