コロナウイルス感染症の感染者数、死亡者数はアジアと欧米では大きく異なっています。
コロナウイルス対策が上手くいっているかどうかの比較対象は日本の場合はアジアの国であると考えます。
お手本とすべき台湾のコロナウイルス対策を日本と比較しました。
Contents
感染状況 6月2日の段階
感染者数 | 死亡者数 | |
台湾 | 443人 | 7人 |
日本 | 16884人 | 892人 |
コロナウイルス感染症に対する初動
台湾
2019年12月31日:WHOに対し、湖北省武漢市で「原因不明の」肺炎のクラスターが確認されたと報告。
台湾、警告無視のWHOに苦言 早期に「人・人感染」通報―新型コロナ
JIJI.com 2020年04月11日
台湾政府で新型コロナウイルス対策本部のトップを務める陳時中・衛生福利部長(日本の厚生労働相に相当)は11日の記者会見で、新型コロナの世界的感染拡大で国際社会から批判されている世界保健機関(WHO)に対し、「これ以上、過ちを犯さないでほしい」と苦言を呈した。
陳氏によると、台湾は昨年12月31日、中国湖北省武漢で原因不明の肺炎にかかった人がいることについて、現地の報道に基づいてWHO側に電子メールで通報。「複数の患者が隔離治療されている」として、人から人への感染の可能性を示唆し、警告したものの、無視されたという。
1月5日:専門家会議を開催。
1月20日:中央感染症指揮センター設置。
日本
1月30日:新型コロナウイルス感染症対策本部を設置。
2月14日:新型コロナウイルス感染症対策専門家会議を設置。
入国禁止
台湾
1月21日:台湾で初の感染者確認。
1月23日:武漢ロックダウン。武漢からの旅行者の入境を禁止。武漢との直行便運航停止。
2月6日:中国在住の中国人の入境を全面的に禁止。
3月19日:外国人の入境を原則的に禁止。
日本
1月16日:神奈川県内で感染症例を確認
1月23日:武漢ロックダウン。武漢を含む中国湖北省への渡航を中止勧告(レベル3)。
北京の日本大使館のホームページに安倍晋三首相の中国国民に向けて春節をお祝いし、訪日を熱烈歓迎する動画を公開。
1月28日:ヒトからヒトへの二次感染を国内で初めて確認。(武漢滞在歴の無いバス運転手)
2月1日:過去14日間に中国湖北省への渡航歴がある場合入国禁止。
2月13日:浙江省を規制対象地域に追加。
2月27日:韓国の大邱広域市と慶尚北道清道郡を規制対象地域に追加。
3月9日:中国と韓国からの入国者に対して14日間の待機を要請。
感染者情報
台湾
台湾で連日行われる指揮センターの記者会見では、新たな感染者が判明すると、関連情報が公開される。
https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakamiho/20200526-00180214/
今年4月1日の記者会見で、情報公開に関する原則が示されていたこととあわせて、以下の原則が記されていた。
ごくごく要点をまとめると次のようになる
公開:性別、年代、居住エリア、濃厚接触者の類型、行動履歴(交通機関、公共施設)
非公開:氏名、既往症と病歴、受診医療機関、職業、仕事内容、公的機関の所属部門
どれにも基準となる理由が明確に示されており、なおかつ非公開となっている項目も「感染予防に必要なら、より詳細な情報を公開する」と添えられている。
そして個人情報にかかわる第8条には、「前2項の個人情報は、ウイルス感染がなくなった段階で、個人情報保護関連法に従って処理される」と、情報の使用期限が定められた措置であることも明記されている。
日本
公開される情報は自治体によって異なる。
東京、大阪では性別、年代、居住地程度の情報。
感染者の国籍の内訳は不明。5月9日以降は厚生労働省のサイトでは国籍の表示そのものが消滅。
対策本部
台湾
衛生福利部大臣でもあり、中央感染症指揮センターのトップである陳時中部長(大臣)の顔は、今では台湾に居住している方ならほとんどの人が知っている顔でしょう。
https://courrier.jp/expat/area/taipei/109/14554/
時には感染者のこと想い会見で涙を流し、医療従事者たちに感謝の言葉を述べ、国民たちには誠実な説明をする、陳部長の言葉は台湾国民を安心させています。
今も毎日会見を行い、台湾の感染者数の最新動向を報告し、記者からの質問が出なくなるまで回答されています。
日本
コロナ専門家会議、議事録作らず 歴史的事態検証の妨げに
共同通信 2020年5月28日
新型コロナウイルス対策を検討してきた政府専門家会議の議事録を政府が作成していないことが28日、分かった。共同通信の情報公開請求に、事務局の内閣官房が回答した。議事の概要と資料は公表されているが、各出席者の詳細な発言は記されず、対策検証の妨げになる可能性がある
