「うちの子が~を食べてしまいました。どうしたら良いですか?」
動物病院ではこういう問い合わせをよく受けます。
犬、猫が異物を誤飲した場合について
様子を見て良いのか?
吐かせたら良いのか?
手術が必要になるのか?
費用は?
といった疑問を持たれるでしょう。
その対処法についてまとめます。
Contents
異物を誤飲した時に最初にすること
動物病院に電話をして、指示に従って下さい。電話では
- 何を?
- いつ?
- どれくらい?
食べたのかについてしっかり伝えて下さい。
電話せずにそのまま来院しても構いませんが来院時には成分や大きさがわかる物があれば持参して下さい。
夜間や診察時間外の場合はどうすれば良いか?
かかりつけの動物病院が診察時間外の場合は診察を行っている動物病院に電話をして指示に従って下さい。
深夜の場合は夜間診察を行っている動物病院に電話をして指示に従って下さい。
http://lifewithpet.net/ 夜間・救急動物病院マップ
オキシドールや食塩を投与して吐かせても良いか?
動物病院にかからずに自宅で無理に吐かせようとしてオキシドールや食塩を投与される方がいますが絶対にやめて下さい。
- オキシドール・・・食道炎を起こします
- 食塩・・・過剰に与えると電解質異常を起こし、命に係わることがあります
異物には吐かせるべき物と吐かせてはいけない物、吐かせる必要が無い物があります。
獣医師はそれらを判断して処置を行いますので自宅での処置は絶対にやめて下さい。
手術が必要になるケースは?
- 腸閉塞を起こしそうな大きさのもの(靴下、ボール、トウモロコシの芯等)を誤飲した場合
- 胃、腸を傷つける恐れがあるもの(トリの骨、釘等)を誤飲した場合
- 異物が原因で腸閉塞を起こしている場合
異物が胃に留まっている場合は内視鏡で取れる場合があります。
異物が大きすぎて内視鏡で取れない場合や異物が腸にある場合は開腹手術になります。
どちらも全身麻酔が必要になります。
費用は内視鏡検査では15,000円程度(1)(麻酔料金、投薬料金除く)
胃切開術、腸切開術では38,000円程度(1)(麻酔料金、投薬料金除く)必要になります。
手術が必要で無い場合の治療について
催吐(吐かせる)処置、経過観察のいずれかになります。
吐かせるべき物や吐かせることができる物の場合は注射薬を用いると、比較的安全に吐かせることができます。
吐かせる必要が無い物や時間が経ち、異物が胃内に無い場合は経過観察となります。
経過観察の場合であっても後に腸内で閉塞を起こす危険性がある場合は注意が必要ですので獣医師の指示に従って下さい。
まとめ
犬、猫が異物を誤飲した場合、自宅で対処せずに動物病院に連絡して下さい。万が一に備えて、かかりつけの動物病院で時間外対応について確認しておくことをお勧めします。
参考
(1)家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)