私は元々は保守思想の持ち主でした。
選挙では自民党以外には投票したことがありません。(今後はわかりませんが)
学生の頃は「正論」や「諸君」を読んでいました。(もはや黒歴史になりそうです)
近頃はまともな保守思想はほとんど絶滅してしまったように思えます。
一見、現実主義的で保守思想のように思えますが道徳的退廃を招くエセ保守思想が蔓延しています。
森喜朗会長の女性蔑視発言とその後の経緯
2月3日
・東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で「女性理事を選ぶってのは、文科省がうるさく言うんです。だけど、女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」と女性蔑視発言4日
・森会長が「深く反省している。発言は撤回したい」と謝罪。辞任は否定・国際オリンピック委員会(IOC)が「謝罪した。これをもってIOCは問題が終わったと考えている」と声明
5日
・発言を制止しなかったJOCの山下泰裕会長が「指摘する機を逸してしまった」と釈明。森会長の進退については「最後まで全うしていただきたい」・東京都の小池百合子知事が「絶句した。あってはならない発言」とコメント
8日
・菅義偉首相が衆院予算委員会で「国益にとって芳しいものではない」と発言・組織委によると5日間で大会ボランティアの辞退者約390人、コールセンターに問い合わせ約4550件
・自民党の二階俊博幹事長がボランティア辞退の動きを「瞬間的」と表現。「どうしても辞めるなら新たなボランティアの追加ということになる」
・組織委がスポンサー企業向け説明会で釈明
9日
・IOCが一転、女性蔑視発言を「完全に不適切」と批判・野党の女性議員が抗議の意思表示として、米国の女性参政権運動を象徴する白い服を衆院本会議で着用
・組織委が五輪聖火ランナー全員に謝罪メール送付。返信する形で東京電力福島第1原発事故で被災した福島県の男性が聖火ランナー辞退を通知
10日
・小池知事が近く予定されていたIOC、組織委、都、政府による4者会談に出席しない意向表明・組織委スポンサーのトヨタ自動車が豊田章男社長名で「誠に遺憾」と見解発表
11日
・森会長が関係者に辞任の意向伝える・森会長が日本サッカー協会相談役(元会長)の川淵三郎氏に後任就任要請。川淵氏が受諾の意向示す
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021021100654&g=spo
2021年2月11日 JIJI.com
このようなことが起こると必ず次のような主張をする人が出てきます。
清廉潔白と政治能力
上記の主張の問題点は命題を無理やり二者択一論に変換していることです。
世の中に「清廉潔白で無能な政治家」と「人間性に問題がある有能な政治家」の2種類の政治家しか存在しないわけではありません。
「清廉潔白で有能な政治家」が良いのは言うまでもなく、敢えて「人間性に問題がある有能な政治家」を選ぶ必要性はありません。
(仮に日本では「清廉潔白で有能な政治家」が存在し得ないのであれば、政治システムの問題であり、改善する必要があります)
森氏の発言はIOCからも批判されており、オリンピック開催国の長としてはふさわしくなく、日本の国益を毀損しています。
仮に森氏が有能な政治家であったとしても免責されるものではありません。
似たような主張に次のようなものがあります。
医師の人格と腕
世の中には「人格に問題のある有能な医師」と「人格者であるが無能な医師」の2種類の医師しか存在しないわけではありません。
「人格者である有能な医師」が良いのは言うまでもなく、敢えて「人格に問題のある有能な医師」を選ぶ必要性はありません。
(仮に日本では「人格者である有能な医師」が存在し得ないのであれば、入試システム、教育システムの問題であり、改善する必要があります)
ところがこのような不適切な2者択一論に基づき、有能であれば人格はどうでも良いと解釈しているのか、品性が疑われるような発言をする医師をtwitter上では多数見かけます。(本当に有能かどうかは不明です)
これらの暴言の顛末は下記記事を参照して下さい。
医師は人格者であることが必要とされるはずですが、この人達の頭の中には、そのような事は微塵も無さそうです。
(このような医師達が悪目立ちしていますが、人格者である医師の方が遥かに多いとは思います)
まとめると
命題を無理やり2者択一論に変換し、現実論を説くような主張には注意が必要です。
一見、現実主義的で保守思想のように思えますが道徳的退廃を招くエセ保守思想であることがほとんどです。