村中氏はテレビ、twitter、note等で精力的にコロナウイルス感染症について発信しています。
村中氏のコロナウイルス論を検証します。
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医療崩壊について
武漢やニューヨークでは無症状者への検査を大量に行っていますが検査により感染が拡大したという報告はありません。
twitterでは村中氏にレポートを提示すべきという意見が寄せられていましたが村中氏は無視しています。
イタリアの医療崩壊は次のようにして起こりました。
「早期の入国制限、緊急事態宣言」→「検査体制拡充」→「陽性者0」→「経済活動再開」→「感染者急増」→「医療崩壊」
検査が原因での医療崩壊ではありません。
PCR検査を受けられるのが特権のようになってしまったのは検査を抑制しているからです。
「PCR信仰による人災」を心配しているのは世界中で村中氏をはじめとするPCR検査抑制論者くらいです。
「PCR信仰による人災」という起こりもしない事を騒ぎ立てnoteを販売し、利益を得る行為はマッチポンプそのものです。
患者に対する非難
命に別状が無かったのは結果論であり、その時に本当に命に別状が無い状態であったのかは診察しないとわからないはずです。
(診察でわかるとも限りません)
発熱が原因で受け入れ先が無く、10時間たらいまわしになる状況を放置して良いはずがありません。
味覚障害はコロナウイルス感染症の特徴ですので検査を希望するのは当然です。
家族がいる場合、濃厚接触者がいる場合はその人達への対処も必要になります。
検査を受けるべき人がたらいまわしにされる状況を放置して良いはずがありません。
肺炎や血栓症を引き起こす感染症で体調が急変してしまうと電話すらできなくなるということが想像できないのでしょうか?
事実確認は別としては駄目です。
現場の声に耳を傾けるべきでしょう。
看護師が語る新型コロナ最前線 軽症者死亡に「こんな急変するなんて」
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/200430/ecb2004301034006-n1.htm
2020.4.30
受け入れているのは発熱している人など比較的症状が軽い患者。人工呼吸器が必要になる症状が出れば大学病院などに移す。ただ、入院後に急激に症状が悪化して死亡する人もいた。
軽症者が急変するケースが報道されている状況で「軽症者は入院させない、医療を求めない」方針を徹底させるべきというのは暴論でしょう。
軽症者が病床を埋めてしまう恐れがあるのならば、病床を拡充すべきです。
中国や韓国をはじめ多くの国ではそのようにして対応しています。
武漢市のコンテナ病院は有効に機能した
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202004/565149.html
軽症から中等症の患者を隔離するための大規模な施設が必要になった武漢市は、専門家の意見を聞き、スタジアムや展示場などの公共な施設を転用して、大規模な臨時病院を設営することにした。コンテナ病院がオープンしたのは2月5日だった。その後数週間のうちに13病院が開設され、隔離が必要な、軽症から中等症のCOVID-19患者を収容して、治療と疾患の監視を行った。
大邱・慶北の生活治療センター終了 医療崩壊防ぐ
新型コロナウイルスの感染者が集中した大邱・慶尚北道地域で、症状が軽い患者の隔離治療を行うため、3月1日から開設されていた「生活治療センター」の運営が、4月30日をもって終了しました。この「生活治療センター」は、症状が軽いおよそ3,000人を隔離治療し、医療崩壊を食い止めるうえで決定的な役割を果たしたとされています。
http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=75648
ケニアの難民キャンプでも隔離施設が作られています。
ケニアの難民キャンプで新型コロナウイルスの危機に挑む
https://www.unhcr.org/jp/26171-pr-200521.html
ケニアのダダーブ難民キャンプで、2人の新型コロナウイルスの感染が確認されました。ケニア政府の発表を受けて、UNHCRは政府と連携し、対応の強化を始めています。
ダダーブでは医療施設の強化が行われ、955床を備えた隔離センターも新設されました。また、食料を配る場所、学校、マーケットなどに、手洗い設備125カ所の設置も完了しました。
世界各国が当たり前のようにしていることが何故日本ではできないのでしょうか?
「世界一甘やかされた日本の医療」というのは一体どういう立場からの発言なのでしょうか?
医療を受ける権利を制限すべきとも取れる主張は医師として相応しいものでしょうか?
PCRの必要もないのに希望する人が医療に殺到したというのはどこの国の話でしょうか?
