鈴木貞夫氏はソフトバンクの検査を「野良検査」と命名し、批判していました。
しかし、「野良検査」という用語は明らかな誤用です。
鈴木貞夫氏
ソフトバンクグループの孫正義会長は8月5日、自身のTwitterに「我社設立の唾液PCR検査で陽性反応者を発見。 ある保健所に確定検査依頼したら『発熱等の症状が出るまで病院によるPCR検査は不要』と断り。 感染拡大防止には積極検査と隔離が良策と思いますが…?」と投稿した。
この発信から見えるのは、ソフトバンクグループが保健所等と「陽性疑い」の結果が出た場合の対応について調整できていない実態だ。
鈴木さんは、「陽性の疑いがある人が出たらどうするのか、そのルートを予め作っておくことが重要です」と語る。
「大前提として、検査は『野良化』してはダメなんです。陽性であろうと、陰性であろうと、しっかりと保健所が結果を把握して、連絡が取れるようにしたり、必要であれば行動の制限をお願いすることが可能な状態にあることが重要です。合わせて、陽性率等を正確に把握するためにも分母と分子を正確に捉えなくてはいけない。これは、最低限のラインです」
「野良検査には明確に反対します。必要なのは論争ではなく、円滑に回すためのシステムの構築です。善意に基づきやるならば、社会的な意義があることをやっていただきたい。そうでないのなら、保健所に負担をかけるだけです」
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/softbank-pcr
2020年8月8日
鈴木氏の主張を見ると行政検査では無い検査を「野良検査」と命名しています。
鈴木氏の認識では「野良」=「公的では無い物」となっているようです。
しかし、「野良」という言葉にはこのような意味はありません。
「野良」の意味
1 野。野原。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E9%87%8E%E8%89%AF/
2 田や畑。「野良仕事」
goo辞書
①野。野原。万葉集6「―に里はあれども」
https://sakura-paris.org/dict/%E5%BA%83%E8%BE%9E%E8%8B%91/prefix/%E9%87%8E%E8%89%AF
②田または畑。「―仕事」
③藪やぶ。〈類聚名義抄〉
広辞苑
「野良検査」=「野原(で行う、の)検査」「田や畑(で行う、の)検査」となってしまいますので「野良」を誤用しています。
(「野良犬」の「野良」であると解釈しても「野良検査」=「飼い主がいない検査」となり、意味が通じません)
しかし「野良」=「公的では無い物」という言葉の使い方は鈴木氏が発案したものではなさそうです。
峰宗太郎氏
鈴木氏の記事が出るよりも前に峰氏が「野良」=「公的では無い物」という使い方をしています。(Buzzfeedつながりで鈴木氏が真似て使用したのでしょう)
ここで問題なのは「野良」誤用だけではありません。
「野良」=「公的では無い物」とした場合、「野良ブログ」=「公的では無いブログ」、「野良SNS」=「公的では無いSNS」となります。
当ブログも野良ブログに分類されますが峰氏のブログも同様に野良ブログになります。
https://www.minesot.com/ (峰氏のブログ)
私のTwitterアカウントは野良アカウントになりますが峰氏のアカウントも野良アカウントとなります。
峰氏は「野良」を誤用した上、自らに刺さるツイートを行っている事になります。
「PCR検査の枕詞として感度30~70%」
「PCRが受けられない」訴えの裏で… 厚労省は抑制に奔走していた
https://www.tokyo-np.co.jp/article/61139
「PCR検査は誤判定がある。検査しすぎれば陰性なのに入院する人が増え、医療崩壊の危険がある」―。新型コロナウイルスの感染が拡大していた5月、厚生労働省はPCR検査拡大に否定的な内部資料を作成し、政府中枢に説明していたことが、民間団体の調査で判明した。国民が検査拡大を求め、政権が「件数を増やす」と繰り返していた時期、当の厚労省は検査抑制に奔走していた。
厚労省の資料は「不安解消のために、希望者に広く検査を受けられるようにすべきとの主張について」と題した3ページの文書。コロナ対策で政府関係者への聞き取りをしたシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ」(船橋洋一理事長)が8日公表の報告書に載せた。
◆厚労省「PCRは誤判定が出やすい」
文書では「PCR検査で正確に判定できるのは陽性者が70%、陰性者は99%で、誤判定が出やすい」と説明。仮に人口100万人の都市で1000人の感染者がいるとして、全員に検査した場合、感染者1000人のうち300人は「陰性」と誤判定され、そのまま日常生活を送ることになる。一方、実際は陰性の99万9000人のうち1%の9990人は「陽性」と誤判定され、医療機関に殺到するため「医療崩壊の危険がある」とする。
これに対し、医師や保健所が本人の症状などで「検査が必要」と判断した1万人だけに絞ると、「陽性」と誤判定されるのは100分の1に減る。
2020年10月11日 東京新聞
厚生労働省が検査抑制に奔走していたことは明らかとなっています。
峰氏も厚生労働省や自治体の役人からレクチャーを受けてPCR検査妨害論を拡散していた可能性があります。
峰氏が厚生労働省や自治体の代弁をしているのであれば峰氏のブログやTwitterアカウントは公的なものとなり「野良(峰氏の定義による)」ではなくなります。
(国民にとっては迷惑な話ですが)
用語は第一に定義
「野良」誤用に話を戻します。
峰氏は新型コロナの空気感染についてはとにかく定義が大切であると力説します。
その峰氏が「野良」を誤用するのはよくありません。
「用語は第一に定義」です。