コロナウイルス感染症

コロナウイルス感染症の実態は正確に把握されているのか?自営業者が新型コロナウイルス感染症に罹患した場合を考えてみる

コロナウイルス感染の有無を調べるためのPCR検査をなかなか行ってもらえないという事例が多数あります。

広島市は7日、安佐南区の30代の自営業男性が新型コロナウイルスに感染していると確認したと発表した。
男性は2月上旬にせきの症状が出た後、今月5日までに市内4カ所の医療機関を計8回にわたって受診していた。

中国新聞デジタル 2020年3月7日

病院がPCR検査を行わない以外にも実態把握を妨げる要因があると思います。

自営業者やその従業員が新型コロナウイルス感染症に罹患した場合を考えてみます。

新型コロナウイルス感染が職場で発生した場合

トヨタ自動車は20日、高岡工場(愛知県豊田市)に勤務する20代の男性従業員1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。

男性は3月14日に発熱し、週明けの16日から勤務を休んでいた。発熱が続き、19日にウイルス検査を受けたところ、感染が確認された。勤務していた生産ラインは、19日に一時停止し、消毒完了後に稼働を再開した。濃厚接触者は自宅待機しているという。

https://trafficnews.jp/post/94712

大創産業は3月10日、「ダイソーLINKS UMEDA店」に勤務する従業員が3月8日、新型コロナウイルスに感染していることが判明したと発表した。

感染した従業員は、2月19日に開催された大阪市内のライブイベントに参加しており、2月25日に風邪の症状(軽い鼻水、咳)があり医療機関へ受診。その後2月29日、3月3日にも風邪の症状があり医療機関にて受診した。

3月5日にライブ会場から感染者がでたため、3月6日に医療機関にて受診。8日にPCR検査を実施、新型コロナウイルス陽性と判明した。

現時点で同店を除き、本社、他の物流施設、ならびに営業拠点においては、感染者は確認されていないが、近隣の梅田OPA店、堂島地下街店については、従業員の往来もあることから、念のため3月9日、10日の営業は中止とし、消毒作業などを実施している。

https://www.ryutsuu.biz/strategy/m031016.html

富士通は23日、情報通信機器を製造する小山工場(栃木県小山市)のグループ会社従業員1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。

富士通によると、男性はデスクワークの担当だったため、製造ラインの稼働に影響はないという。

富士通は、男性従業員が勤務していた建屋を2度消毒した。工場に濃厚接触者はいないものの、16日に近くにいた同僚12人に対し、今月30日までのテレワークや休暇取得を指示した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020032300538&g=eco

従業員で感染者が出た場合は、 感染者との濃厚接触者は自宅待機となりそうです。
職場は消毒作業が行われ、何日間かの休業が必要になりそうです。
おそらくニュースにもなるでしょうから、職場で感染者が出た場合、小規模の店舗は風評被害は避けられそうにありません。

コロナウイルス感染が原因の店舗休業に対する補償

店舗経営者がコロナウイルスに感染し、休業する場合は国からの金銭的な補償はなさそうです。

従業員がコロナウイルスに感染し、休業する場合も当然、国から経営者への金銭的な補償はなさそうです。

自営業者でのコロナウイルス感染の報道

コロナウイルス感染で報道されている人の多くは大企業で勤務している人や公務員です。自営業者でのコロナウイルス感染はほとんど報道されていません。風評被害を与えないために報道を自粛しているのでしょうか?

自営業者やその従業員がコロナウイルスに感染したと疑われる状態になった場合

自営業者の場合はよほど重篤化しなければ、コロナウイルスの検査を希望しないはずです。仮にコロナウイルス感染が発覚した場合は店舗を休業する必要が出てきますし、休業に伴っての金銭的補償はありませんので。
従業員に疑わしい症状が出た場合は、経営者はコロナウイルスの検査はしないで欲しいと従業員に命じると思います。従業員が原因で休業になっても金銭的補償はありませんので。

従って、自営業者やその従業員がコロナウイルスに感染したと疑われる状態になったとしても重篤化しなければ検査を希望するとは考えにくいです。

コロナウイルス感染者が出た場合の保健所の対応

コロナウイルス感染者が出た場合、保健所は職場の消毒や濃厚接触者への対応が必要になります。保健所の立場に立つとコロナウイルス感染者はできるだけ出てほしくないと考えます。

こういう事情で保健所は検査には積極的にはなりません。

まとめると

できるだけ検査を受けたくない自営業者とできるだけ検査をしたくない保健所という関係が見えてきます。
感染が疑われる自営業者やその従業員が検査をしないことで今後爆発的に感染が拡大しないのか懸念されます。
このような状況で感染の実態が正しく把握できているのか疑問です。
そもそも感染実態の把握そのものを必要無いと考えているのかもしれません。

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