多くの人は保健所で門前払いにされています。
医師が必要と考える検査でさえ、充分にできていなかったのが日本の5月の状況です。
検査体制、隔離施設の整備を怠った行政の不手際を患者やメディアのせいにするのはとんでもない責任転嫁です。
大阪のボクシングジムで新型コロナ感染者…発熱選手らが救急車手配も病院たらいまわしで「PCR検査を受けられない!」
https://news.yahoo.co.jp/articles/b7c16456fff22620f23737ab913887baecef70f4
7/18
JBC(日本ボクシングコミッション)は17日、大阪府のプロジム関係者が新型コロナウイルスのPCR検査を受けて陽性反応が出たことを発表した。ジム内には、濃厚接触者の疑いがある選手が複数いて、プロ選手2人とアマチュア選手1人が発熱、トレーナー1人も倦怠感、頭痛などを訴えて救急車を呼んだが、受け入れ先の病院が見つからずPCR検査を受けることができないという医療体制の事態も明らかになった。保健所からは、濃厚接触者の特定とPCR検査には、「4、5日が必要」と待機を命じられているが、選手らからは「早くPCR検査を受けたい。不安だ」との声が上がっている。
有症状者ですら充分に検査を受けられていない状況です。
7月になってもPCR検査に4、5日も必要なのは大阪府の検査体制の不備です。
一体今まで何をやっていたのでしょうか?
感染者を批判するのは筋違いです。
重症者以外はPCR検査待ちに時間がかっても我慢して自宅隔離しておくというルールはありません。
大阪の事例に対して異常なまでに厳しい意見になってますが次のような事情が影響しているのでしょうか?
PCR検査は定点観測
検査体制を拡充すると定点観測ができなくなるので、検査を拡充すべきでないという恐るべき意見です。
感染状況を正確に把握するために検査を拡充し、情報を集めるべきと考えるのが常識だと思いますが村中氏は条件を変えると情報の信頼性が低下するので条件を変更するなという考えのようです。
感染者が夜空の流れ星にされてしまいました。
感染者の苦しみに想像が至らないので、このようなことが書けるのでしょう。
特定業種に対する差別意識
感染経路不明者がまるで後ろ暗いことがある人達であるかのような主張です。
市中感染が広がれば感染経路不明者が増えるのは当然です。
コロナウイルス感染症が「夜の街」が原因で感染拡大していると決めつけています。
「夜の街」だけを悪者にしても感染対策が上手くいくはずがありません。
日本独自の珍説「偽陰性者が感染を広げる」という主張です。
一連の村中氏の投稿からは特定業種への強い差別意識を感じます。
インペリアルカレッジの報告
https://www.imperial.ac.uk/mrc-global-infectious-disease-analysis/covid-19/report-16-testing/
簡単に要約すると
「医療従事者やハイリスク集団に対する週1回のスクリーニング検査は感染拡大を25~33%減少させます。
一般的な集団への広範なPCR検査は症状に基づく接触者追跡と自己隔離よりも感染拡大減少には寄与しませんが早期の隔離解除を可能にする可能性があります。」
医療従事者やハイリスク集団に対する定期的なスクリーニング検査を推奨しています。
大規模PCR検査には否定的ではありますが、メリットにも言及しています。
どのように読めば村中氏のように解釈できるのかは理解できません。
ドロステン氏
日本版コロナ対策、欧州で再評価! PCR検査より隔離優先…「クラスター潰し」「3密回避」に注目 村中璃子氏が緊急寄稿
https://www.zakzak.co.jp/smp/soc/news/200820/dom2008200004-s1.html
欧州連合(EU)の新型コロナ対策会議の議長、クリスティアン・ドロステン氏は6日、独ZEIT紙に、流行再拡大の可能性が高い秋への備えについて寄稿した。
日本では、全社会機能を停止させる「ロックダウン」を行わずに第1波を乗り越えることができたが、その背景には、流行の早い段階から集会や密閉空間などが流行拡大のリスクであることを特定して国民に警戒を呼び掛けたこと、クラスター(感染者集団)の連鎖を断ち切ることを主目的としたPCR検査体制をとったこと、コロナ以前からマスクの着用が一般的だったことなどがあるとするものだ。
陽性者が出たら(1)濃厚接触者はPCR検査を実施する前に全員隔離(2)発症しないか観察(3)隔離5日目にPCR検査実施(4)陰性であれば隔離を終了してよい-としている。
同寄稿でドロステン氏は、第1に、PCR検査よりも隔離を優先すること、2つ目に、PCR検査は感染者を見つけるためではなく感染力を確認するために用いること、3つ目に、そうすることで、いたずらに長い自己隔離を回避することができることを強調した。
