感染症

獣医師が解説 | 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はマダニを介して感染するウイルス疾患でヒト、犬、猫等への感染が確認されています。

2013年に山口県でヒトへの感染が報告されて以来、ヒトでは497件の発生が確認されています(2019年12月25日段階)(1)。

犬、猫での発生状況、症状、治療等についてまとめます。

猫でのSFTS

猫のSFTS感染発生状況

長崎県32、鹿児島県20、宮崎県15、佐賀県10、岡山県7、山口県7、熊本県7、広島6、三重県4、徳島県4、和歌山県2、京都府2、大分県2、島根県1、福岡県1となっています(2)。

SFTS感染猫の症状

  • 元気、食欲消失 
  • 黄疸
  • 発熱
  • 嘔吐

致命率は約60%と非常に高いです(3)。

猫からヒトへのSFTS感染

SFTS感染が疑われる猫に噛まれ、2日後にSFTSを発症している事例が報告されています(4)。

SFTS発症猫の唾液、糞便、尿中からウイルスが排泄されているのが確認されています(3)。

猫から猫へのSFTS感染

ネコ-ネコ感染が起こっている可能性がある(3)という記述があります。

SFTS感染猫の治療

ヒトと同様、対照療法となります。

猫のSFTS感染予防

猫を家の外に出さないようにする。

外に出てしまう猫の場合はマダニによって感染するのでマダニ予防をする必要があります。

ただしマダニ予防をしていても発症した事例があります (3) ので発生地域では注意が必要です。

犬でのSFTS

犬のSFTS感染発生状況

山口県2、兵庫県1、徳島県1、佐賀県1、長崎県1、宮崎県1となっています(2)。

SFTS感染犬の症状

  • 元気、食欲低下
  • 発熱
  • 消化器症状
  • 黄疸

致命率は29%となっています(3)。

犬からヒトへのSFTS感染

犬からヒトへ感染したと考えられる事例が報告されています(4)。

SFTS感染犬の治療

ヒトと同様、対照療法となります。

犬のSFTS感染予防

マダニによって感染するのでマダニ予防をする必要があります。

ただしマダニ予防をしていても発症した事例があります (3) ので発生地域では注意が必要です。

犬、猫以外の動物でのSFTS

マダニに咬まれる全ての動物が感染しうると考えられています。和歌山県では捕獲されたほぼ全ての野生動物が感染していたという報告があります(2)。

山口県では野生のアライグマ、タヌキ、イノシシ、アナグマ、サル、ハクビシン、シカからSFTSV抗体が検出されたという報告があります。(5)

発症が確認されている動物はヒト、犬、猫、チーターのみです(2)。

感染と発症は異なります。感染はしているが発症していない不顕性感染という状態があります。発症が確認されている動物はヒト、犬、猫、チーターのみですので野生動物は不顕性感染を起こしていると考えられます。

野生動物からヒトへの感染は確認されていませんがSFTSに感染した野生動物によりSFTS感染地域が拡大する恐れがあります。

感染・・・生体内に微生物等の病原体が寄生し、増殖すること

発症・・・感染が成立し、発病した状態

(参考文献)
(1) 国立感染症研究所 感染症発生動向調査で届出られたSFTS症例の概要2020年1月7日
(2) 国立感染症研究所 動物におけるSFTSV感染の疫学調査 2019年7月26日
(3) 国立感染症研究所 SFTS発症動物について(ネコ, イヌを中心に)2019年7月26日
(4) 国立感染症研究所 ペットからSFTSウイルスに感染し, SFTSを発症した事例報告 2019年7月26日
(5)動物におけるSFTSウイルス感染状況 山口大学共同獣医学部獣医微生物学教室 前田 健

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