隔離対象者の監視
台湾
携帯電話のGPSで監視。違反者には罰金。
台湾、隔離無視しクラブ行った男に罰金360万円
隔離下にある人々は携帯電話のGPSとメッセージシステムで監視されており、自宅を離れた場合には警察に通知がいくという。隔離対象者が公共交通機関を使った場合、100万台湾ドルの罰金が2倍になる可能性もある。
https://www.jiji.com/jc/article?k=20200325039870a&g=afp
日本
監視は行わないが、問題行動があった場合、ネット上で社会的制裁、デマも拡散。
「ネット私刑」コロナ禍で過熱懸念 執拗に本人特定、デマも拡散
https://www.sankeibiz.jp/workstyle/news/200529/cpd2005290700001-n1.htm
新型コロナウイルスに感染したことを隠して高速バスに乗った山梨県の20代女性に対して「コロナをまき散らしている」などとインターネット上で批判が集中し、実名や顔写真とされる真偽不明の情報が公開される事態に発展した。
社会的距離
台湾
4月1日:「社会距離に関する注意事項」が政府から発表。
https://jp.rti.org.tw/news/view/id/92359
日本
4月15日:「3つの密を避けるための手引き」を公表。
https://www.kantei.go.jp/jp/content/000062771.pdf
5月4日:「新しい生活様式 」を公表
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html
マスク
台湾
1月24日:医療用マスクの輸出を禁止。
1月31日:国内で生産された全ての医療用マスクの買い上げを開始。
2月6日:マスクの購入実名制開始。
3月12日:マスク購入実名制の新制度(2.0)施行。インターネットでの予約受け付け開始。
4月21日:日本にマスクを200万枚寄贈。
過去の未購入分マスクを海外へ寄付、すでに35万人が賛同
TAIWAN TODAY 2020/04/30
台湾では29日まで連続4日で新型コロナウイルスの新規感染者が出ておらず、また国産サージカルマスクの生産量も増加している。こうした中、中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)は27日、アプリを使ったマスクの「実名制」インターネット予約販売のうち、 過去の未購入分マスクを海外諸国への寄付に回せるようユーザーが意思表示する取り組み「護台湾、助世界(=台湾を守り、世界を助けよう)」の始動を宣言した。寄付する国を指定することはできない。30日零時までの時点で、すでに35万232人が賛同し、寄付に回すマスクは298万6,209枚に達している。
日本
3月15日:マスク転売規制。
4月17日:全国のすべての世帯を対象に1つの住所当たり2枚ずつ、布マスクの配布(アベノマスク)を開始。
4月中旬:異物混入によるアベノマスク配布の中断、回収。
IT担当大臣
台湾
38歳の天才プログラマー。マスク配布システムを開発。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/03875/
日本
78歳のはんこ大臣。コロナ関係での活躍は一切なし。
スポーツ
台湾
プロ野球
4月11日に開幕を設定、11日は降雨によって順延したが12日に開幕。
世界初!! 台湾プロ野球が徹底した防疫対策で1000人の観客を迎える
https://news.yahoo.co.jp/byline/yokoohirokazu/20200508-00177628/
5月8日には台北市に隣接する新北市・新荘棒球場で行なわれる統一セブンイレブン・ライオンズと富邦ガーディアンズ、楽天モンキーズと中信兄弟エレファンツが対戦する台中市の洲際棒球場ともに最大1000人の観客を入れることになった。シーズンチケットの購入者、主催球団ファンクラブ会員に優先販売となった入場券は、両球場ともほぼ完売したという。
日本
高校野球
5月20日:第102回全国高等学校野球選手権大会の中止を決定。夏の甲子園大会は、1915年に誕生。1918年と1941年に中止されているが、戦後の大会中止は初めて。春夏連続で大会が中止となるのも史上初。
高校総体
5月8日:第66回全県高校総合体育大会の中止を決定。
プロ野球
6月19日開幕。
まとめ
台湾はSARSでの失敗から学び、見事なコロナウイルス対策を行っています。
日本が台湾よりも優れていた点、優れている点を見つけるのが難しい状況です。