村中氏はこのようなドロステン氏の発言を元に次のように主張します。
1週間に100万件超にまでPCR検査のキャパシティーを強化したドイツでいま起きているのは、「経済を回すためには、無症状者にも広くPCR検査の対象を拡大すべきだ」という日本の一部論者のものとはまったく異なるものだ。
https://www.zakzak.co.jp/smp/soc/news/200820/dom2008200004-s2.html
「医療資源を効率よく使い、経済を回していくためには、PCR検査の対象は明確な目標をもって絞る必要がある」という議論であることについては強調しておきたい。
わかりやすくまとめますとドロステン氏は日本のクラスター対策を参考にして次のような提言を行っています。
- 濃厚接触者はPCR検査を実施する前に全員隔離
- 濃厚接触者は隔離5日目に全員検査(症状が出なかった場合)
- 検査で陰性の場合は隔離終了
実際の日本の対策は次のようになっています。
- 濃厚接触者の認定は保健所が行うため検査対象、隔離対象の認定範囲は保健所のキャパシティに依存する
- 多くの自治体で無症状の濃厚接触者の検査が行われるようになったのは5月末から
ドロステン氏の提言では濃厚接触者は全員検査をしますので検査対象を制限するということではありません。(当然無症状の濃厚接触者も含みます)
ドロステン氏の提言で注意が必要なのは濃厚接触者全員の検査を隔離5日後に行うということです。(症状が出なかった場合)
無症状の濃厚接触者に検査をせずに2週間隔離するのではなく、全ての濃厚接触者に検査をするので検査体制の拡充が必須です。(現在の検査体制では大阪、東京、愛知等では濃厚接触者全員検査は不可能でしょう)
検査せずに2週間隔離しておくと経済的損失が大きいので早期に検査を行い、仕事復帰してもらうということです。
このようなドロステン氏の提言から「PCR検査の対象は明確な目標をもって絞る必要がある」とするのは完全なミスリードです。
ドロステン氏の提言でもう一点注意が必要なのは隔離5日目に陰性であれば隔離を終了してよいという点です。
これは一種の陰性証明のような考え方ですが日本独自の珍説「偽陰性者が感染を広げる」恐れは無いのでしょうか?
村中氏はドロステン氏の提言では「偽陰性者が感染を広げる」恐れがあるとドロステン氏にアドバイスすべきではないでしょうか?
特異度94%?
慶応義塾大学病院 新型コロナ以外の無症状患者の6%がPCR検査陽性 院外・市中感染の可能性も
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=69155
慶応義塾大学病院(東京都新宿区)は4月23日までに、新型コロナウイルス感染症以外の治療目的で来院した無症状の患者67人にPCR検査を行ったところ、4人(5.97%)が陽性者だったと公表した。4月13日から4月19日に行った術前および入院前PCR検査で明らかになったもの。
慶応義塾大学病院のPCR検査の結果をうけての投稿です。
驚くべきことに村中氏はコロナウイルスPCR検査の特異度が94%程度(村中氏にとっては高精度である認識)であると考えているようです。
PCR検査単独では67人中感染者が0であっても偽陽性が4人程度出てもおかしくはないという認識のようです。
この程度の理解でPCR検査について語るのは恐ろしいことです。
検査前確率の低い集団に検査を行えば偽陽性率が上がるという認識です。
陽性者がほとんどいない集団にPCR検査をして一体どのようにして偽陽性が出るのでしょう?
村中氏はPCR検査の原理が全く理解できていません。
PCR検査実施について
こういう事例があっても検査拡充を牽制しています。
検査を拡充し、陽性者が増えても中国、韓国のように隔離施設を整備することで医療崩壊は避けられます。
そのような考えに至らない理由がわかりません。
感染が拡大してしまうと全数把握が不可能なのは当然です。
世界各国それを認識した上で対策を立てています。
全数把握が不可能だからと思考停止に陥り、無策なまま時が過ぎるのを待っているのは日本くらいのものです。
PCR検査実施件数と陽性率は検査が充分に行われているかの評価基準になります。
世界各国がPCR検査実施件数に拘っているのはそのためです。
PCR検査を揶揄
PCR検査拡充を求めるのはビジネスだそうです。
私を含め感染対策としてPCR検査拡充を求める人はたくさんいますがどこかからお金が入ってくるのでしょうか?
PCR信仰と揶揄しています。
記事は鈴木氏によるものです。
今度はPCR教と書いてます。
PCR検査拡充を求めるのは呪文やオカルトとのことです。
PCR検査の拡充に反対していない
PCR検査体制の拡充に反対したことなんて一度もないそうです。
何と言ったら良いのか言葉を失います。